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古代~ローマ時代編集

南北に長いイタリア半島では、古代には半島の北部にケルト人が居住し、南部には対岸からギリシア系の植民が相次いだ。南部は特に「マグナ・グラエキア」(大ギリシア)と呼ばれるほどの繁栄を謳歌する。その中間にあったのがエトルリア人、そしてローマを含むラテン人であった。

伝承では紀元前8世紀にローマが建国され、前3世紀にかけて半島全土を統一する。この国はシチリアを皮切りに半島外の地中海沿岸地域へと進出し、やがてローマ帝国へと発展した。

ライン川・ドナウ川以南のヨーロッパおよび地中海沿岸全域を支配する帝国の中心地としてローマは発展するが、その後4世紀末の東西分裂と5世紀から始まる民族大移動の影響を受けて国土は荒廃する。そして5世紀、ローマは掠奪により荒廃しきり、イタリアは北部のゲルマン系の王国、南部の東ローマ支配下地域へとおおざっぱには分裂。ローマは教皇座があるだけの小都市となり果てた。


中世前期編集

しかし地中海交易に出やすい位置と、元々ヨーロッパの中では豊かな農地を受けて徐々に回復していく。イタリア北部を支配したランゴバルド王国カール大帝により滅ぼされて、一時フランク王国の一部に組み入れられた北部地域は、しかし、9世紀には王国3分割に伴いイタリア王国となり、さらにイタリア王国も早くに断絶したことで神聖ローマ帝国(ドイツ)の一部とされるようになった。


ただし、教皇座に近くまた神聖ローマ帝国の本拠であるドイツとはアルプス山脈によって隔てられたこの地の統制は難儀であった。12世紀までには北部平原やトスカーナに割拠する自治都市群、中部を占める教皇領、南部を統一するナポリ・シチリア王国(両シチリア王国)に分かれた。南部シチリアの国王にして神聖ローマ皇帝となった13世紀序盤の皇帝フリードリヒ2世は、長年神聖ローマの国家的政策であったこのイタリア統制・支配政策(イタリア政策)を推し進めるが、それでも失敗に終わる。さらに直後の皇帝家断絶に伴い神聖ローマ帝国自体が大混乱(大空位時代)に陥り、ここにイタリアの自治都市分立状態が確立した。


中世後期~近世編集

海上交易に乗り出す共和国(ヴェネツィア、ジェノヴァ、ピサ、アマルフィ)、商工業で栄える諸都市(フィレンツェ、ミラノ、シエナ、パドヴァ)、比較的大きな国の首都(ナポリ、パレルモ)、教皇座ローマなど多種多様な都市は、14世紀のペスト直撃などを経てもさらに富を蓄積し、もとに16世紀にかけて様々な産業・文化・学芸が開花した。この時代をルネサンス期と呼び、この時代に今日のイタリア主要都市の外貌が整った。この時期はトスカーナ語が標準イタリア語と定められ、「イタリア人」としての意識が生まれ始めた時代でもある。

だが小国群故に諸国からの介入には弱く、フランス、神聖ローマ・スペインなど周辺諸国が次々とイタリアに侵入する(イタリア戦争)。特に16世紀のカール5世侵入に伴う「ローマ掠奪」はルネサンス期終焉の画期とされるほどに大打撃を与えた。加えて地中海貿易も、新大陸航路の発見などによりその重要度を相対的に減らし、イタリアの地位は相対的に下がっていく。かくして、18世紀までに北部の多くの地域がハプスブルク家の支配下に入り、南部のナポリ王国はスペインの王室が国王に入る形となる。

とはいえ、経済力や活気が全く失われたわけではなく、ナポリはこの時代の欧州有数の都市として知られるし、ローマはバロック期に教皇の肝いりで都市整備が進み、また北部ではミラノやサルデーニャ王国首都トリノが徐々に成長しつつあった。


近代~現代編集

ナポレオン戦争に伴い、イタリア半島は次々に占領され、長く独立を保ったヴェネツィアもついに共和国としては滅亡する。1805年3月にナポレオン・ボナパルトを元首とするフランスの衛星国として、イタリア共和国からイタリア王国が北部に建てられる。ウィーン会議によってオーストリア帝国の影響下で旧体制が復活した。しかし、ナショナリズムが高揚して北部のサヴォイア公国(後のサルデーニャ王国)が中心となる形で、1861年3月にイタリア半島のほぼ全域が統合された。この過程でナポレオン3世との密約が締結され、サヴォイアとニースがフランスに割譲された。


統一後に北部は工業・商業が発展するものの、南部は農村地帯が大半のままで近代化に取り残された。第一次世界大戦後はムッソリーニ率いるファシスト政権が台頭し、1939年9月の第二次世界大戦勃発後は枢軸国側として参戦したが、準備不足がたたってナチス・ドイツの軍事的支援に頼るようになる。1943年7月にベニート・ムッソリーニが失脚し、それに伴って一転して連合国側に転じてドイツと交戦する。

1946年6月に王室は追放され、現代のイタリア共和国が成立した。戦後は後に「奇跡的復興」と呼ばれる高度経済成長が実現したが、政治家の汚職・マフィアの台頭による政情不安が続いてテロ事件が多発した。

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