槍は全てに勝る武器だ。それを覚えてくれたかな?
プロフィール
真名 | 宝蔵院胤舜(満田源之助) |
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クラス | ランサー |
性別 | 男性 |
身長 | 177cm |
体重 | 79kg |
出典 | 史実 |
地域 | 日本 |
属性 | 中立・中庸・人 |
好きなもの | 槍以外は何もない |
嫌いなもの | 無益な殺生 |
設定担当 | 東出祐一郎 |
ILLUST | 松竜 |
CV | 浪川大輔 |
酒は不要。薙ぎが濁る。肉は不要。突きが鈍る。
概説
『Fate/Grand Order』に登場するランサークラスのサーヴァント。レアリティは☆3。
メインシナリオでは第1.5部の第3シナリオ『屍山血河舞台 下総国』で登場。
何者かにサーヴァントとして召喚されていたところを主人公と宮本武蔵に出会い、悪鬼羅刹と化した「英霊剣豪」との戦いに協力してくれるのだが……
真名
江戸時代前期における仏教僧にして達人的な武芸者、「宝蔵院胤舜」。
俗名は満田源之助。宝蔵院の継承者として、宝蔵院流槍術の開祖胤栄に師事し、槍術や僧としての教えを受ける。しかし胤栄は晩年、仏僧が殺生の技を教える矛盾に悩んだ末に槍を捨て、「仏に仕える者が槍術を学ぶは、本意ではない」「仏に仕えるならば、槍を捨てるべきである」と後継の胤舜にそう伝い、八十七歳で入寂した。しかし、彼は槍を捨てなかった。「宝蔵院たる者、仏の道と槍の道双方を歩むべし――」と、宝蔵院流槍術を復興させた。その槍の冴えは、本編中に宮本武蔵さえ感動のあまり「涙ぐんだ」と心中で言い放ったほどの清廉さを宿す。
人物
一人称は普段は「拙僧」、まれに「俺」。
性格は僧侶らしく生真面目で、無益な殺生は好まない。
一方では面倒見が良く、美人を愛でる心を持つ快男児でもある。
カルデアに召喚されてからは弁慶、牛若丸、佐々木小次郎などの名だたる面々が揃う姿に驚嘆している。しかし、天草四郎、宮本武蔵、柳生宗矩らに対しては「揃っちゃいけない気がする」と若干引き気味である。また、僧侶であるため酒はご法度なのだが、俵藤太の言及から「般若湯」と称して酒を飲むという破戒僧っぷり(※)を晒してもいる……
※日本では寺社を問わず「献酒(酒をお供えする)」の文化が古来から根付いており、神仏への供物として酒が持ち込まれるのは現代でも良くある話である。そして「頂いたものは全てありがたく頂く」のが仏教僧の基本理念であり、加えて日々戒律で押さえ付けられている僧たちの気晴らしに、寺院によっては年中行事に紛れて飲酒を許すことはあった模様。無論、度が過ぎれば破門である。普段は料理に酒塩として使い、アルコールを完全に飛ばして利用する。
能力
生前に極めた、宝蔵院流槍術を駆使した戦闘を行う。
モーション中では、十文字槍を用いた連続突きや頭上からの刺突、精神統一しての強力な一撃を披露しており、攻撃の合間に飛び蹴りを使用することもある。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | C | D | A | D | B | C |
保有スキル
対魔力(D+) | ランサーのクラススキル。魔術に対する抵抗力。D+ランクでは、一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。魔力避けのアミュレット程度の耐性。僧兵である為か、日本の呪術関係に限り「対魔力」が若干ブーストする。 |
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宗和の心得(B) | 同じ技を何度仕掛けても命中精度が下がらない特殊な技法。つまり、相手に攻撃を見切られる事がなく、相手は何度戦っても常に初見と同じ戦いを強いられる。 |
武の求道(B) | 地位も名誉も富も女も無視して、ただ一心に武を磨いた者達に付与されるスキルの一つ。宝蔵院胤舜は十文字槍を持つ限り、戦闘能力が向上し、精神攻撃に対する耐性をある程度獲得する(英霊剣豪化の術式に関しては耐えられないが)。 |
先の先(B+) | 相手の殺気、闘志、敵意などを感じ取って「それより先に」攻撃を仕掛ける。Bランク以上であれば、余程の攻撃でない限りは先手を打つ事が可能となり得る。ただし、機械のような闘志の一切無い攻撃への先手は些か苦手としている。 |
宝具
朧裏月十一式(おぼろうらづきじゅういちしき)
- ランク:C
- 種別:対人宝具
- レンジ:1~5
- 最大補足:1人
「宝蔵院流の妙技、御覧あれ!」
「これぞ槍の究極。生涯無敗を確立させた十一の式、朧裏月――いざ参る!!」
胤舜が極めた十文字槍の武芸が昇華した宝具。先代である胤栄が定めた表十五本の技に対し、胤舜が定めた裏十一本技を指す。「その槍神仏に達す」とまで謳われた胤舜が編み出した技の型であり、あらゆる敵、技への対応を可能にする。また、この宝具は初見の相手あるいは武器がどれほど奇妙なものであったとしても、初見ゆえの不利を解消することが可能。
ゲーム上での性能
カード構成はランサーでは2人目となるQ3枚構成。自身のATKも☆3ランサーでは最も低い為、素の火力は控えめ。代わりに3ヒットするQuickのスター生産力、NP回収率は良好であり、宝具は打ちやすい。スキルはそれぞれ使い所がはっきりしているので使用タイミングにのみ注意。
……とまぁ、こう書けば☆3相応に思えるが、宝蔵院の槍はここで止まらなかった。
スキルは、3ターン必中状態とスター発生アップを付与する「宗和の心得(B)」、1ターンQuick性能と3ターン精神異常耐性をアップさせる「武の求道(B)」、敵に1ターン宝具封印状態と3ターン防御力ダウンを付与する「先の先(B+)」と、間接的な自己強化とサポートにまとまっている。
宝具は上記の通り。効果は【自身の攻撃力をアップ(3ターン)&自身のスター発生率を大アップ(3ターン)〈オーバーチャージで効果量アップ〉&自身のクリティカル威力を大アップ(3ターン)&自身に即死無効状態を付与(1ターン)&自身に回避状態を付与(1回)】。
多重の自己強化により、普段は足りない攻撃性を大幅にテコ入れ出来るようになる。
そしてこれこそ宝蔵院流の恐ろしさの根元といえる要素に他ならない。
仮にスターが充分に足りる状況でこの宝具を発動し、宝具からのBraveチェインを発動させると、そこから神仏の域に達した槍からのクリティカル地獄が開幕する。
ランサーゆえに足りないスター集中率を概念礼装等で補ってやると、カード配分次第で宝具効果の切れ目までにもう一度NPチャージが完了し、続けざまに神域の槍が唸りを上げる。
スキルの強化と噛みあうと、もう止まらない。通常攻撃が必殺の一撃となる。“スキルでの”宝具封印も使えるという稀有な特性もあるので、敵の必殺の一撃を遅延させることも可能。誰が言ったかQuickゴリラ。やり方次第でほぼ毎ターン宝具解放とかいうわけがわからないことまでやってのける……兄貴といい、ローマと言い、ジャガーといい、☆3槍は魔境と言う他ない。
回避付与が1回分だけだったり、ガッツ(戦闘不能から1度だけ復帰)付与がないなど、☆3ゆえに足りない部分は多い。だからと言って、これを☆4以上のレアリティにして基礎ステータスやスキルの仕様を底上げしてしまうとえげつない何かになる危険性があるのは、本編をプレイしたマスター諸氏なら否応なく理解してしまうだろう……とそのうちに、とうとう本当にそのえげつない何かが実装されてしまい、高難易度クエスト要員の座を総ざらいしてしまった。
周囲からサポートも必要ではあるが、スター運用とNP供給の課題を解消してれやりさえすれば、上記のクリティカル祭りで新手のランク詐欺サーヴァントとして活躍する可能性を秘めている。彼の槍のさらなる高みを見てみたいなら、聖杯転臨も一考に値するだろう。
ちなみに十一式を反映してか3つのスキル及び宝具で発動する効果は合計で11。
……そして、2018年7月末の『FGO』3周年記念でスカサハ=スカディが実装。周回に革命を起こした新進気鋭のサポーターとして一躍話題となったが、このスカディ、通常攻撃で戦う胤舜とも抜群に相性が良い。前述のように、胤舜はQ3枚の持ち主であり、そこにスカディの「原初のルーン」による高倍率のQバフを3ターン付与することでダメージ・NP獲得量・スター生成力が跳ね上がる。さらに、「大神の叡智(B+)」で最大NP50%を即座にチャージできるため、胤舜の宝具発動を格段に早めることが可能。自前のスカディとフレンドのスカディで胤舜を挟んでやれば、バフも2倍、NPチャージの速度も2倍となるため、さらに突破力が増す。また、使用機会はスキルと比較すると少ないかもしれないが、スカディの宝具「死溢るる魔境への門」も発動すれば、パーティ全体の耐久力をカバーすると共に、ダメ押しで胤舜のクリティカル威力を底上げできる。
強いてネックを上げるとするなら、このサポートを最大限活かすためには、場に胤舜のカードが一定以上揃っていなければならない点。運悪く胤舜のカードが揃わないターンが続いた場合、絶好のタイミングでサポート発動・宝具発動するのが難しくなるし、仮にカード運に恵まれて一度サポートが成功しても、次のターンにまた胤舜のカードが揃うとは限らないので継続力に難がある。
この編成を、スカディの宝具セリフを捩って「私の知らないハゲの城」と呼ぶこともある。
……が、2018年8月の新規水着イベント『サーヴァント・サマー・フェスティバル!』に実装されたBBペレにより、このほぼ唯一のネックすら解消することができるようになった。
水着BBの第3スキル「無貌の月(EX)」の効果は、「自身にパーティ全体の手札を固定する状態を付与(3T)&毎ターンスター獲得状態を付与(3T)」というもの。この内、「パーティ全体の手札を固定する」というのが特に強力で、胤舜のカードが場に複数枚出た状態でこのスキルを発動すれば、3ターンに渡って胤舜の攻撃が継続できるということになる。この複数枚カードがQやAで占められたならば、「胤舜の宝具発動→超火力炸裂→NPも即座に回復→またしても宝具発動→以下ループ」という状態が3ターンは継続できる。ここに、先述のスカディのサポートやオーダーチェンジが合わさると、転臨させなくとも星5以上のすさまじい火力をたたき出す。まさにロマン砲。
このスカディと水着BBとの合わせ技は誰が言ったか「無貌裏月ハゲの城」と呼ばれている。
無論、スカディにしろBBにしろ、サポートを安定させるには依然として礼装等によるスター供給の補助が必要ではあるが、彼女らの登場によってこれまで以上に胤舜のポテンシャルを確実に発揮しやすくなった。胤舜の快進撃は止まらない。
関連人物
生前
宝蔵院胤栄
宝蔵院流槍術の開祖にして師匠。
仏門と戦いの矛盾に悩んで槍を捨てたらしい。
宮本武蔵(汎人類史)
生前戦った剣豪。
曰く「無償で人助けをするような男ではなかった」らしい。
Fate/Grand Order
契約したマスター。
戦いを恐れながらも奮い立つその根性を、高く評価している。
マイルームでは彼/彼女に頼まれて、宝蔵院流の槍技を伝授している模様。
剪定事象から迷い込んだ女性の武蔵。
最初は大いに戸惑ったが、最終的には彼女も武蔵であると認めるに至った。
馬が合うのか、よく技談義などを行う茶飲み仲間。
同じ仏教系サーヴァント。前者とはランサーの僧兵である点も共通する。
余談
実際の宝蔵院流槍術は現在、殆どの形が失伝しており、江戸に伝えられた系統も全伝は現存していない。「槍合わせの形」は辛うじて残っているが、薙刀術も失伝している。
またCVを担当した浪川氏は過去に『Fate』シリーズでウェイバーとエルメロイⅡ世を演じており、本作にはⅡ世を依代にした疑似サーヴァントが登場している。
関連イラスト
関連タグ
Fate/GrandOrder サーヴァント ランサー(Fate) 僧侶
山ノ内御成:『仮面ライダーゴースト』の登場人物。『Fate』シリーズ自体が仮面ライダーと親和性があることや、同作が「英雄の力を借りて戦う」という作劇スタイルであること、外見の同一性からよくネタにされる。
また、同作の登場怪人槍眼魔は胤舜の師匠「宝蔵院胤栄」をモチーフにしている。