概要
大正4年出版の『新愛知』や、同5年に出版された当時の心中話を集めた『現代心中ばなし』に掲載された奇談。
その後も複数の書籍に同様な話が転載されていたといわれており、当時はそれなりに知られた奇談であったと思われる。
この物語は大正3年、犀角の採集にボルネオの深山へ向かった某氏が、川で出会ったカヌーに乗る褌姿の現地人と見紛う姿の男の体験談を聞いたという形で展開する。
内容はゴリラ女房と非常に似ている為、沖縄で民話化されて語られていた可能性がある。
敢えて現地語のインドネシア語やマレー語での呼び名を付けるとすれば、ゴリラ・ラトゥ(Gorila Ratu)となるのだろう。