ギルティギアザ・ミッシング・リンク
ぎるてぃぎあざみっしんぐりんく
一発逆転のエクスタシー
1998年に発売され、現在もなお続く人気対戦2D格闘ゲーム「ギルティギア」シリーズの一作目。
石渡太輔氏が専門学校在学中に『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』に影響を受け、「今までの格闘ゲームは実在の格闘家をモチーフにしたものが多かったから、アニメ調の世界観にしよう。」と温めた原案を入社後のある日、アークシステムワークスの社長である木戸岡稔氏に「ストリートファイター2のようなゲームを作りたい」と打ち明けて了承を得ることに成功し、たった12人のスタッフと共に「Team Neo Blood」を結成、開発を開始した。
一から格闘ゲームを作るという挑戦故に仕方がないが、予算があまり多くはなかった為に声優のギャラに予算を多く割くことができず、カイ=キスクやアクセル=ロウといった絶対に譲れないキャラクターのキャスティングはきちんと行い、それ以外を開発スタッフがくじ引きで決めて担当することとなった。
後のゼクスでは殆どのスタッフが担当したキャラクターの声は本業の声優に変更となったが、主人公ソル=バッドガイのゲーム内の声のみは石渡氏が続投となった。
また、石渡氏は他の格闘ゲームとは異なる難しさを欲していたため、これがギルティギアを象徴するシステムの一つである「一撃必殺技」に繋がった。
そして1998年に発売されることになったが予算が少ない故に広告を多く打つことができず、ひっそりと発売されることになり一部のゲームマニアの間で「粗削りでバランスもへったくれもないが、何故か面白い」とマイナーな人気を得ることとなった。
そしてのちにこれが強みのあるゲームを欲していた大手メーカーサミーの目に留まり、続編であるギルティギアゼクスが開発され、人気が爆発していくことになる。
現在ではそのドット絵のクオリティの高さが知られているが、開発当初は石渡氏は2Dゲームにしたかったものの、会社の意向によりシリコングラフィックスによる3DCGで描写される予定であり、電撃プレイステーションのVol.19にて当時の味のある未完成グラフィックのソルとメイが掲載されている。
なお、その後の人事関連でごたごたになった際にどさくさに紛れて無理矢理2Dに作り直したとのこと。
この3Dグラフィックを使うギルティギアは十数年後「ギルティギアXrd」にて大成功することとなる。
本作独自の要素である技のチャージを使ったチャーキャンによる永久コンボがあり、一撃必殺技もP+Kで殺界を当て、波動コマンドで簡単に出せてしまうというかなりの世紀末バランスになっている。
また、キャラクターバランスに関しても海外の批評にて「ミリアに勝つことができる奴はいない。」といった評価だった。
というのも、そもそものプログラマーが後に大きく名を轟かせることとなる「AC北斗の拳」のプログラマーと同じ人である。
また、CPU対戦に関してもそもそも難易度選択が不可能でキャラクターによっては異常な頻度と超反応で一撃必殺技を使ってくる為に「ゲーム開始2秒でチップに一撃入れられた」などということは珍しくない。そしてラスボスであるジャスティスも判定が強い上に削りダメージが大きいビームを体力が半分になると連続で撃ってくる為に倒すには運も若干絡むといった状態だった。