小説の概要
『銀河英雄伝説』に登場する自由惑星同盟軍に属する12個ある制式艦隊の司令官 (イゼルローン要塞攻略戦前にヤン・ウェンリー少将が率いる艦隊として第4・6各艦隊の残存艦隊に新兵を加えて第13艦隊が創設され、帝国軍がフェザーン回廊を通過して際にはカールセン、ライオネル・モートン両少将が中将に昇進、第14・15両艦隊が創設された)のひとりで階級は中将、第8艦隊を率いる。
同盟軍宇宙艦隊司令長官・ロボス元帥の幕僚・アンドリュー・フォーク准将が立案した「銀河帝国解放作戦(といえば聞こえはいいが、要は侵略戦争であり、政治家の人気取りに利用された感が強い)」に第3・5・7・9・10・12・13各艦隊とともに第8艦隊を率いて参加、しかし、帝国軍宇宙艦隊を率いるラインハルト・フォン・ローエングラム元帥は同盟軍をおびき寄せる「焦土作戦」を実行。
この作戦にはまった同盟軍は補給が滞ることとなり、第10艦隊司令・ウランフ中将、第13艦隊司令、ヤン・ウェンリー中将は第5艦隊司令・アレクサンドル・ビュコック中将を通じて作戦の中止と撤退を軍上層部に上申するが、同盟軍宇宙艦隊司令長官・ロボス元帥は著しく精彩を欠いたうえ、その代理人ともいえる存在となったフォーク准将は「作戦の続行と物資の現地調達(=略奪)」を指示、「帝国の圧政からの解放」という大義名分は 失われることとなった。
この機を待っていた帝国元帥・ラインハルト・フォン・ローエングラムは配下の艦隊を動かし、同盟軍に襲いかかり、第10艦隊司令・ウランフ中将は麾下の艦隊を逃したのちに戦死、第12艦隊司令・ボロディン中将は艦が数隻にうち減らされたのちに自殺、他の艦隊も追撃を受けて大損害を被ることとなった。
兵力分散の愚にようやく気づいた同盟軍は残存艦隊をアムリッツアに集結させ最後の反攻をこころみるが、士気の下がった同盟軍はもはや帝国軍の敵ではなく、ヤン・ウェンリー率いる第13艦隊と共同戦線を張っていた第8艦隊も帝国軍・ビッテンフェルト中将率いる艦隊に敗れ、またたく間に艦を減らすことになり同盟軍は大敗、3000万もの将兵を出征させたが、2000万もの死者・行方不明を出すこととなり、同盟軍の帝国軍に対する劣勢は避けがたいものとなった。
アニメでは
だいたいにおいて上記のとおりにストーリーが進むが、アニメでは小説で戦没が明らかになっているウランフ、ボロディンのほかに、各艦隊を率いる司令官も戦死しており(第7艦隊司令・ホーウッド中将は降伏しているが‥)、エルネスト・メックリンガー中将の追撃を振り切り辛うじて艦隊の7割をアムリッツアに集結させることに成功したアップルトンも乗艦とともに運命を共にし、同盟軍凋落の悲惨さが際立つことになった。