概要
地母神キュベレーの息子であり、夫である神。またキュベレーを乗せた戦車の御者も務める。
両性具有の神アグディスティスの切り取られた男根が落ちた場所から生えたアーモンドの木の実が、通りかかった娘ナナの手に取られ、胸に押し当てられると、ナナは身ごもった。
ナナはやがて男の子を産む。彼がアッティスである。しかし生後丘の上に放棄されてしまう。男児は雄山羊に拾われ育てられた。
そんなアッティスにキュベレー(アグディスティス)は一目惚れするが、里親は人間の王女に娶わせようとする。
妬みに駆られ乱心したキュベレーは神としての力で、彼を酩酊させ去勢させてしまう。それを見ていた王女の父親もおもむろに自身も去勢した。
キュベレーは後悔し、アッティスを不老不死にした。父王は去勢を行うキュベレー信者「コリュバンテス」の先駆とされた。
信仰
母キュベレー同様、その信仰はフリギア地方(現在のトルコ中西部に相当)からローマに伝来した。
同じくフリギア系の神であるミトラスと異なり、上記のようにギリシャ神話に神話エピソードを持つ神格となっている。
備考
アッティスの二人目の母と言えるナナに性交渉があったかどうかは不明であるが、もし仮に処女であった場合、男性との性交を介さずに子供を身ごもっている事になるため処女懐胎であると言える。
アッティスは去勢の際に死んだともされ、神話でキュベレーが不滅性を与えるシーンは「復活」のシーンでもある。
このことから、イエス・キリストは実は異教神話から作られた架空の人物であるとする「キリスト神話説」でも引き合いに出される事がある。