ゆか蓮メリ
ゆかれんめり
上海アリス幻樂団による東方Projectに登場する八雲紫と、「ZUN's Music Collection」に登場する宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーン(メリー)の三名によるグループ。
紫は東方Projectの世界観の中核部分にも関わる重要なキャラクターであり、 蓮子とメリーは「ZUN's Music Collection」のシリーズの第二弾(「蓮台野夜行」)以降、「秘封倶楽部」の活動によってともに様々な「 不思議 」を追い求める主人公格の人物たちである。
2015年5月現在、紫と蓮子・メリーの両者間で直接の接触が見られた様子は描かれていない。
この三者の関わりは主に二次創作によって様々に想像されるものとなっている。
ただし同現在時点では両者が登場するそれぞれの作品体系がいずれも進行中であるため、三名に関する事柄は今後も変化する可能性をもつものである。
主に東方Project側のキャラクターである紫は、原作では蓮子・メリーの生きる世界とは異なる場所での活動が描かれており、両者の世界は特殊な結界で隔てられている他存在している時間帯も異なることも仄めかされている。
一方で紫は自身の能力である「境界を操る程度の能力」などをはじめ「境界の存在するありとあらゆる事物」に介入する事が出来、稗田阿求の記述によれば、それは時空間をはじめ概念的な事象への介入も可能である様子である。
境目をもつ全てに、その境界を通して干渉できる様子であり、例えば先述の、世界を隔てている特殊な結界群である「博麗大結界」なども越える事が出来るようである。
「博麗大結界」もまた紫によって構成された結界の一つであり、平行して展開されている「常識と非常識の境界」等と合わせて紫たちの主たる世界である幻想郷はその成立に当たって紫が中心的な役割を果たしている。
紫側からの蓮子・メリーの両者に対する接触可能性は設定上においてはその能力を通しても開かれているといえるだろう。
一方の蓮子・メリー側からの異世界への接触としては、主にメリーの力によるものが描かれている。
メリーは「 結界の切れ目 」を見る事が出来、「 別の世界 」に飛び込んでその向こう側を体験している。
「夢違科学世紀」では夢の世界で「 真っ赤なお屋敷 」や「 夜の竹林 」などを体験し、実際にそこで得たというものを「 現 」側に持ち帰っている。
「鳥船遺跡」では蓮子側は「 勿論夢の中で 」はあるが、蓮子とともに地球と月の間のラグランジュポイントの静止軌道上にある「衛星トリフネ」へと至っている。
しかし「夢違科学世紀」ではメリーは夢と「現」の間で「 私 」を見失いかけていることを吐露している他「鳥船遺跡」では「伊弉諾物質」のエピソードへと連なるとある事件が起こるなど、ストーリーを追うごとにその夢と現の関係は単純なものではなくなっている。
そんなメリーの能力について、蓮子は「伊弉諾物質」においてその高まりを感じている。
自身にとっては「 幻像 」であるそれもメリーにとっては「 現実 」であり、蓮子はその様を、寂しさとともにある例えとして表現している。
一方で蓮子がメリーの見ている世界を共に見ようとする様子も描かれ、二人の試行錯誤から蓮子はメリーと同じ「 ビジョン 」をおぼろげながら共有することにも成功している。
蓮子とメリーの二人は、夢と現とを様々に行き来するなかで様々な体験をし、次第にその両者を渡る術や興味などが高まっている様子が描かれているのである。
その他の共有点
「蓮台野夜行」において蓮子はメリーに「博麗神社」にあるという「 入口 」を見に行くことを提案している。博麗神社は幻想郷側では幻想郷を構成する要の一つであり、紫が複数の作品でこの神社の維持または修正のために行動する様子が描かれている。
『東方緋想天』では、紫は博麗神社を「 私の神社 」とも称している。
また幻想郷側の登場人物である阿求は、著作「幻想郷縁起」に資料の一つとして「 数百年前 」に竹林で発見されたというメモらしきものについての記述を付録している。
このメモ書きには「 蓮子 」の名が登場しており、「 天然の筍 」を入手したともある。この一連の記述は「夢違科学世紀」においてメリーが蓮子に語った「 夢」の話と類似する点がある。
様々な楽曲と合わせてそのストーリーが展開される「ZUN's Music Collection」にあって、紫のテーマ曲である「ネクロファンタジア」と「夜が降りてくる」(及び「夜が降りてくる ~ Evening Star」)もまたアレンジが加えられて蓮子とメリーの二人のエピソードに重なって登場する。
「ネクロファンタジア」は「大空魔術」に登場し、そのエピソードでは蓮子とメリーの生きる世界についてのマクロ部分が語られ、世界の人間たちの数的姿と並行して「不老不死」が語られる。そしてそれが手に入るとしたらどうするか、というメリーの質問に、蓮子が応えるものともなっている。
このとき蓮子が語る言葉の中には紫にまつわる語が複数散りばめられており、さらに蓮子を通して「ネクロファンタジア」そのものの解釈の在り方も潜まされるなど、様々な東方Projectの楽曲が用いられる同シリーズにあっても、特に秘封倶楽部側のエピソードと連結した構成となっている。
また同曲については『東方文花帖』(書籍版)収録の「 幻想の音覚 」において「博麗神主」が関連原稿を寄稿しており、こちらでは「 幻想世界 」と「 現実 」の関係性について「 死 」( ネクロ )という語を通して語るものとなっている。
「夜が降りてくる ~ Evening Star」は「夢違科学世紀」に登場し、メリーの視点による「 夢と現 」について語られる。そして同時に「 夢と現 」が区別されていなかったはるかな昔にも視点を寄せ、それらとともに今のメリーにとって「 夢と現 」がどのようなものであるかを語るものとなっている。
このエピソードで語られるメリーの視点もまた同作における「幻想機械 ~ Phantom Factory」や「幽玄の槭樹 ~ Eternal Dream」での蓮子の想いや行動、言葉へと繋がっていくものともなっており、紫のテーマである本曲を通して、メリーを発し蓮子の想いを語るものともなっている。
この他「夢違科学世紀」には楽曲「夢と現の境界」が収録されており、紫は<結界「夢と現の呪」>のスペルカードをもつなど、「夢と現」という語はそれぞれが語る言葉の中だけでなく各々が表現するあるいは表現される部分においても関連しているものとなっている。
「ゆか蓮メリ」の三人については、上記の要素に限らずそのキャラクター性や設定的関係性などが多彩に見出されており、創作アプローチのありかたも様々に展開されている。
作風もシリアスなものやミステリアス、冒険譚やコメディまで幅広い。
「ゆか蓮メリ」に特徴的なものとしては、紫とメリーについて他のキャラクター間にはない特殊な関係性に言及するものである「紫=メリー説」の主たる関係者全員が含まれ、あるいは「ゆか蓮メリ」がその主たる関係者たちのみによって構成されるメンバー関係の一つでもあることから、「ゆか蓮メリ」のストーリーにおいても「紫=メリー説」またはそれを物語の要素に含む構成が展開される事もある。
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