概要
宮城県仙台市に本社を置く生活雑貨、家電メーカー。流通・小売業も手掛ける。
生活用品分野では日用品やインテリア用品をはじめ、調理器具、園芸用品、ペット用品、事務用品など、自社製造商品を手広く取り扱う。建築・農業用資材など事業者向け資材分野も手掛けている。
家電分野では、照明と生活家電を中心に手掛け、2010年代に新興家電メーカーとして急激に台頭した。
沿革
ルーツは大阪府東大阪市で大山森佑が創業した個人経営の町工場『大山ブロー工業』である。1964年に森佑の急逝に伴い息子の大山健太郎が19歳で引き継いで、下請けの町工場から中堅メーカーにまで発展させ、1971年に法人化した。
1972年、宮城県に仙台工場(現:大河原工場)を新設するが、1973年にオイルショックのあおりで経営難に陥り、1978年に大阪の工場を閉鎖。1989年に本社を政令指定都市移行間もない仙台市へ本社を移転し、1991年に現社名へ改称する。
1980年代には園芸・ペット用品を中心に多くのヒット商品を出し、問屋を介さずホームセンターに直接卸販売するビジネスモデルを確立した。1989年には、大山健太郎の「透明な衣装ケースがあったら中が見えて便利」という気づきから開発された家庭用プラスチック製透明収納ケースが大ヒットした。
1992年に米国カリフォルニア州に拠点を設け北米に進出、1997年に中国・大連に拠点を設けアジア圏に進出。現在はヨーロッパや東南アジアにも進出している。また、2001年のチトセ(現アイリスチトセ)買収以降、日本国内の赤字企業・部門の買収(M&A)を積極的に展開しており、子会社を通じてオフィス用品、ゴルフ練習用品、使い捨てカイロ、農業関連資材、食品などの製造販売も手掛ける。
小売分野では、2001年にはネット通販サイトを開設。アンテナショップ「アイリスプラザ」を運営するほか、2016年まで家具店「SimpleStyle」を展開していた。2008年に仙台の地場ホームセンター「ダイシン」を子会社化。2014年には首都圏のホームセンター「ユニディ」の運営企業もグループ会社化している。
2009年、照明事業に進出、翌年にはLED電球を1980円にまで値下げしLED市場を大幅に拡大させた。2012年には生活家電事業に進出し、「他社の2倍」と言われるスピード開発でラインアップを揃え、一気に大手家電メーカーの一角にのし上がった。新商品開発のため2013年には大阪R&Dセンター、2018年に東京本部を開設し、各拠点で東芝、シャープ、パナソニック、三洋電機などをリストラされた技術者を多数雇い入れている。2019年にはテレビを皮切りにAV分野にも進出している。
国内に9つの製造拠点があり、各拠点でプラスチック製品、家具、家電、金属製品など多種類の製品を製造し、併設の倉庫から直接小売店に配送する(デパートメントファクトリー)。これは流通コストを抑えるためで、人手不足対策のため、ロボットによる自動化にも力を入れている。こんな会社であるが、意外にも会社法上は中小企業である(資本金1億円)。
地域貢献活動
2004年よりベガルタ仙台のメインスポンサー、2009年からは東北楽天ゴールデンイーグルスのスポンサーになっているほか、仙台フィルハーモニー管弦楽団も支援している。