概要
DM23-EX1『大感謝祭 ビクトリーBEST』にて登場したゼニスのツインパクトであり、《天地命動バラギアラ》の派生カードの一種。
DMRP-18『王来篇 第2弾 禁時王の凶来』にて《禁時混成王ドキンダンテⅩⅩⅡ》が引き起こした「12の大厄災」によって生まれたクリーチャー。その時点ではカード化されてはいなかったが、DM23-EX1にて約2年半の時を経てめでたくカード化されることになった。
メインデッキに入るビクトリーカードでは初の5色レインボーカードでもある。
見た目はゼニスを思わせる白地の体に虹色の紋様が入ったバラギアラ。カード下部の呪文面では、このクリーチャーの咆哮と共に、天から無数のトライストーンが降り注いでいる光景が確認できる。
カード効果
「色災」の頂カラーレス・レインボー
レアリティ | VIC |
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コスト | ゼロ文明(11) |
カードタイプ | クリーチャー |
種族 | ゼニス・ハザード |
パワー | 17000 |
能力 | T・ブレイカー |
ゼロ輪廻∞:このクリーチャーが召喚によってバトルゾーンに出た時または攻撃する時、このクリーチャーの呪文側を、バトルゾーンに置いたままコストを支払わずに唱えてもよい。そうしたら山札の上から5枚をマナゾーンに置く。 | |
エターナル・Ω |
天上天下輪廻天頂(ゼニス・ハザード)
クリーチャー側は、召喚時およびアタックトリガーで呪文側のコスト踏み倒しとマナ加速を行うゼロ輪廻∞(リンフィニティ)とエターナル・Ωを持つT・ブレイカー。
ゼロ輪廻∞は召喚時および攻撃時限定だが呪文側をノーコストで唱えることができ、呪文の効果と合わせてバトルゾーン、マナゾーン、手札を一度に充実させることが可能。ゼニスらしい豪快な効果となっている。特に従来の輪廻∞と違ってマナ加速が5枚に固定されており、輪廻∞によるマナ加速に必要な《天地命動バラギアラ》の数に左右されないため、単体で運用しても問題は出にくい。だが、それゆえに山札切れのリスクも上がる。
呪文側は、自分の墓地から各文明のカードを1枚ずつ選び、その中のクリーチャーをすべて踏み倒し、残りを回収することができる。多色カードを選んだ場合は1枚毎に1つだけ文明が参照される。例えば、「光/水」と「光/闇」のように文明が被っていても、どの文明として選んだかにより同時に選択できることもある。例を挙げるとするなら、《天地命動バラギアラ》5枚を自然、水、闇、火、光のカードとしてバトルゾーンに出すことができる。
このカードをデッキに入れる際に留意すべき点は、5色レインボーであるためマナゾーンにタップして置かれる上、生成できるマナが0であること。
【ビッグマナ】のようなマナを伸ばして早期召喚を狙うデッキでは、序盤に墓地へ落とした初動呪文と大型クリーチャーのツインパクトを蘇生できる等、ある程度の活躍が見込めるが、かと言ってこのカードを入れすぎると返ってノイズになりかねない。
デュエマ版統率者戦である『デュエパーティー』であれば、パートナーに設定することで5文明全てをデッキに入れることが可能になる上、常に手元に抱えておける為、複数枚積みする必要が無くなっている。(そもそものルール上、ハイランダー構築が条件となっている)
また、デュエパーティーのルール上、ツインパクトをパートナーに選んだ場合、基本的には呪文側を使えないが、このカードはバトルゾーンからでも呪文側の効果を使えるという利点がある。
上記の短所と長所から、公式からはデュエパーティーのパートナーとして推奨されている。
単にクリーチャーを墓地から複数体踏み倒すのならば、踏み倒せる枚数の制限が無く、このカードの下段よりも2コスト軽い闇単色呪文の《「深淵より来たれ、魂よ」》がある。また、《天上天下輪廻天頂》はカードを選ぶ段階で光・水・闇・火・自然1枚ずつという縛りのため、デッキ内の文明を絞れば絞るほど踏み倒せる枚数が少なくなってしまうので、敢えてこのカードを使う利点は少ない。
一応、あちらと違って《真邪連結バウ・M・ロマイオン》の踏み倒し範囲のコスト8呪文である点では差別化が可能で、《禁時混成王ドキンダンテⅩⅩⅡ》とは相性が良く、《ドキンダンテ》を踏み倒しながらアタックチャンス呪文や《ドキンダンテ》で踏み倒す用の呪文もまとめて回収できるのはこのカードならではであり、逆に《ドキンダンテ》から《天上天下輪廻天頂》を踏み倒すこともできる。背景ストーリーを見るに恐らくデザイナーズコンボだろう。
【ディスペクター】デッキであれば、多色カードを多く入れることが出来、《ロマイオン》から唱えられる踏み倒し手段の一つとして一考の余地があるか。
ツインパクトで固めたデッキに入れて《マジック・H・コレクター》のS・バック付与で踏み倒すという使い方もある。S・バックは召喚扱いになるので、クリーチャー側を踏み倒せばゼロ輪廻∞を使うことが出来る。
1~2枚積みにして《水晶の記録ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》でサーチしてしまえば、マナゾーンに置かれた時に邪魔になる欠点をある程度カバーできる。
また、⦅大雪原だョ!全員集合!⦆や、⦅大革命のDワイルド・サファリ・チャンネル⦆などで無理やりマナを生ませることもできる。
大型クリーチャーが付いた初動ツインパクト呪文や、手札交換などでリソース回収と墓地肥やしを並行して行い、準備が整い次第、《マジック・H・コレクター》から繋げてフィニッシャー級のクリーチャーを複数体並べたい。5枚目以降の《「深淵より来たれ、魂よ」》として運用できる他、《轟破天九十九語》と違って登場時効果を使えるという点で差別化が可能。
デュエマのカード全般に言えることだが、今後の新規カードやデッキ構築次第では思わぬ活躍をしてくれるかもしれない。しかし翻せば、やはりマナの生成とコストが大きな欠点であり、ここを如何にカバーするかが重要であるとも言える。
元祖バラギアラこと【バラギアラループ】との相性は可もなく不可もなしと言った具合。元々【ビッグマナ】系の構築である以上、上述したように、マナの生成が0であるこのカードはノイズになりやすい。
また、このクリーチャーのコスト自体が《天地命動バラギアラ》の9コストよりも高い11コストであることも、準備に掛ける手間を増やしてしまい向かい風。
一応、《妖精のプレリュード》を使えば合計9マナで召喚することは可能。呪文側で墓地から《天地命動バラギアラ》を5体纏めて踏み倒すことも可能だが、事前に墓地への仕込みが必要な点と、召喚扱いではないのでマナがアンタップされない点がネック。
自然文明のカードではないが、墓地肥やしは《氷牙レオポル・ディーネ公/エマージェンシー・タイフーン》や《メラメラ・チェイン》等で一応カバー可能。また、マナのアンタップはされない一方で5枚ブーストできるので、使用可能なマナ数によってはあちらの輪廻∞の発動も可能。
背景ストーリー
はっきり言ってしまえば、活躍は全くないと言ってもいい。双極篇ラスボスのバラギアラがゼニス化したとんでもないクリーチャーだが、「ゼニス化し、暴走した」というだけで、それ以外の活躍については言及されていない。
話のスケールの大きさに反してほぼ出オチに近く、「元ラスボスの新形態なんだからもっと活躍させて欲しかった」という声も多い。
以下は12の厄災の内、ゼニス降臨と《カラーレス・レインボー》について記述されているフレーバーテキストである。
《"不愛闘"倶楽部》 |
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石柱の針が「Ⅲ」を指した。脈絡なく時空の裂け目からゼニスと呼ばれる超存在が降臨すると、空からは無数の三角錐が降り注ぎ、ワールド・ウォー・ゼニスが勃発した。 |
《アオジシ・スパイダー》 |
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石柱の針が「Ⅵ」を指した。5体のバラギアラが次元の隙間から降臨したゼニスと共鳴しゼロ文明の力を取り込むと、ゼロとレインボーの矛盾によってゼニス化。バラギアラ・ゼニス、その名も「色災」の頂カラーレス・レインボーが生み出された。ゼロとレインボー、相反する2つの力を抱えたバラギアラたちは再び暴走を始めた。 |
バラギアラは過去に暴走した際に、超獣世界を生命で飽和させ、滅亡寸前まで追い込んでいる。それがゼニス化したとなれば、数多の大厄災が超獣世界を一斉に襲う中、世界中に生命が溢れ返るという矛盾極まる地獄絵図が想像できるだろう。
尚、降臨したゼニスが同一存在なのかは不明。
その後の詳しい動向も不明だが、DMRP-20『王来篇 第4弾 終末王龍大戦』では《我臥牙ヴェロキボアロス》の魂と共鳴してスター進化の力に目覚めた《バラギアラ〈ヴェロキボアロ.Star〉》が登場している。
《アルカディアス・モモキング》が《ドキンダンテⅩⅩⅡ》を撃破し、『天聖王』の力で時間の概念を修復したことで、歴史改変による12の大厄災も無かったことにされ、ゼニスの呪縛から無事解放された模様。
余談
冠詞の「色災」は「色彩」と「災」を合わせた造語。読み方はそのまま「しきさい」と読む。「色の災害」としても取れるかもしれない。
名前は元のバラギアラから「緑色(=自然文明)」を失った「無色(=ゼロ文明)」を意味する「カラーレス」、そして多色カードを指す「レインボー」からきていると思われる。色の無い虹という矛盾がとても効いている。
このクリーチャーの暴走する姿が描かれている呪文側の読みは、種族名と同じ『ゼニス・ハザード』という粋なものになっており、まさに「ゼニスによる大災害」を表している。
ツインパクト初の5色カードで、ゼロ文明と五文明を持った唯一のカードでもある。最高レアに属するハザード種族では、初のマスター・ハザードカード(MHZ)以外の最高レアに属するカードになっている。
設定上は5体のバラギアラがゼニス化した姿となっているが、「デッキに4枚より多く入れることができる」等のテキストは書かれていないので、残念ながらこのクリーチャーを背景ストーリーのように5体並べることは出来ない。
だが、《母なるパック》等のデッキ外からカードを使用できるカードを使って、このカードを見事引くことができれば5枚目を並べることが可能。
このカードが収録されたDM23-EX1はサムライ、ハンター、アウトレイジ、ゴッド・ノヴァ、そして現行の主役種族であるアビスにスポットライトが当てられたパックなのだが、《カラーレス・レインボー》の種族はそのいずれにも当てはまらない。
同弾に収録されているハンターの新規カードにはゼニスに属するものも多数登場しているが、それらとの目立った互換性も無い。強いて挙げるならば、大型クリーチャーと初動呪文を併せ持つ新規ツインパクトが複数登場しており、種族ではなく『ツインパクト』としての強化が行われたと言ったところか。《天上天下双極∞》との相性はそこまで良くは無いため、【ツインパクト】デッキに投入する際はこのカード専用に調整する必要が出てくるだろう。
一応、上述の通り【マジック・H・コレクター】に入れる選択肢や、【青魔道具】の無月の門99で発動したり、《聖龍ボルシャック・ウルフェウス》の能力で打つのもアリ。《ボルシャック・ウルフェウス》に関してはハンターを持っているので、今弾でサポートもより充実しているため、使いやすいと思われる。
関連動画
関連タグ
「無月」の頂_$スザーク$:こちらは《卍デ・スザーク卍》がゼニス化したもの。背景ストーリー上で存在を仄めかされてはいたものの、個人としては全く登場しておらず、《カラーレス・レインボー》以上に謎の多いゼニスとなっている。一方で、カード化はこちらの方が先だった。