呼称についての概要
1987年にアメリカで制作、1993年にテレビ東京系で放送されたアニメ「ミュータント・タートルズ」に登場する悪役、シュレッダー(CV:梁田清之)の愛称。
劇中のヴィラン一味であるクランゲが、シュレッダーの本名である『サワキ・オロク(沢木 御六)』にちなんで命名した。
シュレッダー本人はこの呼称を嫌っており、呼ばれて怒り出すこともしばしば。
キャラクターについての概要
犯罪組織フット団アメリカ支部のボスであり、スプリンター先生の仇であり、タートルズ達の宿敵。
同じフット流という流派に属していた忍者のヨシハマ(人間時代のスプリンター)に師匠殺害の濡れ衣を着せ日本から追放。
同時にフット流を乗っ取りフット団を結成。
高い頭脳を持つ宇宙人クランゲと手を組み、アメリカの下水道に隠れ住んでいたヨシハマに薬品『ミュータンジェン』を投与しネズミのミュータント「スプリンター」に変えてしまう。
スプリンターと同じくミュータンジェンでミュータント化したタートルズとの決着に固執しており、優れた武術の技術と類い稀なカリスマ性でタートルズ達を苦しめる。
タートルズ達を倒す為なら例え故郷であっても地球を破壊することに躊躇う様子はない。
…ここまで読むと一見シリアスな悪役に見えるかもしれない。
蓋を開けてみれば
・梁田の深く渋みのある声で「いつかたこ焼きにして渋谷で売ってやる」「オーノーなんてこったい!」「決めるときは決めるYEAH!」「マンモスラッキー☆」数々の名台詞を生み出し、そのギャップの凄さに多くの視聴者の腹筋を崩壊させる。
・一応上司であるクランゲに対してタメ口な上に、「ゆでだこ」「タコツボ」「たこ焼き」「酢ダコ」など、基本的にタコ呼ばわりする(クランゲの方もシュレッダーがサワキちゃん呼びを嫌がっていると分かっててやっているのでお互い様である)。
・タートルズからは鉄板頭とも呼ばれ、馬鹿にされている。
・気の強い母がおり、彼女には頭が上がらない。
初期こそは前述したようなタートルズを圧倒する冷徹な悪役として描かれていたが(スプリンターも彼を「忍者として最高の能力を持っている」と評している)、話が進むにつれて邪悪だがドジな役回りが増えていき、子分のバカサイとイノブタに振り回される憎めない悪役という面が強くなっており、回によってはラファエロのように視聴者に話しかけることもある。
最終的に視聴者からも愛を込めて『サワキちゃん』と呼ばれるようになってしまった。
シュレッダーをこの名で呼ぶ人は確実にテレビ東京版タートルを見て育った世代だと言って間違いない。
新亀とのコラボの「Turtles Forever」(こちらはまだ吹き替え版は出ていない)では新亀の自分を復活させるもあっさりとフット団とテクノドロームを乗っ取られ、ロックステディとビーバップに裏切られ、クランゲ共々捕まるなどいつも以上の間抜けさを見せ、新亀のタートルズからも「俺達のシュレッダーは君等(旧タートルズ)の馬鹿なシュレッダーとは違う」と言われる始末。しかし終盤、カライに救われ、自身達の消滅を回避するため、宿敵のタートルズ達と共闘し、新版の自分に立ち向かう。ラストはタートルズや自分達を裏切ったロックステディ達と共に元の世界に帰っていった。
ちなみに本作では原作版のシュレッダーも登場するのだが、登場直後に即退場の出オチ要因となってしまっている。
ニック亀でも変わっておらず、並行世界のビーバップとロックステディを扱き使うもその間抜けさから彼らから呆れ返られたり、新旧タートルズを捕まえてもすぐに殺さず、日頃の鬱憤を晴らす為にクランゲと共に悪口を言いまくり、あっさり逃げられる、タートルズと共闘するカライにびびったり、勝利を確信し、前祝いのパーティーで酔っ払うなどよりコミカルさを見せ、最後はクランゲ共々旧タートルズに捕まり、元の世界に連れて行かれた。この回では特注のシャンプーを使っていることが判明し、よくクランゲに勝手に使われている。
これらを見て分かる通り、ほかの媒体でのシュレッダー達に比べ、悪役としての威厳はまるでないがその一方で声優達のアドリブを含めても悪人にしては人間味があり、駄目な部下や間抜けな上司に苦労しながらも常に行動を続けており、他のシュレッダー達はタートルズ達に倒され、死亡するに対して、彼だけはタートルズの宿敵として何度やられてもタートルズの前に現れる為、ある意味、タートルズ達にとってはなくてはならない存在なのかも知れない。
ただ旧亀でも日本では未放映となるシーズン8以降はおちゃらけ要素が一切消えた本来の冷酷な悪役に変わっており、それまでのサワキちゃんのイメージが強い人ほど面食らうかもしれない。その為か、再登場したクロスオーバーではいずれも間抜けな性格は戻っており、海外でもいつもの間抜けで憎めないサワキちゃんのほうが良いと思っているファンが多いのがよく分かる。
注意
この『サワキちゃん』という呼び名はハードな内容の原作漫画を親しみやすいようにコメディタッチに改変し、さらにテレビ東京の吹き替え版で日本人向けに声優のアドリブを多数もりこんだ末に生まれたネタである。
(同じく同作を吹き替えている東和ビデオ版タートルズやBS2版タートルズにこの呼称は登場しない)
ほかの媒体でのシュレッダーは正真正銘憎むべき悪役であり、そもそも原作のシュレッダーの本名は「オロク・サキ」。つまり苗字を「サワキ」としたのは日本オリジナルの設定である。
原作のシリアスなシュレッダーを望んでいるタートルズファンの中にはこの呼称を嫌っている向きもあり、各シリーズのシュレッダーに対して「サワキちゃん」呼びは乱用すべきではない。
関連項目
岩浪美和…本作の音響監督。本作の声優アドリブ路線を推した人物。
ビーストウォーズ…同じく岩浪が音響を務め声優のアドリブを多数もりこんだ独自路線で人気を得た。ちなみに梁田もメタルスにデプスチャージ役で出演したが、対決セットの相手は作中で因縁のあるランページではなく、イノブタと同じ声のインフェルノになっていた。なおバカサイの方はゲストかつ紛い物ながらとんでもない役をもらい、後年の作品では本物も演じた。