概要
かつて存在した振袖の販売・レンタル業者。
2011年創業、2018年倒産。
突然の倒産
2018年の成人の日である1月8日、突如として福岡天神店を除く全店舗が閉鎖された。
これにより成人式に向けてはれのひで振袖の契約を結んでいた人たちが振袖を着ることが出来なくなり、成人式を欠席したり、代わりにスーツで参加することを強いられた。
当然ながら店舗閉鎖にあたり事前の説明は一切なく、警察には被害の相談が殺到、SNSでも大きな話題となった。
福岡天神店のみ、閉鎖の命令を無視してボランティアでスタッフを集め、新成人の送り出しに尽力したが、翌日には閉店となった。
また、同業他社の中には、はれのひの閉鎖によって焼け出された新成人を救うべく別の晴れ着を貸し出すなどの対応を取った企業もあった。
実ははれのひは高ノルマ・高離職率のブラック企業であり、経営も社長である篠崎洋一郎の完全なワンマンであった。
無謀な経営戦略が祟り慢性的な赤字に陥っていたものの、粉飾決算で銀行から融資を受けることで首の皮一枚で繋がっていたという内情があった。
しかし、2016年頃からは従業員の給料すら滞納するようになり、これが離職率に拍車をかけ、末期には社員数10人という有様だった。
この騒動の時点では篠崎は行方不明(友人宅に匿われていたことが後に発覚)となっていたが、同月末に姿を現し、記者会見を開いた。
しかし、言い訳に終始するその姿勢からは反省の色は窺えず、「他人事みたい」と評され世間の批判を過熱させた。
その後、篠崎はアメリカ合衆国へと逃亡し、同年6月に帰国したところを逮捕され、最終的に詐欺罪で実刑判決を言い渡された。
ただし、彼が有罪となった詐欺は「粉飾決算で銀行から融資金を騙し取ったこと」であって、「新成人を混乱に陥れたこと」「新成人達が前払いしていた金をサービスを提供しないのに返さなかったこと」については罪に問われていない。
被害者が支払った代金が返ってくることは無く、タイミングからして篠崎による計画倒産の疑いが極めて強いのだが、本人はこれを認めていない。
成人式という人生の節目を台無しにした事件として、本件が世間に与えた衝撃は大きかった。
また、着物の貸付けを行う企業は、どうしても新成人から先払いで受け取らないと晴れ着の用意が難しいため、はれのひ一社の不始末による業界の信用の喪失が業界全体に悪影響を与えかねなかった。
事件発生時に新成人にボランティアで着物を提供した同業他社は、単なる新成人への同情だけでなく業界の信頼確保も目的だったと言われている。
関連動画
解説動画
関連項目
ザ!世界仰天ニュース:2020年1月7日放送分で、はれのひ事件の再現ドラマを放送した。