概要
中国(江西省・福建省・湖北省・四川省・チベット自治区)から北ベトナムにかけて分布している中型のカブトムシ。
学名は「Xyloscoptes davidis」。
同属他種は確認されておらず1属1種のため、本種のみで「シナカブト属(Xyloscoptes)」を形成する。
日本のカブトムシと非常によく似た外観をしているが、頭角は長く伸びず中央付近の左右に一対の突起があり、小型個体になると消失する。メスはコカブトのように前胸に窪みが入る。
脚は日本のカブトムシと比較すると若干長い。
色は全体的に黒みが強く、光沢を持つ。特にメスの光沢が強く出る。
サビイロカブトやヒメカブト同様に、刺激をすると腹部を擦って「ジージー」と鳴き声を発して威嚇する。鳴き声はサビイロカブトより大きい。
蛹室は日本のカブトムシと同様に縦に作る。
かつては標本のみが数体あるだけであり、幻のカブトムシとされていたが、ベトナム・ゲアン省での生息が確認されたことで2008年頃に初入荷に至った。その後、日本のカブトムシとほぼ同じ方法でブリードできることが判明し、すぐに価格が落ち着いた。また、外観が他の外国産カブトムシと比較して派手でないことも相まって、飼育人口は少なめである。