「うん…好きで好きでたまらないんだ!」
概要
プロフィール
108話より登場した「刺青の脱獄囚」の一人。
自称動物学者であり、網走監獄から脱獄した囚人ではあるものの子どもに自然の良さを説くなど比較的温厚な人物であり、北海道の自然や動植物をこよなく愛している。
…が、その愛とは性的な意味であり、温厚に見えたその本性は手当たり次第に動物を襲ってはウコチャヌㇷ゚コㇿしたあげく惨たらしく殺害するという救いようのない作中トップクラスの変態腐れ外道。
それに加えて行為に及ぶ前は目を輝かせているが、及んだ後は自己嫌悪に陥りヤった相手を殺害するというある意味かなり重度のサイコパスでもある。
あちこちの牧場で飼われていた家畜に手を出していたようで(当然行為に及んだあとは殺害)、投獄理由はそれを見つけ咎めた牧場主に大ケガを負わせたことによる傷害罪。
こんな変態でも作中のキーアイテムである刺青を背中に彫られている事と、谷垣ニシパのアイヌからの誤解を解くために杉元一行は彼を追うハメになる。
作中での活躍(?)
脱獄後に木の洞とウコチャヌㇷ゚コㇿし、嫌悪感から剣鉈で切り倒して燃やそうとしていたところを谷垣一行に声をかけられるが、キツツキの穴を見ていたとごまかす。
その後はチカパシに北海道の自然の良さを教えるなど一行と打ち解けると彼らが寝ている隙に谷垣の村田銃を奪い、逃亡。その先で鹿をヤリ捨てて殺害、谷垣は彼と間違われ地元のアイヌから追われる身となってしまった。
ある意味壮絶な最期(笑)
そんな彼の最終目標はヒグマ。北海道最強の猛獣であるが、そのヒグマのオソマまみれになってまで接近し、杉元一同の眼前でとうとう本懐を遂げてしまった。
その現場を目撃した杉元も感動を押さえられず、
「やりやがった!!マジかよあの野郎ッ やりやがったッ!!」「姉畑支遁すげぇッ」
と地面を叩いて叫んでいた。
この信じられない光景を(経緯は省くが)脱走した谷垣を追って来た地元アイヌの人々も目撃したため、杉元一行の誤解は解けた。(また、感情をあまり出さない尾形でさえ姉畑の行為にドン引きしていた)
「姉畑先生もう十分だろッ」「ヒグマから離れろッ」「姉畑先生…」
それでもなおヒグマから離れない姉畑先生に向かって杉元は叫ぶ(この時杉元の呼び方が姉畑先生に変わっている)が当の姉畑先生はクマのケツにしがみついたまま腹上死。この時極限状態による急速な死後硬直でたったまま死んでいた…
姉畑先生は最期に誰にも成し得なかった偉業をついに成し遂げてあの世へ旅立ってしまった。その止まる事を知らない動植物への愛を持った姉畑先生の死を慎み、読者一同はここに敬意を表するのだ。合掌。
「おい杉元!この男を哀れむのか?やめろ」
とはならず、本当に動植物を愛していたなら先述の通り、どうして最後に殺してしまうのか。
動植物とウコチャヌㇷ゚コㇿした後に対象をズタズタにして殺害する一連の行為は「姉畑自身も心のどこかで動植物とウコチャヌㇷ゚コㇿする事を良くないと思っていたのでは」とアシリパは推察し、同時に「後になって無かったことにするなんて本当に自分勝手だ」と姉畑の所業を大きく非難している。そのごもっともの正論に杉元や読者は言葉を飲み込むのであった。
その後、姉畑の蛮行にキレたであろうカムイたちによって蝗害を引き起こされ、キラウシの住むコタンは危機に瀕してしまうのだった。
ちなみに、姉畑の最後の餌食になったヒグマは、ウコチャヌㇷ゚コㇿの直後にアシリパの毒矢で仕留められ、ウェンカムイとなることなく、地元アイヌによって丁重にカムイモシリに送られた。
その肉はアイヌ伝統の汁物、「カムイオハウ」にされたが、あのアシリパや杉元もさすがに口にする気は起らなかったようである。
元ネタ
容姿・名前とも博物学者アーネスト・トンプソン・シートンが元ネタと思われる。彼に関しては他のキャラと違って殺人鬼とかではないのでモデルの遺族に訴えられないか不安である。加えて口調やヒグマに攻撃された際のリアクションは完全に畑正憲氏、つまりムツゴロウさんであり、こちらは本誌掲載及び単行本収録時点ではゴリゴリに存命であった。
110話のサブタイトルは、あろうことか支遁動物記。酷過ぎる。冒頭から下半身丸出しでエゾシカやキツネ・イトウ・鶏を追い回すという筆舌に尽くしがたい蛮行を行っていた。姉畑の最期を描いた113話もさよなら姉畑先生という飛ばしぶりである。
異次元の変態である彼だが、現実でも似たような変態は(残念ながら)存在していたようで、昭和31年6月の新聞夕刊に「動物園の象をウコチャヌㇷ゚コㇿしようとしたら猛反撃を食らい、全身を粉砕骨折して死んだ45歳の機械工具外交員(※)」の記事が記載されている。
記事によるとこの人物は動物園の鶏、ヤギ、牛、ブタ相手にもやらかしており、何度も飼育員に通報されて警察の厄介になっている常習犯であったらしい。また写真によると眼鏡をかけていた模様。
※ここでいう外交員とは訪問販売員の事。
余談
すごーい!彼は変態けものフレンズなんだね!
掲載当時はアニメ版『けものフレンズ』の放映中時期であり、何を考えたのか108話最終頁の煽り文が上記のようなものとなってしまい、極めて不名誉かつ非公式のコラボと化してしまった。
ちなみに当初原作者は意味が解らなかったそうである。
本作のアイヌ語を監修している中川裕教授によるアイヌ文化の入門書『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』には、同書で名前の出てきた本作の登場人物の紹介もあるのだが、姉畑についてはただ一言「動物が大好き」。確かに解説のしようがない。
誰もが予想したアニメ版でのカット
アニメ化の際、誰もが「姉畑支遁やるのか?」とか「どうせカットされるだろう」とざわつきが起きたが、「親分と姫」と同じように姉畑のエピソードはカットされることが決まった。
尺的な都合なども絡んでカットされるエピソードもある本作だが、アニメ版の監督が自らカットされた理由のツイートをするくらい姉畑はいろんな意味でヤバかった模様(当たり前だ)。監督もそういうツイートをするほど姉畑の人気の高さが窺い知れるということも考えれる。
一部のエピソードカットにファンの間では賛否はあったものの、姉畑エピソードに関しては「せやろな」とか「まぁ…いいか…」とか納得の意見が多かった模様。ただアニメ版声優陣の「ウコチャヌプコロ」や尾形の「男ってのは出すもん出すとそうなんのよ」などの名言が聞けなかったことを残念がるファンもいた模様。
しかしながら一部エピソードは単行本付属OVA化もしているため期待してもいいかもしれない…はず。と、思われていたが…
やりやがった!!マジかよあの野郎ッ
やりやがったッ!!
2020年3月、まさかと言うべきか予想通りというべきか、コミックス23巻付属のDVDによるアニメ化が発表された。発売予定は2020年9月18日であった。
期間限定で1話~100話+108話~115話が配信されている。読むしかねぇ。
と言うか発売された。見ろ。
そして、無事特装版付属のOVAとして発売されたのだが、そのパッケージデザインがこれである。
児童向け伝記漫画を彷彿とさせる色遣いとデザイン。タイトルの上下にはそれぞれ「学べるアニメ ゴールデンカムイ囚人伝」、「命をかけて大自然に挑んだ男」というシリーズ名とサブタイトルらしきものが書かれている。
ご丁寧にも下部の帯を模した部分には、「自然を愛した刺青囚人 姉畑支遁の生涯」と書いてあり、笑顔の姉畑が写っている。
現状では、AMAZONプライムビデオ等での配信はなされていない模様。まあ、そりゃそうか。
登場から4年、とあるゲームでまさかの話題に
2021年8月、ポケモンの新作「LEGENDSアルセウス」の情報が発表された。舞台は太古のシンオウ地方であるヒスイ地方。北海道がモデルとなっており、太古ということもあってアイヌやアイヌ神話をモチーフとしたものが作中での神話など様々な形で登場することも判明した。
そのアイヌ神話をモチーフとしたものの一つが「ポケモンと人間が結婚していた」という、なんともロマンチックなものだった…
が。
これを知った一部の金カム民によって世にも最低な造語が作られてしまった。
そう、「ポケチャヌプコロ」である。
この単語のすさまじさは一気に広がり、その日のTwitterのトレンドに浮上し、同時に「ポケモンだいすきクラブのアネハタ」と姉畑まで話題に上がり、終いにはポケモンに欲情した過去を持つ一部の人が「姉畑予備軍」と呼ばれる始末になってしまった。
関連タグ
ズーフィリア…姉畑支遁の性癖を的確に表した言葉
えぞちほー、けだものフレンズ、ポケチャヌプコロ…他作品コラボタグ。高確率で姉畑絡みのネタが投稿される。
虎視虎子…アニメ第3話にて、とあるワンシーンが姉畑支遁のあのシーンを彷彿とさせると話題となった。
なお、そのシーンはアニメ化第2弾PVにも抜擢されているうえ、アニメ本編でも回想シーンにてピックアップされてしまうことが多い。