かみおとこ
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かみおとこ
昭和時代の怪奇実話を紹介する書籍に掲載された怪異。
1951年の5月に起きた、フィリピンのマニラ警察署の事件報告書「特殊事件簿No.108号」に記されている怪異。
それはパトロール中の警察官に、18歳の女性・クラリータが「全身を誰かに噛まれている」と助けを求めてきた事件であった。
当初、彼女の「誰が噛んでいるのかは分からない」との訴えは信じられず、いたずらか薬物中毒者の戯言であると相手されなかった。
しかし、クラリータの「8カ所も噛まれている」との必死の訴えに折れた警察官は、警察署に彼女を連れていった。
警察署の一室に保護されたクラリータであったが、警察官達が見守る中「黒い何かに噛みつかれる」と怯え、助けを求め始めた。
すると床に倒れ込んだクラリータの肩や腕に、次々と噛み跡が現れたのだ!
そして傷跡からは血が流れ、肌に臭い唾液のようなものがべったりと付着していたために、署長と検察医が呼び出される事態となった。
クラリータの身体には、十数カ所の噛み跡が認められたために警察署に保護された。
だが翌朝も、彼女にしか見えない黒い怪物に襲われ始めたため警察官はなんとか防ごうと試みたが、やはり姿は見えずに触れもできないこの怪異に対しては無力であった。
傷の治療後に、何者も侵入できないはずの独房に彼女を移送したが、しばらくして叫び声が聞こえてきたので署長や検察医、話を聞いて訪れていた市長らが駆けつけると、クラリータの喉に噛み跡が現われ鮮血が噴き出した!。
その後5分ほども襲撃は止まず、目撃者たちは嫌な汗でびっしょりになり、クラリータは命こそは助かったものの、満身創痍の状態であった。
幸か不幸か、それ以来クラリータへの襲撃がなくなり、精神病院に半年ほど入院して身体の傷は全快したが、心の傷は一生癒えなかったとされる。
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