海凪ひより
みなぎひより
「海は変わらないでいてくれるのにな……」
概要
海凪ひより(みなぎ ひより)とは、『スローループ』の主人公である。
ある日、近所の海でフライフィッシングで釣りをしていたが、そんな中、見慣れぬ海を見て興奮し思わず飛び込もうとする少女と出会い、慌てて竿を投げて止める。少女はひよりのしていた釣りに興味を持ち交流を深めて行く。別れの際にひよりは母親・ひなたが再婚すると少女に伝え、その少女からは父親が再婚すると聞き別れたが、偶然にも食事会ですぐに少女と再開。その少女の名前が海凪小春で、自分にとって義姉ができた。
そして、苗字の「山川」姓から「海凪」姓へと改名された。
南神奈川高等学校の生徒で、最初は1年生の頃は幼馴染の吉永恋と同じクラスだったが、47話から2年生に進級し、小春と恋とは別のクラスになった。
よくあだ名を付けられるようで、恋(後述の理由で現在はあだ名で呼ばなくなっている)と虹・虎からは「やまひー」、一花からは「ひーちゃん」、美月からは「ひよりん」と呼ばれている。
容姿
黒髪のショートヘアで、目の色は青。服装はボーイッシュ系が多い。
制服はアレンジしている小春や恋とは違い、ファッションに興味がないのでデフォルト衣装。
巨乳の小春が目立ってPixiv上の彼女の胸は控えめとして描かれることが多いが、原作では小春には劣るといっても別に小さいというわけではなく、むしろある方。原作のコマで膨らみがある場面は多数存在し、うちのまいこ先生によって描かれたポストイラスト(このイラストは原作5巻第31話と同じ場面)でも大きめに描かれている。
ただしアニメ版では全体的にナーフされてしまっており、原作と比べて膨らみははっきりわかるほど削られてしまっている(原作4巻のカバー下とアニメ版第9話Cパートにある銭湯シーンは一目瞭然レベル)。
小さい頃は髪を縛ったツインテールで、今と比べてガーリッシュな風貌。
また、この頃の身長はかなり低かったが、小学6年生になってから凄く伸びた。
人物
少し人見知りな性格であまり前に出るタイプではない。
人混みがいる所はあまり好きではなく、その理由は「小学生になる前に両親とはぐれて、見知らぬ大人達の逆光さに泣き出したから」と二葉に明かしている(ただし、今は成長しているから平気とのこと)。
人見知りではあるものの決して気弱という訳ではなく、むしろ根は純粋で負けず嫌い。魚が食いつくのを待っている際に「ぱくんってこい!」と言ったり、大物なシイラを釣り上げることができなかった際は「釣りたかった!」と泣きながら悔しさを露わにしている上(2024年8月号にてリベンジ回が描かれている)、楓の狩猟見学の順番を期末試験の合計点数で争った際には3人中最下位と散々な結果に色んな意味でショックを受けていた。
釣りのことになると積極的になるが、釣り以外だと割とポンコツな一面があり、手先が不器用。
また中学生時代は一人で釣りをやっており、一匹狼の姿に憧れてる女の子がいたが、ひより自身は全く気づいていなかった(恋曰く「鈍感」)。
料理はあまりせず、実父である信也に教わった魚を捌ける程度である。
また、実母のひなたは電子レンジを爆発させるなど料理の腕が悪かったため、再婚前の食事はスーパーの惣菜や外食が多かった。
信也に教えられた、フライフィッシングが長年の趣味である。
釣りの実力は高くワンフライトーナメントでは1位の商品がひよりが好きなシーにゃんの巨大抱き枕と分かった時にはその実力を発揮して優勝した(ただし、2位以下の景品が豪華だったため、2位を狙う人が多かったという理由もある)。
またフライフィッシングしかやらない理由は、信也がフライフィッシングしか教えてくれなかったこと、そしてもう1つの理由が小さい頃にアブに噛まれてトラウマになり虫嫌いになったことである。最初は二葉に餌を付けて貰っていたが、後にプライヤーを使えば何とか付けられるようになった。
7巻では小型船舶操縦士の免許を取得し、小春や一誠を乗せている。ただし、免許を取得したばかりで運転にはまだ慣れておらず、小春が投げられるポイントに船を上手く止められる技術はまだ身に着けていない。
乗り物酔いする体質なようで、毎回酔い止めの薬を飲んでいる様子。しかし、沖縄修学旅行では船の揺れがあまりの酷さに酔い止めの効果すら効かず、気分を悪くして遂にリバースしてしまった。
ただし小春達がマグロ釣りに挑戦している事から、自身も釣りに参加して、マグロを釣りたい気持ちと激闘する興奮からマグロを釣り上げた後には酔いは完全に収まっていた(恋パパ曰く「アドレナリンという名の薬のおかげだね!」)。
対人関係
家族
- 海凪ひなた
ひよりの実の母親。
元々の苗字は山川であるが、再婚後は母娘共に今の海凪になっている。
- 海凪一誠
ひなたの再婚により、ひよりの義理の父親になる。
最初は一誠に対して緊張していたが、共に暮らすうちに慣れていく。また一誠の方も子供だけの釣りキャンプする際は小春だけでなくひよりのことも心配していることを伝えるなど、義理父娘の関係との絆を深めていっているようだ。
しかし買い物回以降でひなたを「お母さん」呼びにした小春とは違い、ひよりは一誠に対して未だに「一誠さん」呼びを続けている(9巻収録回時点)。
ひよりの義理の姉。
一誠と同じく緊張していたが、釣りを通すことによって絆を深めていくようになる。
小春の存在によって、みんなとやる釣りが楽しいと思うようになり、彼女に対して「ありがとう」と言おうとするも、気恥ずかしくてこの時は言えなかった。
約1年後に信也との過去を乗り越えて、やっと「ありがとう」と言うことができた。
血縁者
ひよりの実の父親。見た目や性格は彼譲り。
上記にもある通り、ひよりにフライフィッシングを教えたのもこの人。
ひより曰く「変わった人」であり、急に見たこともない楽器にハマったり、目玉焼きにポン酢を掛けて食べたりしていた。
ひよりが小学6年生の時に癌で亡くなっているが、その辛さに耐えられずあまり見舞いにはいかなかった。
その辛い出来事を自分の中で押し込めていたが、みやびに小春のことを問われた際に小春の過去と自分を重ね合わせ押し込めていた過去を思い出してしまい、「自分のことばかり考えて父親に嫌な想いをさせた」と小春に打ち明け、泣き崩れてしまう。
その過去を聞いた小春は「私にも誰にもわからないからひよりちゃんの中のお父さんが決めていいんだよ」と助言、その言葉にひよりは安堵し、後ろ向きな性格を前に歩み進むことができた。
それ以降は過去の出来事を楽しく話せるようになり、上記の小春の人間関係にも繋がるようになった。
ひよりが小型船舶操縦士の免許を取ったのは彼のへそくりがあったからである。他にも成人式の振袖用、海外釣行用のへそくりを用意しているが、結婚式用のへそくりだけは意地でも作らないとひなたに言っていた。
- 深沢恵美子
ひよりの祖母で、ひなたの母親。
小春が風邪をひいてしまった時に、ひよりにイワナ汁の作り方を伝授している。
- 深沢修
ひよりの祖父で、ひなたの父親。
ひよりは無口で無表情で何を考えているのかわからない彼のことを苦手意識を抱いているが、小春はそのおとなしい性格はひよりそっくりだと思っている。
あまり感情を表に出さないが、本心ではひより達が遊びに来るのを楽しみにしていたようで、夫婦の付き合いが長い恵美子からは彼の本心をひより達に伝え、フォローをしている。
その他
吉永恋とは幼馴染で、子供の頃から家族ぐるみの付き合いがある。
恋からは幼少期は「ひよりちゃん」呼びだったが、小学生の時に苗字の山川が2人いたことから山川の「やま」とひよりの「ひ」に伸ばし棒を組み合わせた「やまひー」というあだ名で呼ばれている(このあだ名は結局恋以外は流行らなかった)。苗字が海凪になってからもしばらくはこのあだ名で呼ばれていたが、原作4巻28話(アニメ版11話)のある出来事にて「ひより」と呼ばれるようになった。
低学年の時は釣りや男子と遊んでいた二葉だが、ある出来事を境に釣りと男子と遊ぶのをやめてしまう。レストランで偶然出会い、その時に「女の子が釣りやってるのって恥ずかしくないんですか?」と言われる。
当時はそのことに迷っていたひよりだったが、後に「釣りやってても恥ずかしくない」と恥じらいを見せながらも二葉を諭し、釣り友達になった。
人見知りのひよりと引っ込み思案の二葉、性格はどちらも似ており、ひよりは彼女の事を親近感を抱いていた。二葉もまた、ひよりの事は友達以上に慕っている。
「ホワイトデー大爆発」の後日談で先行登場し、スローループの参戦イベント「フライフィッシュメモリー」にて実装された。
ゲーム上の性能
召喚時 |
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レア度 | ★5 |
属性 | 水 |
クラス | ナイト |
実装時期 | 2022年3月15日 |
とっておき |
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クラススキル |
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同年8月25日に専用ぶきが実装されたが、最終進化についてはサービス終了してしまったので解禁されず。ただし、メモリアルシナリオ4節だけはサービス終了発表後のメンテナンス後に解禁された。
ひよりの衣装は言うまでもないが、シーにゃんをモチーフとして取り入れられている。
キャラクターシナリオ
- 『得意分野でいざ勝負!』
渓流で釣りをするひより。その時にランプがやってきて、この川で開催される釣り大会に参加してみないと提案される。大会には賞金が出るようで、ひよりは釣り道具を揃えるのにもお金がいるからとその提案に乗った。
大会には小春と恋と一緒に参加し、ルールは「時間内により多くの魚を釣れた者が優勝」で、ひよりはこの渓流を何度も来てる上に、よく釣れるポイントと時合いはわかり、順調に釣り上げる。
結果、ひよりは優勝することができた。声をかけてくれたランプに礼をするために手土産の分を用意し、小春と恋に再びここに来れたら、今度はのんびり釣りをやろうと言った。
- 『広がる交流』
小春と川釣りを終えて、里に戻った際にライネと偶然出会う。
川釣りには魚は釣れたものの、エトワリアの魚は食べ方がわからず、結局釣れた全部リリースしてしまう。
釣った魚をライネに話をするが、彼女からはこの魚はとっても美味しいと言われ、その調理のやり方を教えるために店に食べにくると訪ねられる。
ひよりは遠慮がちになるが、小春は喜んでお店に行きたいと言い、ライネの店に行くことにした。
この魚で作られた料理はカルパッチョとソテーとアヒージョの3種類。ひよりはソテーを食べ、身がふっくらしてて美味しく、塩加減もすごくちょうどいいと絶賛した。
途中、カンナが来店し、ひよりはカンナの事をクールな人と心に思った。
その後はカンナと共に魚について話し合い、ひよりはカンナを思ってたより話しやすい人と認識し、エトワリアでもちょっとずつ交流が広がっていくのを嬉しく感じるのだった。
余談
2023年12月号で20周年を迎えたまんがタイムきららで、20周年記念特別付録小冊子において、魔法少女姿をしたひよりが登場している(題名は「魔法少女ひよりん」)。
4コマ漫画ではシーにゃんからは「魔法少女に選ばれたから一つだけ願いを叶えてあげる」と言われ、ひよりは願いを考えるものの、叶えたい数が多すぎて決める事はできず、最後のコマに埋め尽くされる願いの数を見て、彼(?)からはドン引きされたのだった。