概要
てんとう虫コミックス8巻及び、藤子・F・不二雄大全6巻に収録。
叶えたい願いを唱えながらこの小槌を振ると、多少苦労はしながらもその願いを叶えることができる。ちなみに「うちでの小づちでせいくらべ」にも同名の道具で登場していて、こちらはスネ夫の願い通り背を伸ばすことができる。ただしこちらは話が短すぎるためか、現在のところアニメ化されていない。
ストーリー
スネ夫はドラえもんを「くん」付けしながら頼み事をするが、「ちびでも依頼人は大勢いるじゃないか」と言われ、自分はどうしても背を高くしたいと主張。そして自分は頭もいいし顔もいいから、後は背が低いことだけが悩みなんだと説明したが、それでも道具を出してくれないと分かると、「持ってないから貸さないんだろ。ポケットに何でも入ってるなんて威張ってるくせに。嘘つき」と罵詈雑言を言って帰って行った。
そこに通りかかったのび太は何の話をしてのか尋ねると、ドラえもんは打ち出の小づちを出して欲しいと言われたことを説明し、これにのび太は「スネ夫のばか。そんな物あるわけないだろ」と言っていたが、ドラえもん曰くあることはあるとのことだった。これにのび太はびっくりし、「じゃ、スネ夫に貸してやろうよ。スネ夫にバカにされることないんだ」とドラえもんを連れて行こうとするが、ドラえもんはこの小槌はちょっとややこしいとのことで、試しにどら焼きを出すよう願いながら振ってみると、出て来たのは10円玉だった。
これではどら焼きは買えないことにのび太は指摘するが、ドラえもんは小槌から出て来たからこれでいいと歩き始めた。すると転がって行った10円玉が道に置かれていた棚の下に入ってしまい、のび太と協力して持ち上げると、一人の男性が出てきてそれを奥の部屋に運んで欲しいと頼んできたため、言う通りに運び入れると今度はテレビも運ぶことになり、引っ越しを手伝ってくれたお礼にお茶とどら焼きをご馳走になった。
だがあまり得をした気分にななかったので、今度はのび太が小遣いの千円を出すよう願って振ってみた。すると一人の少年が封筒に入った千円札を持ってきて、何も言わす受け取って欲しいと言い出したが、同封されていた手紙には「借りていた切手アルバムをなくしちゃった。千円やるから勘弁しな」と書かれてあった。
「冗談じゃないっ、(あの切手アルバムの総額の弁償に)千円ぐらいで足りるもんか」と怒るのび太だったが、そこへ再びスネ夫がやってきて見つけた小づちを止めるのも聞かず横取りしてしまった。そして、のび太より背を高くしたいと願いながら振りまくったが、それが後ろの方に飛び、偶々散歩中だったジャイアンの頭にぶつかってしまったため、スネ夫はこの小槌で殴られることになり、結果出来上がったたんこぶでのび太よりも1cmほど高くなることができたものの、ドラえもんはこの小槌をポケットにしまい封印することにした。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1980年2月8日及び1991年6月7日に、水田版は2020年11月21日に放送している。
1991年版
- 冒頭帰宅して来たのび太は、ドラえもんと一緒に遊ぼうと思ったが部屋にいなかったのでおやつを食べることにし、この時ドラえもんがスネ夫の家に呼ばれていたことを聞かされた。そしてスネ夫は大量のどら焼きとジュースを出してドラえもんをもてなしながらお願いをしていて、ドラえもんから「ちび」という言葉が出ると「ちびって言うな!」と怒ったり、のび太だって自分より背が高いことも言っていた。ちなみにのび太は「ばか」とは言っていなかった。
- のび太が何を小づちに出してもらおうか考えている一方で、スネ夫はぶら下がり健康器具を使って背を伸ばすトレーニングをしていたが136cmと全く伸びていなかったので、参考にした本を泣きながら破りドラえもんに頼むことを決意した。
- ドラえもんは、0点を取らない、ママや先生に叱られない、ジャイアンに殴られないなどの願いの候補を出していた。そしてのび太から小づちを振っても1000円が出てこないと迫られたが、その時に山田という少年がやってきて、更に切手アルバムをなくされ怒ったのび太と口論になったがそこにスネ夫がやって来て、道具を貸してくれないならさっき食べたどら焼きを返すよう言って出した。
- ジャイアンがこの場にやってきたのは、皆が集まっていて楽しそうだったから。
- ラストでドラえもんは、フラフラになりながらも再びスネ夫から背を伸ばす道具を出してと頼まれ、そんな道具は絶対にないと首を横に振りながら強く主張していた。
2020年版
- サブタイトルが「ややこしい?うちでの小づち」に変更
- 冒頭でスネ夫は自分が一寸法師になり鬼から姫を守る夢を見たが、小槌の調子が悪かったせいか背があまり伸びずショックを受けて目を覚まし、部屋の鏡を見ながらもっと背を高くしたいと思った。ちなみにドラえもんの台詞のうち「ちび」は「背が低い」に変更され、スネ夫は自分の声が綺麗なことも話していた。
- 「スネ夫のばか」は「おとぎ話じゃあるまいし」に変更されている。
- ドラえもん達は運んだテレビは時代に合わせて薄型変更されていた。
- 少年が無くしたのび太のゲーム機で、れにのび太は「これを買うためにおやつをどれだけ我慢したことか!」と怒っていた。
- ジャイアンがこの小槌を使う下りが追加されていて、神成さんちへ入ってしまったボールを取り返そうと思ったが、ボールに名前が書いてあったため怒って出て来た神成さんに迫られとっさに自分ではないと嘘をついたが、そこに先生が通り掛かってバレてしまったためこの2人から怒られることとなりジャイアンは謝りながらボールを持って逃げ出した。
- この件があったためジャイアンは怒りながらやって来ていて、ドラえもんとのび太は怯えて茂みの中に隠れた。またスネ夫のたんこぶは大きいのの上に小さいのが出てきていた。