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本名ティトゥス・フラウィウス・ウェスパシアヌス
スペルTITVS FLAVIVS VESPASIANVS
誕生9年11月17日 ファラクリヌム(イタリア本土)
皇帝名IMPERTOR CAESAR TITVS FLAVIVS VESPASIANVS AVGVSTVS
スペルインペラトール・カエサル・ティトゥス・フラウィウス・ウェスパシアヌス・アウグストゥス
統治期間69年7月1日 – 79年6月23日(10年)
崩御79年6月23日 自然死


第9代のローマ皇帝。ヴェスパシアヌスとも表記される。ユリウス・クラウディウス朝断絶後の内乱(68年6月 - 69年12月)においてシリア、エジプト、ユダヤ各軍団の支持を背景(兵員党民会.下院)に最終的な勝利者となった。そして元老院(上院)の承認のもとに、ローマ皇帝に即位した。


ウェスパシアヌスは、ユリウス・クラウディウス朝の皇帝たちと同様の権限を自身に付与する法律を制定した。それ以前は個人の特殊な地位であったローマ皇帝位を法的に定義付けたことで、以降のローマ帝政の基礎を改めて築いたといえる。


ウェスパシアヌスはネロ以降の皇帝たちが破壊した政治を見事に修正した。その財政再建策で特に有名なのは「糞尿税」である(尿から採れるアンモニアは当時、羊毛等の洗剤として重用された。ここから公衆便所で採った尿が高値で売れることに目を付け、その売買に税金をかけたのであった。あまりのセコさに多くの人から失笑されたが、ウェスパシアヌスは尿から採った税金を鼻にかざし「金は臭わない!」と言ってのけたという)

ウェスパシアヌスはまた、現在でもローマ市の著名な観光名所であるコロッセオコロシアム)の建造に着手したことでも有名である。コロッセオは息子ティトゥスの代に一応の完成を見、もう1人の息子ドミティアヌスの代に最終的な完成を迎えるというフラウィウス朝を代表する事業となった。


ウェスパシアヌスはユリウス・クラウディウス朝の皇帝たちとは異なり、気さくな人柄で知られていたという。そうした人柄は、死に際して「可哀そうなオレ、もうすぐ神になろうとしている」と語ったというエピソードにも表れているだろう。その言葉通りウェスパシアヌスは死後、息子で帝位を継承したティトゥスによって神格化されている。



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