吉永恋
よしながこい
「そんなわけないじゃん。 恋愛の方の『こい』だよ」
吉永恋(よしなが こい)とは、『スローループ』に登場するキャラクターである。
南神奈川高等学校の生徒で、最初は1年生で、主人公・海凪ひよりと同じ1組だったが、後に進級し、2年生では海凪小春と同じ1組になる。
ひよりとは幼馴染の関係で、ひよりのことは旧姓である山川の「やま」とひよりの「ひ」に伸ばし棒を組み合わせた「やまひー」というニックネームで呼んでいるが、原作第4巻28話(アニメ版11話)以降は後述の理由で「ひより」と名前で呼んでいる。
父・吉永良太が経営する釣具店「Permit」の娘(ただし後述の理由から、実質的な店主)で、3人の弟がいる。
年齢の割に大人びており、無愛想さも感じる性格。
ひよりが実父・山川信也を亡くした際、声をかけられなかったことに後悔の念を抱いていたり、小春に気を回すなど、後ろから見守る面倒見のいいお姉さんのような存在。ただ、怒ると恐い一面もある。
小春や良太から散々振り回されているが、自然の中で身を置くのは好きなようで、そこまで苦ではないらしい。
釣具店の娘だが、家をほったらかすほどの、極度の釣りキチの良太(恋曰く「釣り中毒者」)のせいで、家業の釣具屋を投げ出されるなど、釣りに対してあまり好感を持っていなかった。しかも「魚は買った方が安い」「可愛いウェアなら他の店で買うといい」など、釣具屋の娘らしからぬ発言をすることも。
そのためかPermitは大好きであっても継ぐ気はなく、安定した職に就きたいと思っている。
ひよりと小春達の釣りに付き合い始めてからは、毎回釣りに同行するなど、そうでもなくなってきているようだ。
ただし、恋自身は釣りは上手いが、どちらかと言うと釣りをしている人を見る方が好きとのことらしい(良太は例外)。
そもそも、「恋」という名前にも元々、良太が「鯉」と名付けようとして、それはさすがにダメだということで妥協した結果だという経緯があり、この名前もあまり好きではなさそうだ。
良太の釣り中毒者っぷりに呆れたり、恋自身は良太や山川父娘と比べて釣りにそこまでハマらなかったりするなどから、恋の人格形成は父親遺伝のひよりと小春と違って、母・玲子の影響が強かったと思われる。
またコミュ力の高さと大人の考えに至ったのは、両親の影響だけでなく、店番で客とよく話をする事によって身に着けたからである。
家族
父親。よく釣りに出かけて恋に店番をさせており、恋は彼を「釣り中毒」と呼んでいる。
上記通り、父親として駄目な一面があり、そのこともあってか「親父」と呼んでいる。
ただし人当たりがよく、釣りの腕も確かなことから釣り仲間や近所の人たちからは慕われており、何だかんだで頼りになる父親と言えなくもない。そのためか、恋もなんだかんだ言いつつも、良太のことが好きなようだ。
しかし、足腰が悪くなってPermitを辞めると発言したことは、本気で失望して徹底的に無視し続けていた。
良太自身は毛嫌いされたのならともかく、口まで聞かれないのは初めてだったために深く落ち込んでいた。その後は小春の根回しでずっとPermitを続けることを恋に告げ、やっと許した。
母親。大企業でキャリアを積んでいる母のことは一番尊敬している。
母の事は大好きなようで、「お母さん」と慕い、久々に会った際には子供のように甘えていた。
3歳年下の弟。恋と同じく常識人で、面倒見がよく双子の弟たちの面倒を見たりしている。
作中2年の夏に背が急成長した隼人に「スラっとしててかっこいい」と言った事から、溺愛しているようだ。
- 吉永虹、虎
恋の弟で、双子兄弟。二人合わせて「チビたち」と呼んでいる。
隼人同様、虹と虎を溺愛しており、時折見せる思考は姉ではなく親のそれである。
その他
ひよりとは幼馴染で、生まれる前から家族ぐるみの付き合いがあった。
幼少期から現在に至るまで、楽しいことも辛いこともお互いに隣で経験し合った仲。
ただし上記にある通り、小学生時代に彼女の父親である信也が亡くなってからは少々ギクシャクし始めたようで、信也を亡くしたひよりに対して、声をかける事がどうしてもできなかった恋は今でも悔いており、ひよりの友人である資格がないと思って悩んでいた。
そのため、中学生時代の頃は一緒に釣りをしたことはなかった。
また本人は無自覚だったものの、ひよりの母・ひなたの再婚を後押ししたのも恋であり、ひよりに感謝されている。これを理由に「やまひー」呼びをやめ、名前で呼ぶようになった。
恋から見れば小春のことはちょっと変わった人だと思っており、小春からは姉妹であるはずの自分より仲良さそうだからという理由で嫉妬されることも多い。
ただ誕生日的に言えば恋の方がお姉ちゃんで、小春からはお姉ちゃんとして慕われることがある。
ひよりとは信也が他界してからしばらくは歩み寄れなかった時にある日、ひよりと家族になった小春に励まされたことによって、少しずつ心を開き、再び彼女達と一緒に釣りを楽しむようになった。
「つり福」の船長で、良太の釣り仲間。
仕事をよくサボっては遊びに行き、妹・二葉を溺愛する様子から、良太同様冷めた目で見ている。
ただし二葉が一花をだらしない人間かもと不安視する際は、「仕事でもだらしない人間(良太)に比べたら何も問題ない」とフォローをしている。
二葉がひよりと仲良くしている様子にモヤモヤし、二葉の一番の友達になりたい藍子に対して、「藍子ちゃんと一緒にいる方が楽しそうだよ」と「二葉ちゃんにとっては楽しいだけじゃなくて安心できる友達でもあるんじゃないかな」と言って彼女を諭している。
第72話と第73話にて、この出来事を含めて更に2人の掘り下げがされているが、現在単行本未収録回なので、電子書籍などで読んでいただきたい。
しかし、二葉自身はひよりの事を本気で敬愛しているようで、ひよりの最大の理解者である恋を「ずるい女」と嫉妬していた。
「ホワイトデー大爆発」の後日談で先行登場し、スローループの参戦イベント「フライフィッシュメモリー」にて実装された。
ゲーム上の性能
キャラクターシナリオ
- 『恋と異世界の釣具屋』
エトワリアで最も大きい釣具屋にやってきた恋とコルク。案内してくれたコルクは今日は仕入れではなく、恋と一緒に釣り具の視察を目的としていた。
最初に見た最新の釣り竿エリアの「ルアーを見きられにくくする」や「遠くまで糸を飛ばせる」効果を持った魔法付き釣り竿を見て、恋は一本買おうとしたが、値段は高級品とかなり高く、自身の釣具店には参考にならないとして買うのをやめた。
次に魔法がついてない釣り具を見て、魔物の毛をしたフライを見るが、それなりの値段はしていた。
コルクから魔物退治しないと手に入らないと言われるが、恋は「今の私はクリエメイトだから魔物倒してその毛でフライ巻けば丸儲けできる」と商売癖が出てしまう。
それを見たコルクはフライ作ってくれたら買い付けると提案し、恋はその提案を検討すると考え感謝した。
- 『釣れたらびっくり!』
エトワリアの世界にある湖で釣りをしにきた恋とひより、小春達。
街の釣具屋の人から聞いた話だと、ここの湖の魚には元の世界の海にいたメバルと同じような習性を持っている様子。
いざ釣りをしてみたら、釣れたのはメバルとは程遠い違う魚だった。小春は異世界の魚と興奮し、恋は「見た目が自分達の世界にはいないタイプがいる」と述べる。
エトワリアで釣り上げた異世界の魚を虹と虎に見せたら驚く顔が目に浮かぶと考える恋。小春は異世界宅急便があればよかったと述べるが、恋自身は宅急便よりみんなをこの世界に連れて来てあげたいとひよりと小春に述べた。
そのことに、ひよりと小春はみんなはきっと来れると言い、恋は「だといいな」と返した。
- 初期設定
実は元々の設定はギャルにする予定だった(編集担当がギャル好きのため)。しかし、うちのまいこ先生はギャルを描こうにも全然ギャルにならず、結果的に現在の面倒見のいい子になったようだ。
靴下が短い所や最初期の「よろしく~」など、当時の設定の面影が見てとれる。
- きららファンタジアの★5について
上記のきららファンタジアで参戦した恋だが、実装日が既に末期だったからか、ひよりと小春と違って残念ながら★5が実装されることはなく、サービス終了を迎えてしまった。上記のキャラクターシナリオにメイン3人組以外にもこの世界に連れて来てあげたいと思った恋の願いも叶わなかったといえる。
うちの先生はX(旧Twitter)で★5の恋を描きたかったとポストしていた。流石に心残りはあったようで、数十分後に★5の恋を描く際にブライダル・水着・ハロウィン・クリスマスのどれか4つのアンケートを取り、最終的に5740の票が集まり、その結果は水着が35%と最も集まったことで決まった。
そしてサービス終了日にX(旧Twitter)やpixivにて、恋の水着衣装が投稿された。
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コメント
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笑って泣いて泣いて、また笑おう
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[Attention!] この作品は『スローループ』を題材としたSSです。 あくまで上記原作とは一切無関係な所謂二次創作 (或は三次創作) です。 創作の関係上、大いに独自設定 ・ 捏造 ・ 原作を逸脱した点が存在します。 ネタバレすると、本来命が宿ってすらいないはずの物体が語りかけてきます。言っている意味がわからないとは思いますが、多分読んでいただければわかります。 基本ギャグ路線です (シリアスがないとは言ってない) 。それに伴うキャラ崩壊にはご注意ください。 書き溜めありです。と言うより、既に最後まで完成しています。 最後に、執筆者は釣りに関する知識を一切有しておりません。故に、その辺の要素は期待しないでください。 以上の点を了承してくださる方は、どうかお付き合いください。 --以降、Pixiv版追記-- 当作品の初版は、2022年6月4日に「きららBBS」 (https://kirarabbs.com/) にて私が投稿した『【SS】 小春 「全然釣れないよー」 ??? 《諦めないで!》 小春 「!?」』となっております。BBS版のURLは以下の通りです。 https://kirarabbs.com/index.cgi?read=3801&ukey=0 よろしければ、こちらについてもご覧いただけるととても嬉しく思います。15,920文字pixiv小説作品 遠く遠く、離れていても
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