概要
車名のアンフィニMS-8は、同車が販売される販売店ブランドアンフィニの名称に、英語で「大いなる思い」を意味するMegalo Spiritsの頭文字と車格を示す8とを組み合わせできた造語で、「無限大に広がる喜びを提供するサルーン」の意味合いが込められている。
歴史
1992年3月 マツダ・ペルソナの後継車として、当時の新販売チャネル「アンフィニ」ブランドにて発売される。
ペルソナのコンセプトである「インテリアイズム」を継承し、インストゥルメントパネルがとてもユニークで、現在はミニバンによく見られるインパネシフト(ジグザグ型のゲートを持つATセレクター)を採用していた。よってフロントシートは左右ウォークスルー可能なベンチシート(フロントは2人乗り)を採用。前席用シートベルトはペルソナと同様、テンショナー本体がリアドアに内蔵され、前席ヘッドレスト横のガイドアンカーを経由してバックルに固定される変則的な方式だった。
1992年10月には、サンルーフに装備した太陽電池を用いてファンを動かし、室内換気を行う装備(ソーラーベンチレーションシステム)が追加された。
1993年1月 2.0Lに装備品の見直しで値下げをした2.0タイプG-Sを追加。
1993年7月 タイプRは装備品の見直しでタイプR-Jとなる。2.5タイプGリミテッドは廃止。
1994年6月 マイナーチェンジ。フロントグリル・アルミホイールのデザインが変更される。グレードが「グランデール・グランデールG」(2L・2.5L)と「ツーリング・ツーリングS」(2.5L)のみに。
1995年12月 全車に運転席エアバッグが標準装備。グレード体系の見直しでグランデール系のみへ。
1997年12月 カペラのフルモデルチェンジによる車種整理のため、生産終了。失敗作のクロノスファミリーの中では最後まで生産された車種でもあった。
駄作ながらも最後まで生き残れた理由
失敗作だったクロノスファミリーで、なぜ5年間も生き残れたのか…?
それはルーチェやセンティア系の下部レンジのフォローにして、エンジンの絡みからペルソナ&ユーノス300の後継から一気にマークⅡ系やローレル系に対等に対抗できるハイオーナーカー・クラスに格上げされたため他の兄弟がカペラの影に怯えて自滅していく中で独自の存在意義を強めたからだった。
それだけにマツダの「焦りすぎ」の戦略ミスが強すぎた上に、逆に失敗がすき間を埋める存在になった事が延命の幸運だったと言える。
正に、「あだ花的な白鳥の歌」な稀代な名車と言えよう…。