カイバ
かいば
映画『マインド・ゲーム』、アニメ『ケモノヅメ』などの作品を手がけた湯浅政明テレビアニメシリーズ第二弾『カイバ』は、2008年4月10日から7月24日までWOWOWで放送されたマッドハウス制作のテレビアニメである。第12回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞。
題名の「カイバ」は脳の記憶に関わる器官「海馬」のことである。
前作とは打って変わり手塚治虫の画風に近いキャラクターデザインで、絵本のような世界観を作り上げている。一方で構成やストーリーなどには共通点も多い。
記憶のデータ化ができるようになり、肉体の死がもはや死と呼べなくなった世界。
記憶はデータバンクに保存され、新しい身体への「乗り換え」や、記憶の売買といったことが可能になり、違法に記憶を改ざん、記憶を盗むことも行われていた。社会は混沌とし、力を失い停滞化していた。
そんな世界を主人公カイバは記憶を失ったまま宇宙の星々をめぐり、たくさんの人々と出会い、記憶を取り戻してゆく。
声:桑島法子
主人公。破壊された部屋で記憶を失ったまま目覚める。首にかけてあったロケットを開くとそこには記憶にない女――ネイロの姿があった。
突然記憶を狩る兵器「スコンク」に襲われそうになったところを謎の鳥に助けられる。
その後ポポの助言によりパームにボディを売られ、密航という形で簡易型ボディの「カバ」に乗り移り宇宙に旅立った。後に惑星トトで出会った少女クロニコのボディに乗り移り、バニラと旅をする事になる。そして惑星を渡っていく度にネイロとの記憶と自分の記憶を取り戻していき、苦悩していく。
声:能登麻美子
ヒロイン。反社会組織「一想団」のメンバー。記憶を失ったカイバと愛し合うこととなる。団のリーダーであるダダを尊敬している。
実は記憶喪失になる以前のカイバとも出会っているが、その時の記憶はある人物によって改竄されている。
声:朴璐美
「一想団」の幹部。天に君臨する記憶の王「ワープ」を討つために活動している。実はカイバが記憶を失った事故と関連している。
声:藤村歩
「一想団」のメンバー。ネイロとポポの幼馴染。突然変わってしまったネイロとポポを心配している。
声:江川央生
宇宙船保安官。地位を利用して影で悪事をしている。
惑星トトに逃げたカイバを追っていたが、クロニコ(のボディに乗り込んだカイバ)に一目惚れしてしまい、カイバを宇宙船に乗せて旅をすることになる。
実は彼の体はボディではなく、生身の体のままである。後に記憶タンク爆破事件の犯人と行動を共にしていたクロニコ(カイバ)を匿っている事を保安局に知られて追われることになってしまい、その途中でクロニコ(カイバ)を守って負傷する。そしてクロニコ(カイバ)を逃がそうと彼女(彼)の記憶をある場所へ転送し、最後は乗っていた船で追っ手の船に特攻をかけ、命を落とした。
声:斎藤千和
惑星トトでカイバが出会った心優しい少女。ピンクの長靴がトレードマーク。幼い頃に母を亡くしている。
家計を助けるために記憶を抜いた叔母とその子供たちのために記憶を抜き、ボディを売るが、記憶も体も捨てられてしまう。
捨てられたボディにカイバが乗り込み、バニラと共に旅をすることとなる。
声:水田わさび
カイバと一緒に旅をする簡易型ボディ。「ひょー」としか鳴かない。頭の部分にプロペラのようなものがついていて空を飛ぶことが可能。
声:岩永哲哉
人の記憶を売り買いするジャンカー。ポポに協力しているが「一想団」のメンバーではない。
声:甲斐田裕子
「一想団」のメンバー。キチの姉。顔の下半分までたくし上げた長い襟が特徴。
一人称を「俺」とするなど、女性らしさを排除した物言いをする。ポポの腹心。
人形体に内臓を詰め込んだ簡素な身体のため、激しい運動が出来ない。
声:玄田哲章
「一想団」のリーダー。相手の動きを封じたり、記憶を消す不思議な力をもっている。
だが、その力の実体は……。