サンサングラミー
さんさんぐらみー
一龍がトリコにグルメ界を攻略できるよう依頼した食材の一つ。水晶のように美しく透き通り、光り輝くため別名「クリスタルフィッシュ」と呼ばれる。
魚自体の捕獲レベルは1以下だが、モルス山脈に存在する世界三大瀑布の一つである超巨大な滝「デスフォール」の裏の洞窟に生息しており、デスフォールを越える場合のレベルは実に80を超す。その滝は毎分1兆リットルでかつ厚み1kmという膨大な水の流れで、ミサイルを何発撃っても通過できなかったりリーガルマンモス級の猛獣が押し潰されるほど激しい。
更に水中は滝壺の水が激しく対流して無数の渦潮が巻いており、潜って進むのは不可能。
滝の上の川は深さ1000mを越える激流である為、洞窟の天井を掘り進むのも不可能。
そしてその滝が放射状に流れているので側面の岩を掘って進むことも不可能・・・
結局上記の水の爆弾を正面突破出来る実力がないと滝の裏の洞窟に入ることはできない。
そしてサンサングラミーは特殊調理食材であり、全く天敵のいない洞窟内で恐怖とは無縁の状態で警戒心を持たずに生きているため、強い生物を目の当たりにするとなんとショック死してしまい、輝きは失われ色も黒ずみ、味も一瞬で劣化してしまう。更にこいつの棲む山脈の養分を抽出した上澄み液の池…「モルス油」の中でしか活動できないのか、ただ網で水揚げしようとしただけでも死んで味が落ちてしまうという非常に繊細な魚である。
従って、デスフォールを越えられる強さとこの魚を生きたまま捕獲する事は矛盾しており、節乃を筆頭とした戦闘力の高い料理人では滝は越えられてもサンサングラミーを生け捕りにはできない。
つまりデスフォールを超えられるだけの実力を持つモノが、サンサングラミーに警戒されないほど貧弱なモノを守りながら突破しつつ、その貧弱なモノがサンサングラミーを単独で正確にノッキング出来なければ、食すどころか見ることすら叶わない存在である(アニメではIGO本部からトリコの様子を見ていた一龍が部下に説明している)。
作中ではトリコとサニーがデスフォールを攻略し、疲弊した二人に代わって戦闘力の無い小松が山の恵みが全て凝縮されている天然の油「モルス油」の中で活け締めの要領で(アニメでは優しく撫でる)ノッキングする事で捕獲に成功。
捕獲失敗の経験から、下手に手を加えても味落ちしてしまうと確信した小松はモルス油でこの魚を素揚げし、三人で実食した。
表面はこんがりサクサク、まるで幾層にも重なったウロコの煎餅のようで中はしっとり肉厚でジューシー、モルス油で素揚げされたことで金色に輝く表面と対照的に白身は白銀に輝いて見え、とても美しい。そして弾力のある身から濃厚な旨みがじわっと溢れ出る。
味は強く濃厚だが、淡白な食感と味わいは残っておりメルクの星屑との相性は抜群。それをかけて食べるとグルメ細胞が進化した。
トリコとリンの結婚式にもフルコースの”魚料理”「オウガイのグリルと王酢ソース」の付け合せとして、今までの冒険で出会った高級魚達とともに刺身として並んでいる。