エアシップQ
えあしっぷきゅー
自分たちの小さなQUESTIONから生まれたその船を
私たち姉弟はこう名づけた
ディライトワークスの開発スタジオミラクルポジティブスタジオとCygames開発によるサンドボックス・アクションPRG。
ゲームは2Dドットによるグラフィックで、ストーリーとその展開を有する。
2015年11月19日にPlayStation Vita(以下PSVita)を対応ハードとして発売。同形態では同時にPS Vita TVにも対応している。
販売形式はパッケージ版とダウンロード版(PlayStation Store)の二形態。PlayStation4での発売も予定(未定)されている。
CEROによるレーディングはいずれも「A」(全年齢対象)。
多言語対応したsteam版もある。
サンドボックスゲームは「Minecraft」(マインクラフト)を代表に海外開発の作品が有名であるが、本作は日本で開発されたゲームである。
本作はサンドボックス・アクションゲームとしては「日本発」と「日本初」の双方の要素で語られており、Webページとしては、「日本発」のライティングはPlaystation公式サイト「エアシップQ」紹介ページ、「日本初」のライティングは「エアシップQ」公式サイト作品紹介ページ(「どんなゲーム?」ページ)にみられる(2015年11月23日現在)。
タイアップとしてSonyMusic所属するjewel(当時のJ☆DeeZ=ジェイディーズ)がにゃごにゃごじゃんけんをタイアップソングとして採起用された。
12歳の頃、私はその本で「科学」という言葉をはじめて知った。
「科学」的な考え方によれば、森も、街も、世界のすべては
「見えないルール」に従ってできているらしい。
じゃあ私たちの頭上のラピュータは、
どうやって空に浮かんでいるのだろう?
ラガードの大人たちは誰も何とも思わないようだったけれど、
私と弟のレミュエルだけは、
そのことを少しだけギモンに思ってしまった。
主人公は「お姉ちゃん」と呼ばれる少女とその弟の「レミュエル」。
二人は世界と天空の島々であるラピュータに疑問を持ち、骨董市で偶然手にしたラピュータを生み出した科学者「スウィフト」の遺した書物を年月をかけて少しずつ解読していった。
そして5年後、その書物にあった空を飛ぶ船「翔船」を完成させる。
姉弟はついに完成した「 小さなQUESTION 」から誕生した「エアシップQ」に乗り、大空とラピュータに向けて数々の「 ギモン 」の答えを探しにいくのである。
本作では二種類のゲームモードがある。一つは姉弟とラピュータにまつわる物語が展開される「ストーリーモード」で、もう一つが特定の「クエスト」を攻略する「クエストモード」である。
両者はそれぞれ独立しているが、クエストモードのクリア報酬はストーリーモードに反映される。
いずれもサンドボックスゲーム・アクションゲームの両要素がある。
ストーリーモード
ストーリーモードは、姉が見知らぬ場所で目を覚ますところから始まる。
「翔船」を完成させた姉弟であったが、いざラピュータへと足を踏み入れたところで二人は「魔女」の手におちてしまう。
姉が目を覚ますとそこは見た事もない場所で、レミュエルともはぐれてしまった様子。
さらには自身の姿も「魔女」によって猫に変えられてしまっていた。
困惑する彼女に、何処からともなくレミュエルの声が聞こえてくる。声は姉のいる場所がラピュータの島の一つである事を教え、そしてレミュエルが魔女の元に居ることを告げる。
助けを求める弟の声に、姉は行動を開始する。
「翔船」を取り戻して島から脱出し、元凶である「魔女」の元へと急ぐのだ。
時折聞こえるレミュエルのアドバイスとともに、クラフトやアクションも駆使しながら浮遊群島ラピュータの島々を巡って魔女の居場所を探す旅が始まる。
本ゲームはアクションゲームとしての性質とサンドボックスタイプのゲームの双方の性質を備えている。
サンドボックスに見るクラフティング要素としては、本作の特徴として翔船「エアシップQ」をブロックやクラフティングアイテム等を使用してカスタマイズできる点がある。
「エアシップQ」は基本的な船底部分(「うかぶふないた」)以外は全て構築が自由であり、本ゲームの物理法則に基づく構築制限(例えば他ブロックとの結合や支えの無いブロックは状況ごとの一定時間の後に崩れる)などはあるものの高いフレキシビリティを持つ。
特定のアイテムによって、船の移動速度の向上や武装化も可能である。
「エアシップQ」はラピュータの島々を巡る足でもあるため、プレイヤーごとに思い思いのカスタマイズによる「エアシップQ」を大空に飛ばす事が出来るのである。
またプレイヤーの「エアシップQ」以外にも空を飛ぶ敵の船や要塞、あるいはモンスターなどもあり、船同士の空中戦に出会う事もある。
「エアシップQ」以外ではラピュータの島々もそのブロックを組み替えることが可能で、各島についてもカスタマイズすることができる。広い土地での樹木や素材の育成等に活用できることだろう。
島々の多様なブロックを活用してクラフティング資源にしたりアクションの際に利用したりしていくのである。また水の生成など島に固定された要素もあり、さらに島々によってその個性も異なることから、各島の要素に合わせた活動が可能である。
ただし本作ではその舞台が浮遊群島という「空の上」であることもあって、アイテム・ブロックなどの場合は最下部まで落ちると消失するためその点には注意が必要である。落下したのがプレイヤーキャラクターの場合はミスとなり、直前に稼働していた船まで戻される。
アクションとしては先述のような島々を巡るアクションをはじめ本作に登場する様々な敵キャラクターとの戦いなどがある。ジャンプやしゃがみを駆使しつつクラフティングした武器で数々の難所をくぐりぬけていくこととなるのである。
各島の陸上部分やその内部で敵と遭遇する事もあれば時には先述のように空中戦となる事もあり、プレイヤー自身のアクションに加えて「エアシップQ」に乗船しながらのアクションも展開される。
主に海外開発によるゲームが主流のサンドボックスゲームにあって、「エアシップQ」は「国産サンドボックスゲーム」として開発が進められた。
クラウドファンディングの該当ページによれば、開発の始まりには「Minecraft」("Notch"、Mojang AB開発。マインクラフト)や「Terraria」(Re-Logic開発。テラリア)等への衝撃があり、これが自らの手でサンドボックスゲームを生み出そうとした動機につながったと語られている。
開発に際しては「Makuake」を通したクラウドファンディングを展開、目標金額の253%にあたる開発資金支援を得た。
デモムービーの持ち込みに始まるソニー・コンピュータエンタテイメント(Sony)との縁を通してはPSVitaをハードとした作品発売の企画に結びつき、先のクラウドファンディングにおける支援者向けに展開されたWindowsOSによるα版・β版でのユーザーからのフィードバックも下地に晴れてVita版での発表へと至るのである。
また本ゲームやそれに至る開発過程において、東京ゲームショウ2014では「4Gamerアワード」インディーズ部門で優秀賞、同2015「DualShockers」ではベストプラットフォーマー章を受賞している。
主人公とその弟がネコになると言うのはおそらく開発スタジオのミラクルポジティブの猫を題材としたゲームタイトル(現在はストア配信は終了)から来ていると思われる。
雨が降り、水が流れ、植物が成長し、土壌が風化する。
すべてのものが速く変化していく世界で、キャラクターが速いペースで走り、跳び、船を駆り、掘り、建て、戦い、死ぬ。
そうして生み出されるキャラクターのすべての行動が、ただひとつの、予想もできない世界を作り上げていく。
(Makuake、PlayStation®Vitaゲーム開発プロジェクト「Airship Q」ページ)