概要
戦国時代に活躍した忍者一族の風魔一族を祖先とする忍者一族で、数百年に渡り銀田家に仕え続けてきた。
全員に名前はあるのだが、一族全員が「鵺」と呼ばれている。
容姿
一族全員が紫色の髪に忍び装束に似た紫の服装、赤いマフラー、猿の仮面を装着している。
猿の仮面をしているのは昔の名残りで、仕える低い身分で一族ごと「猿」と呼ばれ、個人個人を区別されず一緒くたにされ、猿面を付ける文化があったためである。
同時に暗殺一族として顔を隠せるが、主な理由は顔を隠すためではない。
なお、最近の動画では仮面をせずに戦闘をしている。
主要人物
現役の暗殺者
改革派
一族の方向性をより人間性のあるものへ変えていこうとする派閥。
- 俊也(長男)
一族最強と呼ばれる男で、鵺一族の現頭領。
仮面の下の素顔は、眉間にバツ印の傷跡を残しつつも精悍な顔立ちをしている。基本的に伝統を重んじる堅物ではあるが、器が大きく一族の将来を本気で考える仁君でもある。一族の頭領だけあって、総合的な実力は弟を凌駕しており、身体能力・技術・戦闘における引き出し等はほぼそれの上位互換と言って良い程であり、伊集院茂夫・瓜生龍臣・鶴城史之舞と共に「バグ大四天王」と呼ぶリスナーもいる。
銀田家の次男から離反した鵺を見つけ出して圧倒するも、弟が銀田家から離反してでも叶えたい理想とその覚悟を見定め攻撃の手を止める。弟の訴えと自らの疑問が重なるところがあり、急激とはならずとも地道な改革で弟の理想を叶えることにして撤退した。後にエルペタスに目を付けられた株式会社モーリーや、現時点で仕えている銀田栄角の兄である銀田栄山の防衛のために、瓜生や毛利らに協力関係を申し出る。
なお、一族内での通称(個体識別名的なもの)は不明だが、公式ホームページでは「兄者」と表記されていた。
「我は鵺一族の頭首… 貴様が一族に仇なすと言うのならば与えるべきは死以外にない」
2023年9月27日付けの動画の中盤からメインナレーションに大抜擢された。
2024年6月10日付けの動画の終盤で、本名が「俊也(としや)」であることが、先代当主の口から語られた。
女鵺のトップの女性。千草色の髪を一つに結い、桜の模様が入った水色のを巻いているのが特徴的。鵺兄に好意を抱いており、鵺兄の前ではコミカルな面も見せるが、いざ戦闘などのシリアスな場面になると真面目になる。女鵺のトップなだけあって様々な暗器を使った鋭い攻撃や、胸元を開き敵の意表をついて閃光弾を仕込むなど多彩な攻撃方法を持つ(流石にエルペタス最強と言われるオリオンこと祇園織文にはほとんど通じなかったが)。
なお、現状の描写では本家の鵺親子との血縁関係の有無は不明である。また、現状は彼女以外に女鵺はいないが「女鵺のトップ」とナレーションで説明されているので他にもいると思われる。
「ふざけるな…当主様の目をよくも奪ったな」
- 分家の一族数名
宗家である鵺一族の者ではない人物達。瓜生曰く、「暗殺一族も少子化」との見解で血縁に拘っては一族が滅びゆくという考えで、本家と違う血筋の家柄も受け入れている。
やはり一族特有の訓練を受けているだけに、バグ大界隈の殺し屋に求められる水準以上の実力を有しており、同胞が命を落としても冷静さを失わずに任務を完遂する気概に溢れる者ばかりで構成されている。
保守派
心の凍った化生としての鵺という立場を貫き、どのような非道を行ってでも銀田家を守るという立場。
ナックル・アイと独自に手を結んでいる。
俊也と同期の鵺。首に緑色の布を巻いており、俊也とは対照的に左目に傷が存在する。
一族の矜持を重んじる保守派であり、父が銀田家を守るために死んでいったことから「銀田家を守るためなら心の凍った化生でなければならない」という考えを持つ。それ故に「一人の人間の個性を重んじ、変容する必要がある」と考える俊也と対立している。
- 分家の一族数名
改革派同様、こちらにも本家と違う血筋の家柄の鵺が所属。
本編には登場していないが上記以外にも現役暗殺者の家族がいると思われる
先代一派
いわゆる保守派にあたる層で、鵺は正体不明かつ人心を解せぬ化生であるという価値観、非道な作戦を取ることへの躊躇のなさが特徴的。
だが、鵺爺があまりの非道の末鵺兄に排除されて以降、鵺父にも思うところがあったのか鵺兄に理解を示すようになったため、派閥としては事実上機能停止したが、考えを引き継ぐ保守派はなおも存続している。
現在、鵺父は中立の立場を取っている。
鵺一族の先代頭領で、長男や智也らの父親に当たる存在。
一族の運営自体は長男に一任しているが、彼自身がかつて一族を率いていた立場なだけあり、現統領の長男でさえも無下にはできない存在である。エルペタス戦争編にて現統領に断りもなく非道な作戦を立案・指揮したことからも、一族内での影響力はいまだ健在であることが窺える。一族内では保守派の筆頭格であり、穏健的改革派に当たる現統領の長男とは意見の相違で対立することもあった。しかし、鵺爺死亡後、思うところがあったのか息子たちの意見も考慮するようになるなど、あくまでも一族を第一優先に考える性格でもある。既に引退した身なので今のところ戦闘描写はないが、息子達の実力を考慮すると彼自身も現役時代は高い実力を誇る暗殺者だったと思われる。
「我らは鵺、人身など介さぬ物怪よ…敵は恐怖で押さえつけるのみ」
離反者
- 智也(次男)
作中で最初に出てきた鵺一族の暗殺者。
仮面の下の素顔は、左目付近に斜め一線の傷跡を残しつつも兄と同じ顔立ちをしている。CODE-ELトップの銀田栄角に長年仕えていたが、ある事件を契機に暴走した銀田についていけなくなったことでEL戦争の途中で毛利派に寝返り、毛利派の後方支援要員とメロンパン屋の皿洗い担当を兼任していた。しかし、他の家族は彼の離反を容認しておらず、現在全勢力を挙げて彼のことを捜索していたが遂に身柄を特定され、兄の襲撃を受けた。しかし、覚悟を認めた兄に見逃され、智也という人間として生きるように諭された。現在は株式会社モーリーの一員として「氷誕屋バース」の焼き芋職人を務める傍ら、モーリー経由の暗殺依頼を実行するアサシン、時には銀田の護衛として活動している。
排除された者
- 相談役(鵺爺) ×
鵺一族の相談役を務めている老人。鵺一族の血筋は引いていない。理由は不明だが眼球が描かれておらず、それ故にどこか不気味な印象を受ける人物である。先代頭領と同じく保守派であり、銀田家のためなら鵺父以上に積極的に非道な作戦を取ることにも躊躇がなく、その非道さは瓜生すら「血も凍るようなもの」と評すほど。オリオンの娘を攫い背中に十字の傷をつけたことで、オリオンと鵺一族の争いが激化する原因となった。その行動を鵺兄に咎められても意に介さず、オリオンに敗北した鵺兄を煽る始末。やがて説得を諦めた鵺兄の一刀により殺された。最後は鵺兄によって手厚く葬られたようだ。
「慢心ゆえの失態… 当主として鵺一族に泥を塗ったこと反省していただきたい」
「ごぁああああああああ!」
関係者
銀田家
戦国時代の頃から現在に至るまでの長期に渡って鵺一族が仕えている一族。旧華族に該当する名家として知られており、敵対者の暗殺を依頼する代わりに鵺一族の維持・繁栄のための資金を提供している。
銀田家の長男で現役の国会議員。
鵺一族の長男(兄者)が仕える君主で、何よりも国民の暮らしを考えるという、堂馬利信や大鳥のような外道政治家が蔓延るバグ大世界にて、絶滅危惧種じみた極めて善良な政治家。兄者も個人として慕う程の人徳を持つ。
- 銀田栄角 ×
銀田家の次男。
鵺一族の次男(智也)とは幼少の頃からの付き合いだったが、とある事件を契機に暴走し始めた彼についていけなくなった次男がEL戦争で離反した。
鵺一族に資金援助をしているらしく、鵺(次男)に対しては「自分の命令に逆らえば一族への援助を打ち切る」と脅していた。
なお、初登場時は暗殺者ギルド"CODE-EL"のトップを務めていたが、EL戦争で毛利率いる反体制派に名実ともに敗北し、最期は自身の信念を貫き通すために飛び降り自殺した。
三門家
銀田家と対立関係にある秋月家直属の暗殺者一族であり、それ故に鵺一族と衝突することも多かった模様。
三門シリーズ開始前の時点で長年仕えてきた秋月家に見放され、秋月家の判断に抗議した当時の当主は暗殺され、残された息子の一郎太とその妹も生き別れになる状況に追い込まれた。銀田家による支援が打ち切られた場合の鵺一族のifとも言える存在である。
三門シリーズの主人公を務めるナツメ金融の二代目社長。暗殺者時代には長男(現統領)と激戦を繰り広げたことがある。現在は三門家自体が事実上解体されたことで、鵺一族との関わりはほぼないと思われる。
秋月家
銀田家と対立関係にある旧華族。三門一族を切り捨てた挙げ句滅ぼし、一郎太兄妹を離散に追いやった元凶。
- 秋月義一 ×
秋月家の先代当主にして現職の国会議員。
2023/09/27の動画にて初登場。日本の危機的状況の打破やアジア発展のために日本以外の国を征圧を目論み、栄山含む反対意見を述べた議員をエペルタスを使って葬っていることが窺えるため、栄山は株式会社モーリーと手を組むこととなった。
秋月家の現当主。
雷一族に対して先代当主・義一の死に関与した銀田家への報復を指示した。
雷一族
三門家の後任となる秋月家直属の暗殺者一族。
株式会社モーリーにより主君・秋月義一の命を奪われたことへの報復として、銀田家への無差別攻撃を開始、これにより鵺一族との報復合戦へと発展してしまう。
また、一時期はエルペタスと同盟を組んでいたが、前述の無差別攻撃で一般人を巻き込んだことにより、同盟が解除された。
エルペタス
EL戦争後、御前の逆鱗に触れ解散したCODE-ELに代わって御前が召し抱えた暗殺組織。モーリーを目の敵にしており、エルペタスを危惧している栄山、モーリーの協力者でもある鶴城史之舞も始末しようとしている。
また、鵺一族(保守派勢力)の暴走に家族が巻き込まれたオリオンも、個人的な理由で鵺一族と対立することになる。
エルペタス最強のアサシンで、コードネームは「オリオン」。
雷一族と鵺一族の報復合戦に巻き込まれる形で、鵺一族の保守派勢力により愛娘を誘拐される。後に娘は解放されるも、彼女の背中に十字の傷を付けられたことで怒りが頂点に達し、大丸の許可を得た上で鵺一族に対する報復へと乗り出す。
株式会社モーリー
EL戦争後、毛利公平が設立した会社で現在はエルペタスと抗争中。智也は日本刀のバースやさゆりと共に「氷誕屋バース」を運営している。
余談
オリオンの娘に手を出したことにより、その指示を出した先代の一派、ひいては鵺一族全体に対してヘイトが集まっている。
その理由は、「娘個人には何の罪も落ち度もなく、オリオンの怒りは父として正しい反応である」という点からくるものである。
この指摘は尤もであり、いくら理由があったとはいえ、罪なき人々に手を出すことは人の道に外れていると言わざるを得ない。
実際、モーリー一派やエルペタス上層部、バグ大における良識的な極道組織に関しては、(少なくとも現時点では)一般人を巻き込むことはすべきでなく、彼らを救済対象として扱う方針を取っている。
その一方で、この世界の殺し屋は多かれ少なかれ善人も手にかけていることが幾度となく示唆されており、加えて鵺一族はオリオン所属のエルペタスと同盟関係にある雷一族の攻撃を受け、その報復と抑止として娘に傷を加えている。
こういった背景から、「根っから外道なわけではなく、やむを得ない事情によるもの」「それぞれの立場から見た正義が違う」とする意見もある。
ただ、オリオンの娘への危害はエルペタス側への抑止を狙いとしていたものの、結果は抑止どころか逆にオリオンの逆鱗に触れ、彼の鵺一族への殺意と敵意を盤石なものにしてしまうという、先代達の目論見が見事に裏目に出てしまっている(しかし、これに対して先代達は「鵺兄が娘を解放したから」と自分達に原因があるとは本気で思っておらず、余計にタチが悪い)。
また、そもそもこの時点でエルペタスは暴走する雷一族と同盟を切りかけていた段階であり、本来ならば雷一族に絞って攻撃を仕掛けるべきところを、(知る由もなかったとはいえ)雷一族の暴走と直接的には無関係なエルペタスの方まで下手に刺激してしまうこととなった。
さらに言えばオリオン自身も、鵺一族と同じく雷一族の無差別攻撃に否定的という、エルペタスの殺し屋の中では比較的良識の持ち主であり、加えて娘を誘拐される前までは、オリオンがモーリー側に直接的な敵対行動を取ったことはなかった。
そのため娘に手を出してさえいなければ、オリオンが鵺一族の殲滅に自主的に動き出す可能性は限りなく低かったと思われる。
結局のところ、鵺一族のこの行動は彼らなりに事態の解決方法を考えたが故だったとしても、その結果無理に戦う必要のなかったはずの敵の最高戦力の怒りを買い、エルペタス戦争をより泥沼化させてしまうという完全に裏目に出た結果となり、客観的に見れば戦犯にも等しい行為となってしまったことは否めないだろう。
秋月家が三門一郎太と瓜生龍臣によって壊滅し、雷一族もカタギに転向したことで、戦う相手がいなくなったはずの鵺一族だが、2024年5月28日の公式Xにおいて、エルペタスを攻撃することを予告されたため、再び先代の一派に対してヘイトが集まっている。