概要
シャフト技術大将とは、田中芳樹の小説『銀河英雄伝説』の帝国側登場人物である。
本名はアントン・ヒルマー・フォン・シャフトと設定されているが、だれからも「シャフト技術大将」と呼ばれ、読者にもそう認識されている。
見た目はビアホールの主人に見えるが、眼光の鋭さがそれを裏切っているように描写されている。
ゴールデンバウム朝銀河帝国に科学技術総監として仕え、宇宙火薬と称されるゼッフル粒子に指向性を与え、兵器に流用することを可能にした人物として知られ、科学技術者として初めて元帥に任じられる野心をもつ人物でもある。
シャフトはまた、門閥貴族との抗争に勝利し、帝国の実権を握ったラインハルト・フォン・ローエングラム元帥に協力の姿勢を見せていることでも知られた人物であった。
が、シャフトの功績として知られるのは上記の「ゼッフル粒子に指向性を与えた」ことのみであり、科学技術総監の地位を脅かす科学者や技術者に圧力を加えたり、左遷することで知られた人物であった。
帝国宰相を兼ねるラインハルトはシャフトを嫌い、帝国軍総参謀長・パウル・フォン・オーベルシュタイン上級大将はシャフトの短所に目につぶり
宇宙を手入れるためには「たとえ穢れた駒でも」必要と登用することを進言、
対するラインハルトは
「私は宇宙を盗みたいのではない。奪いたいのだ」
と言い放ち、シャフトの代わりになる人材を探すことを命じるのだった。
そんなある日、シャフトはラインハルトに面会を求め、ガイエスブルク要塞に大軍を満載してイゼルローン要塞に派遣することを提言、
提言に乗ったラインハルトはオーベルシュタインの推薦を受けてカール・グスタフ・ケンプ大将を司令官、ナイトハルト・ミュラー大将を副司令官に任命、イゼルローン回廊に向けて出征させることとなった。
イゼルローン要塞を目前にした帝国軍は堂々と戦うが、要塞のエンジンを狙う同盟軍・ヤン・ウェンリー大将の奇策にあい大敗、その結果ケンプは戦死し将兵も大半が戦死、ミュラーは瀕死の重傷を負うこととなった。
当初ミュラーを罰するつもりだったラインハルトは親友・ジークフリード・キルヒアイスからの忠告を思い出して大敗の罪を許したが、
シャフトは公金横領と、フェザーン自治領からも賄賂をもらっていたことがフェザーン側から密告され、憲兵隊に逮捕されることとなった。