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概要編集

ここに鷲は舞い上がる(Where Eagles Soar)とは、アメリカの作曲家スティーヴン・ライニキー(Steven Reineke)の作曲による吹奏楽曲。

アメリカ合衆国メーン州バンゴアにあるアケイディア病院の設立10周年を記念して2003年に作曲され、C.L.バーンハウス(C.L.Barnhouse)より出版されている。楽曲のグレードは3.5。

この曲はライニキーの作品のなかでも『セドナ(SEDONA)』と並んで特に人気のある3部形式(A-B-A形式)の序曲で、『鷲の舞うところ』(鷲が舞うところ)、『天高く鷲の舞う地』などの数多くの邦題がつけられている。

広大な大空を時に力強く、時に悠然と羽ばたく”空の王者”たるの姿を変ホ長調(E♭ major)の親しみやすいメロディと高揚感あふれるリズムで描き出すこの曲は、コンサートなどのオープニング曲として特に人気を集めている。


曲の構成編集

冒頭~前半部編集

写生


Maestoso 4分の4拍子

ティンパニの力強い一打と輝くトランペットホルンのファンファーレ、それを支える低音の金管楽器による重厚な序奏で幕を開け、途中から合流した木管楽器がフォルテピアノの沈み込みのなかを激動の連符で駆け上がっていく。

やがてフォルテシモに到達した曲は、allargandoの指示のもとに速度を緩やかに落とし、連なるアクセントとフェルマータに力強い羽ばたきの予感を匂わせる。


Allegro Spirito 4分の4拍子

解き放たれたテンポとともにトロンボーンチューバらの金管低音群とスネアドラムが強固なベースラインを築き上げ、その上をクラリネットが軽やかな調子で羽ばたいていく。

旋律から発せられる抑揚に即座に応えるかのようなリズミカルな流れが収まると、代わって現れたホルンユーフォニアムがウインドチャイムのきらめきを伴って高らかに舞い上がり、木管楽器の細かなパッセージを受けながらさらなる飛翔へと備える。

そしてトランペットが主題の拡大形をエネルギッシュに歌い上げると、曲は高まりのフォルテシモを頂点として緩やかに減衰を見せていく。


中間部編集

ロッキー山脈とわし


L'istesso Tempo 2分の2拍子

メゾピアノに抑えられた勢いと2分の2拍子への移行に伴い、曲調は緩やかかつ抒情(じょじょう)的なものになる。

低音楽器の持続的なベースラインに乗り、クラリネットやフルートが2拍の大きな流れでしっとりと歌い上げると、ハ長調(C major)への移ろいとともにトランペットのメロディが風に乗って悠然と吹き渡っていく。

そこからふたたび変ホ長調(E♭ major)へと戻った曲は、Piu Animatoの指示によってより一層の躍動を見せ、唐突なピアノへの抑え込みからmolto allargandoでエネルギーを全身にみなぎらせていく。


後半部編集

猛禽類


Allegro Spirito 4分の4拍子

確固としたリズムを固めるトロンボーンとスネアドラムがアレグロのセクションの再来を告げると、クラリネットとフルートのリズミカルなフレーズ、ホルンやユーフォニアムの緩やかに歌い上げるフレーズが対比を見せる。

そののちに現れるトランペットの勇猛果敢な主題の再現によって曲はさらなる盛り上がりを見せ、モチーフを重ねる金管楽器とトリルを飾る木管楽器が終幕に向けて大きく突き進んでいく。

最後はフォルテピアノからのクレッシェンドに導かれたホルンとサックスが高らかに吠え、フォルテシモの3連符で力強く幕を閉じる。


主な演奏団体(関連動画)編集

ワシントン・ウインズ(The Washington Winds)


大阪市音楽団(Osaka Municipal Symphonic Band)


なにわ《オーケストラル》ウィンズ(NANIWA orchestral WiNDS)


プリモブラス(Primo Brass)


陸上自衛隊第8音楽隊(JGSDF 8th Division Band)


関連タグ編集

音楽 吹奏楽

 鳥類 猛禽類 ワシ) イーグル

飛行 飛翔


外部リンク編集


参考文献編集

  • 秋山紀夫『吹奏楽曲プログラム・ノート2』 株式会社ミュージックエイト 2014年5月14日発行 183~184ページ

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