キカイダー(REBOOT)
きかいだーりぶーと
光明寺博士によってARKプロジェクトのために開発されたアンドロイドの試作品(プロトタイプ)。光明寺博士の遺言で「ミツコとマサルを守る」という使命のために行動する。
外見は普通の青年そのものだが、表面ボディを覆った「バイオナノファイバーカウル」の機能の一つである「ナノ結晶ディスプレイ」に投影された立体映像で、原作や特撮版とは違い、チェンジ機能は無く、単に「スイッチON」と言うだけで、本来の姿(バトルモード)に戻って活動する。普段は人間「ジロー」の姿をとり行動しているが、火急の危機に際した場合はこの映像をOFFして戦う。
また、原作では人間体のジローは人間臭かったが、本作のジローは無表情で任務遂行に行動するという機械的部分が強調されている。
自身の身体に搭載されている『良心回路』は人間における「感情」と「心」を再現するためのコアユニットで、特異な左右非対称・赤と青に色分けられたボディは「良心回路」が未完成状態で急遽搭載されたため。二つのボディカラー「青」は善の心、「赤」は悪の心が「ナノ結晶ディスプレイ」に投影されたものであり、仮に完全なる「良心」を手に入れば、善の心である「青」が全身を統一されると言われている。
しかし、『良心回路』は未完成で開発者である光明寺博士が死亡したため、未熟なままの心、すなわち不安定な良心回路が導く“ 善と悪 ”と、積み重ねられていく自身の経験がもたらす感情じみた仮想推論との二律背反に悩み苦しむ事になる。現在はリアルタイムで取得した外界のデータを分析・判断し、その事象が単純な「善」か「悪」かを導き出すことが出来る程度で、複雑な状況に際しては善悪の判断を下せないことも多い。
しかし、マサルやミツコ、光明寺博士の恩師である前野究次郎との交流で、次第に守ることが何なのか理解し、命令ではなく自らの意志で大切な者を守る為に戦うように成長するようになった。
劇場版のネタバレがありますので、観覧の際に注意してください。
良心回路は善悪判断のほかに暴力や破壊活動を抑制する役目を持つ。そのため、キカイダーの力を抑制され、格闘性能が同等のはずのアンドロイド・マリやハカイダーに一方的に苦戦に強いられた。ことあるごとに「お前は不完全なロボットだ」と言われ、悩むようになった。
しかし、大切な人を守るという意味を理解した事で、自ら良心回路を遮断、本来の力を発揮し、ハカイダーとの戦いを挑んだ。
デザインは村枝賢一によってリファインされ、左手の指が鋭い爪になっているなど、旧作のキカイダーとは異なる。顔のモチーフは僅か23歳の若さで亡くなったアメリカ合衆国出身の映画俳優リヴァー・フェニックス。
鎧武作中では戦極凌馬がキカイダーを指して『伝説のヒーロー』と呼んでいるが、厳密にはこのキカイダーではなく、初代キカイダーの事を言っているものと思われる。(リブート版はARKプロジェクトが始動した時期に開発されており、伝説のヒーローと呼ぶには日が浅すぎる為である。)