概要
昭和50年代前半に一世を風靡したキャラクターで企画ある。
ツッパリ(不良、ヤンキー)文化に着想を得た、本物の猫に特攻服を着せて暴走族風に仕立て上げた写真が用いられている。
正式名称は「全日本暴猫連合なめんなよ」。
だが、キャッチフレーズが「なめんなよ」だったことからなめ猫という愛称が定着した。
愛知県名古屋市にて生み出され、1980年ごろから全国にブームが広まり、1981年には「又吉&なめんなよ」名義でレコードも発売され大ヒットする等絶好調を迎える。しかし、猫への虐待を疑う声もあって翌1982年にブームが沈静化してしまった。
また、プロデューサーの津田覚が多忙になったこともあり撮影の続行が難しくなったため、このブーム沈静化に合わせて1982年で一度商品展開は終了している。その後は過去の写真などを再利用する形でグッズなどが作られている。
当時のツッパリブームにうまく乗れたこともあり、レコード以外にもゲーム等、様々なグッズが販売され、例によって海賊版も大量に出回った。
ちなみに又吉&なめんなよとして演奏を担当したのは「又吉バンド」なる正体不明のバンドであったが、のちに音楽番組などでボーカルを担当した藤タカシとバンドが合流する形で「M-BAND」が結成されている。なお、レコードで実際にボーカルを務めたのは、元トランザムの西濱哲男。
免許証
なめ猫グッズの中でも特に有名なのは何と言っても運転免許証、通称なめ猫免許だろう。
1200萬枚もの売り上げを出し、パロディモノを作る者までいた程。
有効期限が「死ぬまで有効」等現実ではありえないものになっていたりした。
当時は交通取締等で免許見せろと言われた時に本物の免許ではなく、なめ猫免許を出す人があまりにも多かったため警察から苦情も出たそうである。
pixivでもこのなめ猫免許を原型とする絵が投稿されており、当然のようになめ猫タグがついている。
セイバー(Fate/staynight)の持つ運転免許証(理想郷を見つけるまで有効)もこれのギャグであろう。
撮影の実情
本物の猫に服を着せて撮影しているのは知っての通りだが、合成写真説や剥製説などが噂され、マスコミや動物愛護団体から虐待疑惑が向けられてしまった。
実際は服に仕掛けがあり、普通に座っている猫に肩の位置を調整した袖さ服を着せ、前脚を上げさせることで二本足で立っているように見せていただけである。横を向くと立っているようには見えなってしまうので、正面姿の画像しか存在しないのもそのため。
猫好きならわかると思うが、ホントに二本足で立たせたらあんなもの(四頭身)ではなく、体が伸びてもっと背が高くなる。
↓こんな感じ
なお、「なめ猫」の最初のモデルとなった猫たちは、プロデューサーが保護した4匹の子猫であり、生後50〜80日の間に撮影を行なっていたという。「現役」を引退した猫はそれぞれ関係者のもとに引き取られていった。
そのなかでも学ラン姿で主役を務めていた「又吉」は、実はメスであり、又吉の産んだ子供たちが二代目、三代目と又吉役を引き継いでいったとのこと。
又吉の恋人役「ミケ子」は1999年放送の「20世紀探検隊」(フジテレビ)にて、当時のスタッフの元に引き取られ元気に過ごしている様子が紹介されている。
プロデューサー・津田覚のサイトにて撮影の様子や衣装の構造などが詳しく解説されている。