概要
『無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ』に登場する、シャドウミラーがW00用に開発したゲシュペンストのバリエーション機。
武装はゲシュペンストのものを踏襲しているが、ブラスターキャノンやゲシュペンストキックなどが使用できる事から、Type-Sがベースになっている可能性が示唆されている。
W00の計画が凍結された事から実際に運用される事はなく、シャドウミラー蜂起の際に設計データが持ち出されるが、そのデータとW00を乗せた艦がエンドレスフロンティアに転移し、その際データを搭載したブロックがフォルミッドヘイムに漂着。そのデータを基にして全長3メートル級の「ゲシュペンスト・ファントム」が生み出された。
実機が製作されるのは『スーパーロボット大戦OGムーン・デュエラーズ』より。
正式名称は「ゲシュペンスト・タイプH」。シャドウミラーが保有するゲシュペンスト開発プランのデータをマリオン・ラドム博士が入手し、テスラ・ライヒ研究所で作り上げた機体となっている。初期に開発されたゲシュペンストの一つ「Type-S」をベースとし、「Type-R」の長所を取り入れている。
なお、マリオンは自身の手掛けた機体に極端にピーキーな改造を施す傾向があるが、この機体に限っては元の設計データが気に入ったのか、ほぼそのまま再現されている。
そのため、厳密にはこの機体はシャドウミラーの設計したオリジナル機ではなく、「こちら側」で復元されたコピー機に当たる。
実機の運用に当たってはメインパイロットとなるW00「ハーケン・ブロウニング」の他、彼の支援機として設計されたW07「アシェン・ブレイデル」の同乗を前提としており、ゲシュペンストシリーズでは唯一の複座となっている。
テスラ研でロールアウトした後、クロガネ隊に預けられ輸送された。当初はクロガネ隊にいるアクセル・アルマーに試験が依頼されたが拒否されたため、キョウスケ・ナンブがテストパイロットに選ばれ、ATXチームへ届けられる予定だった。
が、道中でマッドネットに遭遇した際にエンドレス・フロンティアから転移して来た(ゼンガー・ゾンボルトを送り返す際に巻き込まれた)ハーケンとアシェンが保護されており、二人がこの機体を発見、搭乗したことでなし崩し的に実戦投入。
図らずも本来の主の手に渡り、なし崩し的にクロガネ隊の戦力として組み込まれることになった。
ちなみにハーケンはPTの操縦技術は生来刷り込まれているものの、実機を動かした経験は皆無である。にもかかわらずいきなりこの機体で戦闘が行えたのは、
- エンドレス・フロンティアでの生活を経て鉄火場に慣れている
- アシェンが記録していたファントムのデータをもとにTC-OSの最適化が行われた
- 扱いなれたナイトファウルが装備されている
- ハーケン自身もファントム=ゲシュペンストがどういう動きで戦うのかを身近で見て知っている
といった好条件がそろっていたことが大きい。
ゲシュペンスト・ファントム
エンドレス・フロンティアを構成する国家の一つ「フォルミッドヘイム」が製造したレプリカ・パーソナルトルーパー。
国内に墜落したネバーランドの前半分に残されていたシャドウミラーの機動兵器のデータをもとに作られた機体だが、エンドレス・フロンティアには30メートル級の兵器を作る技術はなく、3メートルほどまでダウンサイジングされている。
また、テスラ・ドライブの再現もできなかったようで、実機と異なり空は飛べない(アーベントはある程度飛行可能)。
制御中枢は設計図をそのまま流用したらしく、ブラックボックス内部に「W00からの命令を常に最優先する」というコマンドが存在している。
10年戦争の後、アインストの影響で暴走、制御を離れたナハト、アーベントの捜索・討伐の為に秘密裏に投入された。
目標の2機を探して神楽天原を中心にエンドレス・フロンティア各地を放浪、時に敵対者と戦うなどであちこちを荒らしまわったため、「黒き亡霊」「ファントム」という呼称で賞金首にされていた。
その後、カルディア・バシリッサの命令を受けてコントロールされ、数回ほどハーケン一行と交戦。
最後はロストエレンシア側のネバーランド後部(マイティエーラ)において敗北したが、この時逃がすまいとしたハーケンが口走った「逃げるな! ここで決着をつけて行けよ!」というカルディアへのタンカが状況を変えた。
最優先コードを設定されたハーケンの指示=「W00の命令」を受けたことでカルディアの撤退指示を無視してその場にとどまり、ツァイト・クロコディールに回収されたのち、鞠音博士によりハーケンたちの支援用にプログラムを書き換えられてパーティに加わった(この時「ゲシュペンスト」の名前が判明している)。
これ以降はハーケンの護衛として扱われており、後にピート・ペインのハッキングで制御を奪われた際も、ハーケンの招集命令を受けて馳せ参じている(命令から出現まで若干タイムラグがあったが)。
なお、これらの挙動については上記のコマンドの他、この機体自身がいわば「マシン・ソウル」を宿して自我を持ったことによる可能性が示唆されている。
武装
・グラン・スラッシュリッパー
背中に装着された巨大スラッシュ・リッパー。通常モデルとは違い、手でつかんで投げつける。
・グラン・プラズマカッター
左腕のプラズマ・ステークを引き抜き、ビームの刃を出力して剣にする。プラズマカッターよりも幅広。
・ナイト・ファウル
専用武器として設計された複合マシンガン。基本であるマシンガンの他、銃口下の撃発杭「ブラスティング・ステーク」、銃床に格納された実体剣「フェイク・リッパー」で構成されている。
どうやらこの武装のデータだけは本体とは別に保管されていたらしく、ファントムはこれを装備していない。
ロストエレンシアではジョーン・モーゼスがこれのデータをもとに、人間用にダウンサイジングしたものを武器として使用、後にハーケンがこれを受け継いでいる。
・ニュートロン・ブラスター
胸部に搭載された重粒子砲。タイプRの「ニュートロンビーム」をタイプSの「ブラスターキャノン」と合わせたような武装。
必殺技
・ジェット・マグナム
左腕のプラズマ・ステークを帯電させて殴りつける。本来不可能なはずのステークとカッターの両立を実現した辺りにシャドウミラー(というかレモン)の技術力が窺える。
タイプS伝統の蹴り技。空中から飛び蹴りを叩き込む。この機体では主に連続攻撃の繋ぎや攻撃開始時の奇襲に使われることが多い。
・ファントム・ホールデム
ファントムが使うハーケンとの連携技。
ハーケンがトランプの竜巻を起こして敵を巻き上げ、そこにグラン・スラッシュリッパーを投げ込んで跳躍、地上で待機するハーケンの射線上にキックを叩き込んで敵を落下させ、クロンダイクモードのロングトゥーム・スペシャルで薙ぎ払う。
・フェニックス・ショウダウン
実機が使うアシェンとの連携技。グラン・プラズマカッターを起点とした格闘コンボで敵を打ちあげ、コクピットから飛び出したアシェンが「ファンタズム・フェニックス」でさらに打ち上げ、究極!ゲシュペンストキックで叩き落としたところにニュートロン・ブラスターを撃ち込んでトドメ。