ガルタイガー
がるたいがー
ガイロス帝国が第一次大陸間戦争時に運用していた虎型ゾイド。
背部に超小型化された荷電粒子砲を備え、強力な破壊力を発揮する。
装甲も強化されており、パワーも大きく、肉弾戦も得意としている。
前線での敵の情報を集め、さまざまな作戦を単独で行うことができる。
また、オプションパーツとして「ジャイロクラフター」が存在し、背部に装備する事でホバリングが可能に成り、運動性も向上する。
グランドカタストロフ後、マグネッサー技術を用いていないジャイロクラフターを装備可能な事から磁気嵐の中でも飛行可能である事が判明した為、数少ない空戦対応ゾイドとして重宝された。
ガイロス帝国(暗黒軍)登場からしばらくしてゾイドのデザインが大幅に変わってしまい、それまでのファンは遠ざかってしまったという。
そして、何故かその責任を取らされてしまっているのがこのガルタイガーである。
オフィシャルのフリートークでも散々言われていた。
「これのどこがゾイドだ?」という手厳しい意見が聞かれる最大の理由は、デッドボーダー等の初期の暗黒軍ゾイドから打って変わった、とにかく派手すぎるそのカラーリングであろう。
過去のゾイドは兵器としての位置づけが確立されており、目立つ色を避けながら特徴的な色を選んでいたが、このガルタイガーではモチーフに近づける努力の結果からであろうが、とにかくゾイド的には変に派手な色使いである(しかしながら、1999年に再スタートした新ゾイドシリーズにもこういった派手なカラーリングを持つゾイドは徐々に見受けられるようになっていく)。
もう一つの問題は、ゴムキャップの使用箇所であろう。
使用キャップ数はたったの4つしか無く、四肢を駆動させる軸を止める為に使われているだけなのである。
また、その使用方法も唐突に穴が開いている箇所にゴムキャップが差し込まれているという別にその足を止めるのにゴムキャップを使用しなくても良いのでは?と言いたくなるような箇所に使われているのである。
ゴムキャップの使用は、接着剤を使わずに組み立てる事ができるゾイドの特徴ではあるが、この使用方法では単に接着剤を使わないで済むようにするためだけの使い方にしかなっていない。
従来のゾイドでは各関節にゴムキャップが使われ、その使用箇所のまわりには軸を表現するような細かなデザインがされていて、材質は違ってもゴムキャップはプラスチック部品と一体となっていた。
また、そうではなかったとしても、ゴムキャップ自体もプラスチック部品と同等の外部露出部品としての扱いがなされていた。
このガルタイガー以降のゾイドには、ゴムキャップを使用しなくても良さそうな、一見すれば単なるスナップキットにしか見えないモノが含まれるようになってくる。
ゴムキャップの使用箇所とデザインとの融合性をもう少し考えてくれれば、ガルタイガー以降のゾイドにももう少し違った結果が待っていたかも知れない。
虎型ゾイドの筆頭にサーベルタイガーを持ってくることに反対意見を言う者はいないだろう。
ガルタイガーの場合、サーベルタイガーとは違い足は一体成形部品にカラーアクセントとしての別の部品を外から取り付けてあるだけで、駆動やギミックには一切関与していない。
コストパフォーマンスの面ではその方が合理的ではあるが、動きを見て楽しむにはほど遠いものがある。
ガルタイガーの名誉のために付け加えれば、当時はタミヤのミニ四駆が流行していた事もあって、ゾイドにミニ四駆感覚の組み立てやすさを導入したかったという狙いもあったのだろう。
実際、動力ユニットは過去のゾイドとは異なり、自分で組み立てるギヤボックスや配線を兼ねた金具など、その構造はミニ四駆に似通ったものとなっていた(ただし、「リバースセンチュリー」にて復刻された際はギヤボックスは組み立て済となっている)。