曖昧さ回避
「ぼんぼり」には、いくつかの意味がある。
- 行灯のうち、形状を丸くふっくらとさせたもののこと。水平方向に環状に何本ものひごを入れている提灯とは異なり、あくまで行灯の一種であるぼんぼりは、縦方向と最上部・最下部に枠が入っているのみである。
- 髪飾りの一種。糸や布などを丸めて球状に形作ったもの。かんざしやヘアゴムなどに取り入れられている。
- 髪型の一種。ふっくらと丸みを出して結った髪型のこと。
1.のぼんぼり
ぼんぼりは、床などに置いて使う照明器具として発達した行灯の、そのまた発展形である。
したがって持ち運んで使うようには作られていず、たいていは長い脚が付いていて、床や棚などの上に立てて用いるものである。まれに脚が無くて吊り下げて使うタイプのものもある。
歴史上は江戸時代の中期ごろになってから誕生したものらしい。当時は茶室での照明として使用されていたそうである。
現在では、桃の節句に雛人形の内裏雛の両脇に立てて使うものがイメージされやすい。デザインも、桃の節句をイメージした愛らしい絵柄のものが多く見られる。
漢字で書くと「雪洞」。ちなみにこれを音読みすると「せつどう」だが、こちらは文字通り、雪に掘った深い穴を指す。
骨組みに布や紙を張り付けた丸っこい照明器具としてはほかに提灯があるが、上記のように、ぼんぼりと提灯とでは骨組みの構造が異なる。利用方法も、持ち運んで使うことが前提の提灯に対して、ぼんぼりは部屋の中などで飾り物として使うのが前提である。