ダークリンク
だーくりんく
概要
ダークリンクはゼルダの伝説シリーズでラスボスやボスなどとしてたびたび登場している、全身が黒くリンクと全く同じ姿形と戦闘能力を持つ、リンクの影から生まれた難敵である。
その容姿や設定や強さから敵キャラクターの中では比較的有名で人気が高い。
初出はディスクシステム『リンクの冒険』。
身体能力は基本的に本物のリンクよりも上のように描写されることが多い。
『神々のトライフォース&4つの剣』では本物のリンクには繰り出せない下突き(相手の真上にジャンプし、頭上から剣を突き下ろす技。リンクの冒険が初出)を繰り出してきたり、『大乱闘スマッシュブラザーズDX』ではCPUレベルがかなり高めに設定されていたり、『時のオカリナ』では突きを繰り出した本物のリンクのマスターソードの上に軽々と飛び乗ったりする。
また、時のオカリナの描写では剣の上に乗られても本物のリンクが全くよろけていない点を鑑みるに、ダークリンクの体重はほとんど無いのではないかと推測される。
容姿
殆どのダークリンクは真っ黒である。
時のオカリナでは完全に黒かったが、トワイライトプリンセス以降のデザインでは目が赤く銀髪にされることが多い。(おそらく、黒単色だとのっぺりして立体感が薄れるからか)
pixivでは褐色または色白の肌、装備にも色が付いて描かれることが多い。
シリーズにおける出演
リンクの冒険
初出作品。当時の名前は「シャドウリンク」(ハイラル百科より)。
大神殿最深部にて待ち受ける最後の試練(ラスボス)であり、リンクと全く同じ形と戦闘能力を持つリンクの影として立ちはだかる。外見も真っ黒なリンク。
時のオカリナ
自分自身に打ち勝つのよ!!
攻撃力こそハート1/2個分と控えめだが、リンクと一定の間合いを保ち、マスターソードの攻撃に合わせて剣を振るうカウンター攻撃が主体でなかなか隙がない。
突き、ジャンプ斬りはカウンターされ、回転斬りはバク宙で完全に回避される。
初めは全身半透明だが徐々に濃くなり、比例して動きが激しくなるため、戦いが長引くとジリ貧になってしまう。
しかし、弱点はかなり多い。
“Z注目をしない”“盾を構えない”でダークリンクと肉薄(タテ斬り連打)しながら戦うのがコツ。
目に見えて攻撃が通るようになるため、マスターソードのみでも相当楽になる。カウンターを誘発する突き攻撃が事故で出ないのもミソ。
「タテ斬り→タテ斬り→ヨコ斬り」など、こちらの急な太刀筋の変化に対応できない事が多いので、意識して攻撃すると更に楽。
また、マスターソード以外の近接攻撃には対応できないため、メガトンハンマーやダイゴロン刀ならよりダメージを与えやすい。特に後者は突きも問題なく通るため非常に戦いやすい。
ディンの炎も有効で、接近して発動すれば必中となる。中ボス部屋の手前で、魔力ビン大2本が確定で出ることがヒントになっている。
総括するとスタルフォス戦などを経て、Z注目や盾の重要性が染み付いたリンク(プレイヤー)ほど苦戦しやすい、正にアンチキャラと言える。
ちなみにヘビーブーツを装備すると、ダークリンクの動きも重くなるため、(かなり難しいが)フックショットで動きを止められるようになる。どちらも水の神殿絡みのアイテムなので、この仕様を突いて攻略した方もいるのでは?
また、ハートの数(体力)もリンクと比例するため、ハート3つプレイならあっという間に倒せる。逆に多いとかなり時間がかかってしまう。
神々のトライフォース&4つの剣
4つの剣をクリアすると神トラに現れる隠しダンジョン、「4つの剣の神殿」のボスとして登場。
名前はニセリンクで、緑・赤・青・紫の4体のニセリンクと連戦することになる。
神トラの剣術はもちろん、後半のニセリンクになるとGBA版で追加された大回転斬りや4つの剣でのみ使える下突きなど、特別な剣術も織り交ぜてくる強敵。
トワイライトプリンセス
敵キャラとしてではないが、精霊ラネールに見せられる創世神話の幻影(ムービー)内に登場
リンクの影というキャラクターが登場しているわけではなく、悪しき心を持った人間たちのイメージとしてダークリンクの姿が使われている。
因みに当シーンは、見る人によってはゼルダシリーズ史上最恐とも言われる程の強烈なホラーシーンであり、ナイフを持ちながらおかしな挙動をするイリヤや白目で苦しみ叫ぶリンクなどの描写が、
ホラー演出に耐性が無いプレイヤーの精神を蝕んで来るので要注意。
4つの剣+
ガノンが闇の鏡から召喚したリンクの分身として、シャドウリンクが登場。
鏡から無尽蔵に生み出されており、リンク達の行く先々にたくさん現れて邪魔をしてくる中ボスキャラ。
HPは行動によって変わっており、行動後に逃げるタイプはザコ敵であり、HPが4しかなく一発で倒せる。
中ボス系で倒すタイプは色が変化しない子分型はHPが12。色が変化する親玉型はHPが30もあって高め。
バトルモードのシャドウバトルでは、本物のリンクに代わりプレイヤーキャラクターとして使える。
神々のトライフォース2
シャドウリンクという名称で登場。今作は敵キャラとしてではなく、すれちがい通信で現れる他プレイヤーの分身として出現する。
カカリコ村のすれちがいじいさんに話しかけてすれちがい通信の設定を行った後、すれ違う度にハイラルの各地に出現。
フィールドにいるシャドウリンクに話しかけた後、専用のフィールドに移動しバトルすることになる。もちろん負けてもゲームオーバーにはならない。
またシャドウリンクの強さはすれ違ったプレイヤーの装備に依存する。
ゼルダ無双
黒の魔女シアがリンクの心の隙をついて生み出した存在として登場。
マスターソードを手にしたことで慢心していたリンクを誘き出し、無数のダークリンクを生み出させた。一転して窮地に降りいるリンクだが、仲間たちが救援に駆けつけたのを見て「自分の力など仲間との力の前にはちっぽけもの」と改めたことで弱さを乗り越える。これによりダークリンクはすべて消滅した。
アドベンチャーモードで戦うダークリンクには、攻撃を受けても怯まないという厄介な特性が付いた個体もおり非常に手強い。
DLCでリンクのコスチュームチェンジとしてプレイも可能。
トライフォース3銃士
シャドウリンクという名称で登場。
魔窟の最深部で戦う隠しボスとして、3体のシャドウリンクが同時に登場。
3体ともリンクが使う強化アイテムをランダムで所持しており、体力は個別になっている。
ちなみに、戦闘BGMはリンクの冒険におけるシャドウリンク戦のアレンジ。
ブレスオブザワイルド
マモノショップになりきり用の装備が売っている。魔物素材との交換で手に入る専用通貨が必要。
一式身に着けると夜だけ移動速度がかなり速くなり、モブキャラに近づくと怖がられる。
ただし強化ができないので戦闘には向かない。
なお、髪型が時のオカリナ仕様になっていることから単にブレスオブザワイルドのリンクのダーク版ではなく時のオカリナのダークリンクを意識しているようだ。
ティアーズオブザキングダム
今回もなりきり用の装備が登場。外見・性能ともにブレスオブザワイルドと同様。
魔人像での交換品になっており、地底に漂うポゥを一定数捧げると入手できる。また、一式揃えるには複数の魔人像を解放する必要がある。
夢をみる島(ニンテンドースイッチ版リメイク)
シャドウリンクという名前で登場。
「リンク【夢をみる島】」のamiiboを読み込むとダンペイからシャドウリンクの+チップがもらえ、パネルダンジョンでこれをセットした部屋に出現する。
他シリーズの例に漏れない強敵だが、回転斬りを繰り出した直後が隙だらけになるという弱点がある。
倒すと大量のルピーを落とす。
メディアミックス
いずれもゲームとは異なる独自の設定が施されているのが特徴。原作との混同に注意。
また、ダークリンク、シャドウリンク以外の別名称の場合もあるが、本項目ではそれらも扱う。
リンクの冒険(乱丸)
「お前の動きは読めている。なぜならオレは、お前なのだからな!」
ゲーム通りの役回りで登場。終盤に戦うがラスボスではない。またこのエピソードの前後から最終話まではコミックス化していないため、現在では閲覧不可に近い。
リンクの悪い心が実体化した存在で、邪悪な顔つきに色違いの服を着ていることを覗けばリンクと同じ。しかも一方がダメージを受ければもう一方もダメージを受けるという厄介な特性がある(勝った方が相手を吸収して完全回復する)。
リンクを圧倒しながらこれまでの冒険でリンクの仲間たちが死んだことを告げ「今のハイラルにはおいぼれとガキばかりだ。これでもまだ守る物があるのか!? まだお前をささえる物があるというのか!?」とトラウマを刺激しながら攻め立て「今のハイラルには征服者こそ必要なのだ!! トライフォースはオレがいただく」とリンクにトドメを刺そうとする。
しかしリンクの相棒のオウム・ワットが我が身を挺してリンクを庇う。
ワットから「オマエガ、ホントノリンクダ」と聞かされたリンクは奮起。老人たちが築き、子供たちが受け継ぐ未来……仲間たちが命を懸けて守り抜いたもの……そのために戦うと決意する。
すぐさま形勢は逆転し、邪悪なリンクは一刀両断にされる。それでも不死身のため死ななかった。しかし格付けは済んでおり、リンクから「消えろ!!」と怒鳴られたことで卑屈で臆病な表情のまま消え去った。
リンクの中にある悪い心……それは、仲間のいない今のハイラルを守る価値があるのかという疑問と、トライフォースの力を我が物にしようとする独占欲だったのかもしれない。
魔界からの逆襲(ゲームブック)
名称はブラック・リンク。台詞は一切ない。
リンクの冒険の後日談。ガノンの怨念によってリンクとゼルダ姫は数百年前のハイラルへと飛ばされてしまい、ガノンに拉致されたゼルダ姫を助けるべく大神殿を目指す。
その道中、ガノンによってブラック・リンクが差し向けられる。相手を殺すことに徹する非情な戦闘マシンということでためらいが一切なく、技量もリンクの上を行っていた。しかもブラック・リンクはリンクの分身でもあるため、ダメージを与えればリンクにも苦痛が伝わってしまう。
これらのアドバンテージからリンクを圧倒していたが、リンクも対抗するべく心を鬼にし、ブラック・リンクに対する闘志のみを高める。
それを感じ取ったブラック・リンクは怯懦。その間隙を突いたリンクの一閃によって切り捨てられ消滅した。リンクは死を覚悟していたが、幸いにも死のダメージが伝播することはなかった。
リンクの冒険(みなづき由宇)
名称はブラック・リンク。台詞は一切ない。
ゲームと同じくラスボスを務める。リンクの悪い心を持った分身であり実力も互角。
外見はゲームとは異なり、リンクと同じ容姿で服の色が違うだけ。台詞は一切ないが余裕ぶってニヤリと笑うなど感情はあるようだ。
当初はリンクの攻撃を盾によって完璧に捌いて反撃し一気に優位に立つ。しかし何の迷いもなくリンクを殺そうとしたことから「相手を倒すために戦っている殺人マシンに過ぎない」と見抜かれる。
相手を殺すために戦うだけの偽物と、大切な人たちのために戦う本物。どちらが勝つかなど既に分かり切っていた。
ブラック・リンクは盾を破壊されたことでリンクの攻撃を捌けなくなり、最期は渾身の突きによって消滅した。
リンクの冒険(未将崎雄)
「会いたかったぞリンク。わしはこの時を待っていた。貴様の血肉を喰らえるこの時をな!」
ガノンの分身がリンクの姿を模した存在に変身している。リンクを倒すべく罪もない人々や古代遺物ホワイトソードを吸収して力をつけてから襲いに来たが、リンクとゼルダ姫の合体攻撃(極大剣ビーム)で撃退された。
詳細は別記事にて。
暗黒トライフォース伝承(ゲームブック)
名称はブラック・リンク。台詞は一切ない。
闇を崇める一族に伝わる「邪のトライフォース」がリンクを吸い込んだことで変化した存在。リンクが抱く負の感情と生命力を奪ったことでこの姿となった。
黒幕である闇の司祭によって従えられ、リンクを吸収している間にハイラルを支配してしまう。しかしリンクは、ゼルダ姫のネックレスの力によって命を得て復活しブラック・リンクの体内から脱出する(ネックレスを売却していた場合は脱出出来ないためゲームオーバーになる)。
ブラック・リンクの強さはリンクを上回っており、しかもゼルダ姫に憑依して剣を向けて来た。
ここで選択肢が発生する。
ゼルダ姫との対話を選ぶと自害すればブラック・リンクも消滅するとリンクが気づき、自ら命を絶ってゲームオーバーとなる。
逆に闇を封印する呪文を思い出せればブラック・リンクを封印して邪のトライフォースに戻してハッピーエンドとなる。闇が封じられたことで属性が光に代わり、勇気のトライフォースへと生まれ変わる。
なお、いずれの結末でも黒幕はリンクによって倒される(道連れにされる)。
魔性の影(高長歩)
「ムダだ!! 俺はお前と同じ力をもっている!!」
リンクが安置された勇気のトライフォースに近づくといきなり出現。
最初は地面から生えた大きな腕の姿をした形態だったが、勇気のトライフォースを横取りするとリンクの姿を象り始める。
その正体はリンクの影。リンクが左手の甲に宿す力と知恵のトライフォースを奪い取ることで三つの黄金を揃え、それを利用してハイラルの征服を果たそうとする。
当初はリンクに手を組まないかと持ち掛けるが、拒否されたことで戦闘となる。
優位に立った戦闘を繰り広げるが、トライフォース同士が共鳴を起こしたことで怯んでしまう。斬撃を放とうとしたものの肉薄したリンクの剣に弾き飛ばされ、最期は一刀両断にされて消え去った。
時のオカリナ(姫川明)
「どれくらい強くなったか見てやろうか…。フフフ」
上巻のカカリコ村にて対決。
人の姿を取る魔物であり、リンクを狙って村に潜み、井戸の底から出現すると「自分自身にやられるがいい!」とリンクに襲い掛かる。最初はリンクを苦戦させるが、インパから「そいつは今のお前のコピーだ」とアドバイスをされたことで逆転される。そこで馬を生み出して騎馬戦を挑むも、エポナの助力を得たリンクには及ばず「自分自身を乗り越える」形で倒された。
動きはゲーム版準拠で、「剣の上に飛び乗る」といったアクションが描かれた。
…あとコイツが井戸の底から現れたせいで、ボンゴボンゴがボスキャラで唯一出番がなかった。ボンゴボンゴ涙目。
4つの剣+(姫川明)
「オレたちふたりがタッグを組めばこんな小さい山じゃなく、世界の支配者にだってなれる!」
敵側の主要キャラクターとして登場。ガノンが闇の鏡から生み出した「闇の世界のリンクの写し身」。
リンクの影のため光を忌み嫌い、リンクを敵視している。一方でゼルダ姫に対する独占欲を持っていたり、「仲間」というものを欲している。特に自分と最も近しい性格をしているとして紫(ヴィオ)を仲間に引き入れようとした。
グフーのことは「俺が復活させてやった。いずれはまた封印して俺が世界を征服する」と口にしており、仲間意識は微塵もない。逆にガノンは強大過ぎて手が出せないと諦めている。
作中で一度は消滅させられるも、ガノンによって復活させられる。もう光の当たる場所に居たくないと拒否するも無理やり戦列に立たされる。
だが、ゼルダ姫からの言葉で自身もリンクの一員であるという事を自覚し離反。自分とグフーの力の源であった闇の鏡を破壊することで諸共に消滅する。
その最期の姿から四人のリンク達から仲間であると認められた。
歴代ダークリンクでも珍しい「ギャグもできる」という性格のためか、巻末のオマケ漫画ではネタキャラ扱いされている。
トワイライトプリンセス(姫川明)
「戦えない勇者など誰にも相手にされない。友にも神にも見放された。
だあれもおれのことを助けちゃくれない。おれは、存在する価値もない人間だ」
6巻~7巻に掛けて登場。邪悪な笑みを浮かべたりするなど不気味な雰囲気を醸し出している。
本作でのダークリンクの正体は、リンクが心の奥底に抱えた闇(リンクの心の一部)である。
リンクはマスターソードと勇気のトライフォースの相乗効果によって超人レベルの強さを手にし、敵を圧倒する快感に酔い痴れるようになる。だがこれは勇気のトライフォースが影響した心の暴走であり、果てには心の闇が具現化してダークリンクが現れるようになってしまう。
本作のリンクは“運命に翻弄される若者(望んでその立場になったわけではない)”という面が強調されており、ダークリンクの正体もそれに対する負の感情の表れである。
ダークリンクは参戦していないが、リンクのカラーチェンジによりダークリンク風にできる。Xではトゥーンリンク、SPではこどもリンクにもダークリンク風にできる(こどもリンクデザインのダークリンクはスマブラSPで初にして唯一)。性能自体は基本的に1Pを初めとしたカラーリングと変わらない。
大乱闘スマッシュブラザーズDXでは時オカリンクを真っ黒にした姿がイベント戦のCOM専用キャラとして出現するほか、トワイライトプリンセスのダークリンクと同じ姿で大乱闘スマッシュブラザーズXにもリンクの黒カラーとして登場していたり、イベント戦でリンクと一対一で戦ったりもする。
スマブラSPのゼルダの勝ちあがり乱闘ではリンクのカラー変更として登場。登場する敵は主に何かを盗んだり、トライフォースを狙う者たちとなる。ダークリンクはリンクをコピー(模倣)した存在だが、上記のようにコミカライズ版ではトライフォースを狙っていた。