「静かなること水の如く……」
「だが!」
「水は時として濁流となってすべてを飲みこむ!」
「出でよ!ウォーター・ドラゴーーーン!」
概要
遊戯王GXの登場人物、三沢大地が初期の切り札として使用していた海竜族の特殊召喚モンスター。
カードテキスト
星8/水属性/海竜族/攻2800/守2600
このカードは通常召喚できない。
「ボンディング-H2O」の効果でのみ特殊召喚できる。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
フィールドの炎属性モンスター及び炎族モンスターの攻撃力は0になる。
(2):このカードが破壊され墓地へ送られた時、
自分の墓地の「ハイドロゲドン」2体と「オキシゲドン」1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
解説
ハイドロゲドン(水素)2体とオキシゲドン(酸素)1体をボンディングすることで生み出される。赤い目に竜を模った「水流」のような姿をしている。むしろ水族ではないかとも思いたくなるが、海竜族に属している。
ちなみに特殊召喚の条件はこのカード自身によって指定されているが、現在では「ボンディング-D2O」でも特殊召喚できる。また、ウォーター・ドラゴン-クラスターの効果を使えばこのカードの召喚条件を無視して特殊召喚することも可能。
「水」そのものであるため、炎族及び炎属性には絶対的に強い。このモンスターが存在するだけで、全ての炎族と炎属性のモンスターは攻撃力が0になってしまう。守備力はそのままであり、効果までも無効化する事はできないが、それでも攻撃面が優秀であるモンスターが多い炎族や炎属性モンスターにとってはこれ以上に厄介なカードはそうそう存在せずこれらのモンスターがいなくても溶岩魔神ラヴァ・ゴーレムや怒炎壊獣ドゴランを相手のフィールドに特殊召喚するコンボを狙うと良い(後者は素材となるモンスターと共に恐竜族である)。
ただし自軍のモンスターにまで影響が及ぶため、デッキの構成には注意が必要。また、DNA改造手術やDNA移植手術などによって炎族・炎属性が選択された場合、このカード自身も攻撃力が0になってしまうため、有用なコンボになるとは言えない。また、使うデュエリストは非常に少ないが幻惑の巻物を使われると、自身の効果を逆手に取られてあっさり突破される。
破壊されるとボンディングされていたハイドロゲドンとオキシゲドンがフィールドに戻ってくるので、ある程度戦線の維持も可能。さすがは「水」である。なお、フィールド上以外でも「破壊」されさえすればこの効果は発揮できるので覚えておこう。
……それは化学的に見ると「破壊」というより「分解」ではないだろうか?というツッコミは無しの方向で。
以上のように強力なカードであることは間違いないが、召喚条件がかなり厳しいという大きな問題がある。ある程度の水属性や恐竜族のサーチ手段が存在するとは言え、フィールド上にモンスターを3体も並べ、さらにそれらを別のカードの効果でリリースしなければならないというのはなかなか大変である。自慢の効果もこれほどの手間を要してまで発動すべきか、と問われるとちょっと厳しい。相手によっては何の抑止力にもならず、ただ自分のカードを無駄に消費しただけで終わってしまう可能性もあり得るからだ。デッキに投入するかは真剣に吟味すべきだろう。
一応、後半のハイドロゲドンなどをフィールドに立たせる効果は、炎王などの効果で、ある程度自発的に行う手段がふえているほか、呼び出したモンスターでエクシーズやリンク召喚につなげられるロマン要素があるため、そういったファンデッキに関心のあるプレイヤーに時折使われている。
余談
遊戯王GXの1stOPでは三沢がこのモンスターと共に容姿がよく似た炎の竜を召喚する姿が映し出されていたことがあったが、結局この炎の竜は劇中では登場する事さえ無く、現在に至ってもOCG化されていない。一応、当時の公式HPによれば「ハルマゲドン」なる名前があったらしい。