『かえちえ』と同じ母音が交互に出てくるので語呂が良い。楓と属性を同じうするアイドルではあるが佐々木千枝とのカップリングではない。
『キルシュ』というおそらくキルシュヴァッサーから連想されたユニット名もあるが、これは智絵里にとってはシャイニングゴッドチェリー同様デレラジから派生したユニットで、『with凛(渋谷凛)』という形で登場しその後は特に展開されていない。
両者ともにサービス開始時からのキャラであり、声も比較的早い時期に付いていた。
つながりを見出そうとするのなら、チェリーまたはクローバーとカエデの植物系つながりなのかも知れない。智絵里でチェリーという掛け言葉は楓が喜びそうではある。
数あまたあるアイドルマスターシンデレラガールズのカップリングの中でも、背徳的、悲劇的な雰囲気があった往時の百合の雰囲気を漂わせているカップリングである。そのためか病気ネタや吸血鬼化ネタなど当時該当ジャンルで流行っていたようなネタも見られる。
理由は種々考えられるが、そのひとつとして緒方智絵里と高垣楓のキャラクターによるところが大きいのだろう。
16歳という大人でも子供でもない年頃の智絵里と、25歳の大の大人でありながら内面は無邪気な幼さのある楓。
両者ともに人付き合いは得意ではないが、いったん心を開けば、智絵里の依存性の強さは言わずもがな、楓も酔い潰れて生殺与奪を任せるほどに打ち解ける。……等。
そもそも智絵里の年齢や性格は、年上のお姉さんに憧れるという百合作品の主役の王道設定である。
なお、Cuヤンデレ四天王の栄冠耀かしい智絵里が執着心や闇を見せて主導権を握る年下攻め展開になる事も多い。
甘美なる姫君で楓は言っている。(プロデューサーに対するセリフだが)「きっと…いつかご褒美がありますよ。たぶんそれは…甘いご褒美です。甘い、あまーい、すてきなプレゼントが…きっと待ってますよ」
Giftはもともとは与えられたものを意味する、英語では贈り物、ドイツ語では毒を表す言葉である。
高垣楓は緒方智絵里に与えられた甘い毒の贈り物なのかも知れない。
そういえば、女性同性愛創作の隠語の一つ――百合として世に容れられる以前まさにかえちえで見られるような作風の作品が見られた頃使われていた――は「くだもの」でもあった。(やおい→や○い→やさいのカウンターとしての呼称)
くだものの中でもチェリー(処女膜の隠語でもある)を名に戴く(のみならず、自ら楽曲内で曖昧に混ぜて発話している)智絵里のカップリングが百合らしくなるのは当然の成り行きと言えなくもない。
第6回シンデレラガール総選挙で楓がクール部門1位、智絵里がキュート部門3位に入賞した事で総選挙楽曲をともに歌唱することになった。
チェリージュビレ
第53回ドリームLIVEフェスティバル第4ラウンドのスペシャルライブユニットとしてふたりと渋谷凛のトリオユニット『チェリージュビレ』が登場した。
大英帝国の最盛期に君臨したヴィクトリア女王の即位50周年を記念して近代フランス料理の父オーギュスト・エスコフィエが献呈したデザートの名前に由来する。キルシュヴァッサーを使った熱々のチェリーソースをバニラアイスにかけたデザートでエスプレッソコーヒーでつくるとアフォガートになる。
なおジュビレはレビ記25章にある50年ごとの聖年『ヨベルの年(The Jubilee year)』に由来する。
ユニット名に取り上げられた事から実際に作ってみたPもいるようだ。
第45回アイドルLIVEロワイヤルの第3ラウンドにもスペシャルユニットとして登場して第10回シンデレラガール総選挙まえに存在感を示した。今回のセンターは楓で、センターの権利として王様ゲームよろしく智絵里と凛に無茶振りをしているが、凛にやんわりと窘められている。
「…智絵里ちゃん、凛ちゃん。やっておしまいなさい。…ふふっ」
「えっと…! 何をすれば……!?」
その後、楓はいろいろあって『ジュビリー』なる曲を歌うことになる。