「『たまに忘れるけどコイツまだJKだった』 って顔しちゃって失礼ね 」
「 なんだよエスパーか !? 」
――シンデレラガールズ劇場 第560話 『 たまに忘れる 』
概要
『アイドルマスターシンデレラガールズ』に登場する、小松伊吹(19)と速水奏(17)の組み合わせ。2011年11月のサービス開始から少し間をおいた12年1月に伊吹が、半年以上遅れて同年8月に奏がそれぞれお披露目となった。
2013年の2月に開催された、奏にとっての最初のイベントとなる「アイドルプロデュース バレンタイン編」(2019年12月に復刻)での共演以来、断続的にとはいえ交流が描かれてきた、それなりに古株のコンビである。2018年3月に開催された「アイドルLIVEロワイヤル」にて「 ルミナスボーダー 」の名を引っ提げて実に5年越しのユニット化を果たし、Pたちを歓喜させた。
ちなみに、2017年の総選挙におけるアイドル紹介では、「奏が思う魅惑的なアイドル」の一人として伊吹の名前が挙がっており、翌2018年には伊吹が恋愛映画を見せたい相手に奏を挙げている。
現役高校生として学校生活を送りながら芸能活動を行っている奏に対し、伊吹はダンスのスキルを発揮する場を求め、インストラクターの職(アルバイト)を辞してアイドルの世界に飛び込んでいる。社会経験のある伊吹のほうがいくらかしっかりしていてもよさそうなものだが、考え方も振る舞いもあまりに大人びて見えるせいでしょっちゅう年齢を誤認される奏が相方になってしまうと、伊吹自身も自分のほうが年上であるということをしばしば忘れるようである。
互いの愛称は「伊吹ちゃん」 「奏」(奏からは改まって「伊吹」と呼ぶこともある様子)。奏が蠱惑的に女性語を使うのと対照的に、伊吹はふとした拍子に男性語も飛び出す絶妙にフランクな口調が持ち味。血液型はO型同士で、身長は伊吹のほうが3cm高い。
主だった共通点として趣味の映画鑑賞が挙がる二人。伊吹が恋愛モノを好んで観るのに対して、わりと雑食だという奏はそのあたりを唯一苦手な分野としている(ただし苦手だからまったく観ない、ということでもないらしい)。とはいえ、やたらと純情な伊吹も鑑賞中は余裕をなくすため、「奏が伊吹と恋愛映画を観るにしても、伊吹の反応ばかり見ていそう」という声も。
一途で夢見がちな伊吹の乙女思考を見透かしてみたり、思わせぶりなことを口走って慌てさせたりと、他愛のない掛け合いでは基本的に奏のほうが一枚上手。一方では、持ち前の行動力で奏を引っ張り、どんなレッスンや仕事にも前向きにぶつかってみる姿勢で高め合う関係を築いていく伊吹の姿も描かれる。
シンデレラヒストリー
2020年3月25日、「シンデレラヒストリー」にアイドルプロデュースバレンタイン編から[蒼翼の乙女]に続く、奏にまつわる3本のエピソードが追加された。1本はアイプロをきっかけに親しくなったかな子と一緒にケーキを作った思い出話。残る2本「芽生え育つ、ふたつの翼」「それは得がたい宝のようで…」と題されたエピソードの半分以上は奏と伊吹の映画談義に割かれており、二人が並ぶアイコンに期待を膨らませる担当Pたちは、想像以上に親密な奏と伊吹の関係を目の当たりにすることとなった。
奏が伊吹を茶化す場面がたびたび描かれる“かないぶ”だが、ここでは共通の趣味をもつ友人として、好みのジャンルや映画鑑賞に対するスタンスのちがいを率直に語り合っており、気を許した者同士の間に漂うゆるやかな空気は、見る者にも新鮮な衝撃をもたらした。
何かと含みを持たせがちな奏の独白からは、そうした自身の態度にも素直な感情と言葉を返す伊吹の人柄に強く惹かれている様子を窺い知ることが出来る。そのエピソードが「得がたい宝」と題されていることからも、奏にとっての伊吹が“特別な相手”に数えられていることは疑いようもないだろう。
デレぽ
2021年11月13日の15時過ぎ、奏がデレぽにて「音楽が聞こえて足を止めたら見知った顔がいた」と投稿。直前に東郷あいがセッションに飛び込んでサキソフォンをプレイするシチュエーションのSSR[スウィング・ウィズ・ミー]が登場したばかりだったため、それを指したものかと思いきや、18時ごろに「もしかして見てたの」と返信したのは伊吹。
「あの空間の煌めき」という奏のワードセンスに続いて、「言ってよ」「良い顔だった」「今度覗いてやる」と気の抜けたやりとりが成立してしまうのも、この二人の妙味だろうか。
ちなみにこの日は伊吹の地元・茨城県民の日である。
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相川千夏... フランスの文学や映画に造詣が深い。