クロコ星人
くろこせいじん
概要
『ウルトラマンアーク』第6話「あけぼの荘へようこそ」に登場。
本作初となる宇宙人のキャラクターである。
ペガッサ星人やセブンガーを彷彿とさせる、困ったような表情の4つの目(眼球が2分割されているように見えるため、水鳥のように透明な皮膜状の瞼があると思われる)と、表皮を覆う青い鱗あるいは羽毛が特徴。
鳥の嘴のような口を持ち、その下には白いカイゼル髭のような形の器官がある(ただし、嘴状の器官は大きな鷲鼻のようにも見えるため、髭状器官の下にある黄色い発光体が口吻の可能性もある)。
別名の通りキノコに依存した社会を営んでおり、キノコを食料だけでなく、胞子を宇宙船の動力源(燃料)に、苗床を内部バッテリー代わりに利用している(ついでに宇宙船もキノコ型)。
常に新種の開発を模索し、様々な星のキノコを集めている。
16年前にキノコ採取のために仲間と共に地球の末広山(すえひろさん)に降り立ったが、その中の1人がキノコ狩りに夢中になっている時に、仲間から「宇宙空間に異常が発生したため、急遽地球を脱出する」と緊急連絡を受けるも道に迷って間に合わず、宇宙船に乗り遅れて仲間達は去ってしまう(この時はK-DAYの直前だったとされており、当時は末広山周辺でUFO騒ぎが起きていた)。
1人取り残された彼は、行き倒れるまで何日も彷徨い続けた折に、あけぼの荘に辿り着く。
直後に自身を発見した女将のアヤカと必死のハンドサイン(意味は何通りかあるそうだが、この時は「ありがとう」を表現した)での意志疎通に成功したクロコ星人は、その日からホログラム装置で姿を人間に擬態してヌマタと名乗り、16年もの間旅館の番頭としてアヤカと中居のヤマナミと共に働きつつ、「生きて故郷へ帰る未来」を願いながら、キノコや粗大ゴミを用いて小型の宇宙船を開発していた。
動向
あけぼの荘のある末広山にて、地震や異常な電磁波の多さから調査に赴いたSKIPに恐怖した直後に襲った地震も重なり、ヌマタは堪らず自身の宇宙船を隠す倉庫に向かったが、それを見逃さなかった石堂シュウに追跡され、遂にクロコ星人としての正体を晒してしまう。
その後、上記の事情を伝えたヌマタはどうにか「故郷への帰還」を懇願するも、過去に宇宙人に騙され殺された同僚を知っているシュウは、彼の言い分を頑なに認めず防衛隊へ強制連行しようとした。
しかし、地震と電磁波の原因である鎧甲殻獣シャゴンが襲来、ユウマ達をあけぼの荘に追い込むや2体目のシャゴンを呼び出したため、ユウマはウルトラマンアークに変身した。
どうにかアークが1体のシャゴンを撃破するも3体目のシャゴンが来襲、その最中ヌマタはアヤカとヤマナミの2人の助力でシュウから庇われつつ、あけぼの荘から脱出し自身の宇宙船に搭乗。
しかし、2人への恩義から皆を救うべく母星への帰還を止め、あけぼの荘に食指を伸ばしたシャゴンに対し、ヌマタは宇宙船で突撃し地に伏させた(彼の勇気ある行動によって、シュウもようやくヌマタが「悪意のある宇宙人ではない」との判断に至った)。
最終的に仲間を失い戦意喪失したシャゴンは逃げ出したが、自分達を救うために命を散らしたヌマタに哀悼する一同だったが、彼はボロボロになりながらも運良く一命を取り留めており、直後にユウマに発見された。
以降ヌマタは監視を条件に、今まで通りあけぼの荘の滞在が許され、アヤカ達と共に〈クロコ星人〉ではなく〈番頭のヌマタ〉としての平穏な日々を過ごすのだった。
なお、ユウマは事情を聞く前のハンドサインを見た時点で温かさを感じており、ヌマタを「悪い存在に思えなかった」と語り、シュウは自身の過去の経験から一方的に疑ってしまった判断に「同じものを見ていたのに見え方が違っていた」「想像力の差か」と冷静に振り返って自省、護送前にヌマタにハンドサインの意味を確認するなど、歩み寄る姿勢を見せた。
余談
- 本作への登場はOP映像にて判明(サビの怪獣カットの5番目に登場。一瞬だけ映る4つの目がそれ)。
- 7月に解禁された場面カットにも姿がなく、第6話での登場は予告映像で初めて明かされた。名前はこちらで判明。
- 現時点では、ソフビなどの商品化の情報は出ていない。
- 人間態とCVを担当したのは、お笑い芸人のアキラ100%氏。氏は『劇場版仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』の野立万亀男役以来の特撮作品への出演となり、ウルトラシリーズへの出演はこれが初。
- 故郷の「シャンピーム系銀河」のシャンピームの由来は恐らく、フランス語の「シャンピニオン(Champignon)」と英語の「マッシュルーム(Mushroom)」を掛け合わせた造語と思われる。
- 「茸狩宇宙人」という二つ名から、やはりというかなんというか、口上の一つに「キノコ狩りの男」を自称した彼を連想した特撮ファンも少なからず居た模様。