概要
『ふたりべや』とは、雪子による漫画作品である。
原型が同人誌にて発表後、作者の短編集『おねだりしてみて』に収録される。
幻冬舎コミックス系列の『月刊コミックバーズ』にて2014年9月号より連載が開始。改称された『月刊バーズ』休刊後もWEB漫画サイト『デンシバーズ』とそれが改称された『comicブースト』で連載を継続。『pixivコミック』でも2018年より同作品が掲載される。
2023年6月30日更新分で最終回を迎える。単行本は全10巻。完結後も番外編が同人誌で発表されている。
単行本1~1巻半分程度で作中での1年が経過する。第5巻から大学生編、第9巻中盤から社会人編が開始。最終第10巻までで作中9年目の終わり頃までが描かれた。
また、単行本第7~10巻ではメロンブックス限定有償特典としてオーディオドラマが制作された。
あらすじ
(※「comicブースト」公式サイト内の文章を引用しています)
高校一年生の川和桜子は、入学を機に下宿をすることに。ルームメイトとの初対面に胸を高鳴らせる桜子の前に現れたのは、超美少女・山吹かすみ。しっかり者の桜子と対照的に、マイペースなかすみに初日から驚かされっぱなし! だが、戸惑いつつも根っからの「お姉ちゃん」気質が発動!? ペアのマグカップを揃えたり、二人でひとつのベッドで寝たり…。大学に入ってもふたりは仲良しは変わらず♡ ちょっと広めになったワンルームで、大学に通い、ひとつのベッドで就寝。ほのぼの女子ふたり暮らしは変わりません♪
登場人物
CVはオーディオドラマのもの。
主要人物
- 川和桜子 (かわわ さくらこ)
CV:桑原由気
主人公。「お姉ちゃん気質」な性格で、優れた記憶力を持ち頭脳明晰。勉強の成績はかなり優秀で入学時は学年主席特待生。
高校入学をきっかけにアパートに下宿することになり、そこでかすみと知り合う。マイペースなかすみに振り回されつつも世話を焼いており、いつしか惹かれるようになる。かすみが絡むと言動や思考が暴走しがち。
家事もそつなくこなし、特に料理の腕前は抜群でかすみの胃袋を掴んでいる。コミュニケーション能力も高く、交友関係は広い。完璧超人に思える一方、幽霊や怪談が大の苦手。
家族は両親と姉(梨子)、双子の弟妹(翔、雛子)。
大学は心理学部を選択し、部活は文芸散歩部に所属。大学の近くに引っ越しつつも、かすみとの同居生活は変わらず。
大学卒業後も引っ越しながらもかすみとの同居生活は変わらず。部署こそ違うものの同じ会社に入社した。
- 山吹かすみ (やまぶき かすみ)
CV:小澤亜李
もう一人の主人公でヒロイン。美人でプロポーションも抜群だが、マイペースでだらけた性格。
かなりの大食いだが太りにくい体質。美味しいという以外に食の拘りはなく、桜子がいないとカップラーメンばかり食べたり、炊飯器の釜で直接お茶漬けを作って食べたりしている。
他人の目があってもずぼらな一面を隠そうともしないため、「残念な美人」と評されることもある。人の名前を覚えるのも苦手だが、高校に入ってからはよく桜子と行動を共にしていることもあり交友関係が広がりつつある。
夏は暑さで伸びており、冬は寒さに震えるところから桜子に「地球で生きるのに向いていない」とまで言われている。
家族は両親のみ。母親はカルチャースクールに勤務しており多忙。父親はカメラマンとして世界中を飛び回っている。
高校卒業後は桜子と同じ大学の生活科学部食物栄養学科に入り、部活も同じ。変わらず桜子と同居し頼ってばかりの生活を続けている。
大学卒業後も桜子との同居生活は変わらず。部署こそ違うものの桜子と同じ会社に入社した。
アパートの住人
- 日向ナツキ (ひなた なつき)
CV:大西沙織
桜子達の住むアパートの大家兼管理人。高校卒業後すぐに就任したため、桜子達とは3学年しか離れていない。
かすみに負けず劣らずずぼらな性格で、雑用はよく弟のミズキに押し付けている。
物語終盤ではネイリストの資格を取るために勉強中。
- 日向ミズキ (ひなた みずき)
CV:加藤渉
ナツキの弟でアパートの寮父。小さい頃から現在に至るまでナツキに振り回され続けているのが元で女性全般が苦手。
- 古屋敷芹 (ふるやしき せり)
CV:本渡楓
作中2年目に桜子とかすみの隣の部屋に入居。箱入りなお嬢様のため世間知らずなところがあり、誰が相手でも自然と敬語になる。
桜子とかすみに憧れを抱いている。当初は同居人である梢子と上手くやっていけるが不安がっていたが、次第に惹かれていく。
高校卒業後は桜子達と同じ大学の生活科学部人間発達心理学科に入学。寮に入ったため梢子とは住居が分かれるものの、変わらず良好な関係を続けている。
大学卒業後は父親が運営するギャラリーのスタッフを務めている。
- 明石梢子 (あかし しょうこ) (※「硝子」と表記されていることも多い)
CV:杉山里穂
作中2年目に桜子とかすみの隣の部屋に入居することで芹のルームメイトになる。陸上部員でさっぱりした男勝りな性格。通称"ショーコ"。
同居人の芹とは心の距離があったものの、いつからか芹を特別な存在だと思うようになる。
高校卒業後は進学せずテレビ局に入社し、ADとして多忙な日々を送っている。大学近くに借りたワンルームで独り暮らししており、芹も週に1,2回通っている。
- 川和雛子 (かわわ ひなこ)
CV:大野柚布子
桜子の2学年下の妹。初登場時は中学二年生。甘えん坊で桜子とかすみを慕っている。高校受験対策で勉強を教えてもらうため週一で桜子のアパートに通う。
作中3年目に桜子達と同じ高校に入学し、同じアパートに入居する。人見知りする性格で友人も少ないが、ルームメイトの藤穂とは当初からすぐに打ち解ける。
高校卒業後は服飾の専門学校に入る。住居は実家に戻った。
専門学校卒業後はアルバイト先のアパレルショップにそのまま就職。その後、藤穂と正式に付き合うことになったが、予算の都合で同棲できていないことが不満の様子。
- 叶藤穂 (かのう ふじほ)
作中3年目、雛子のルームメイトとして初登場。中性的な容姿の美人。なんだかんだ言いつつも雛子のワガママに付き合っている。
高校卒業後は美容系の専門学校へ入学。バンドを結成しライブ活動をしている。
専門学校卒業後はバンドが軌道に乗り出したためライブ活動を本格化させている。ファンからも人気のため、恋人となった雛子から嫉妬されている。
桜子・かすみの友人達
- 品野紫 (しなの ゆかり)
CV:関口理咲
桜子とかすみのクラスメイト。桜子達とは違い、寮で生活している。読書好きな大人しいタイプ。桜子とかすみの関係に憧れを抱いている。
大学も桜子達と同じで部活も同じ。応募した小説が賞を取り書籍化された。大学卒業後は図書館で司書をしている。
- 澤口梓 (さわぐち あずさ)
CV:愛原ありさ
桜子とかすみのクラスメイト。桜子達とは違い、寮で生活している。明るいお調子者で、鈴とは幼馴染。
- 昭元鈴 (あきもと すず)
CV:赤尾ひかる
桜子とかすみのクラスメイト。桜子達とは違い、寮で生活している。梓の暴走を止めるおっとりストッパー。
- 増井小瑠璃 (ますい こるり)
CV:湯浅かえで
作中4年目、大学生編で初登場。かすみと同じ生活科学部。方向音痴で物を捨てられない性格。両親を亡くしており、大学近くの屋敷で祖母・みつ江と2人暮らし。
モカとは受験日に落とした受験票を探すのを手伝ってもらってからの付き合い。モカにはよく振り回されている。
大学入学後モカと一緒に学食にいたところ、たまたま相席した桜子やかすみと知り合い友人になる。
モカから恋人になって欲しいと口説かれ続け、悩んだ末承諾。以後、最終巻の時点まで5年間付き合いを続けている(ただし途中一時的に別れていた期間があるらしい)。
大学卒業後は料理研究家のアシスタントを務めている。
- 根無モカ (ねなし もか)
CV:長縄まりあ
小瑠璃と同じく大学生編で初登場。桜子と同じ心理学部。間延びした話し方をする。かすみと同じく生活力は低い。
小瑠璃をよく「るりこ」と呼ぶ。小瑠璃の家には週5回ほど通っており、小瑠璃の祖母とも親しい。
フリーダムな恋愛観を持ち、小瑠璃と親しくなるまでは男女問わず複数人の相手と関係を持っていた模様。
小瑠璃と知り合ってからは一気に距離を詰め、しばらく交際を申し込み続けた末に受け入れてもらう。
大学卒業後はフリーターをしている。相変わらず小瑠璃の家に入り浸り、体調を崩した小瑠璃の祖母の世話をしてもいる。