カルコソマ属
かるこそまぞく
和名はアトラスオオカブト属。
インドシナ〜東南アジアにかけて分布する大型カブトムシのグループ群。
学名「Chalcosoma」は銅のような光沢を持つ体という意味である。(“chalco”は「銅」、“soma”は「体」の意)
基準種はアトラスオオカブト。
南北アメリカ大陸に分布するオオカブト属(ディナステス属)やゾウカブト属(メガソマ属)と並び、外国産カブトムシの代表として高い人気を誇るグループである。
頭角と長く伸びる2本の胸角を合わせた3本角(胸角の間の突起を含めると4本角だが)が最大の特徴。
前述の学名の通りその名の通り体には金属光沢があり美しい。
前胸部と前翅の付け根部分の間は爪切りのように鋭くなっており、挟まれるとかなり痛い。
場合によっては人間側が怪我をすることもある。
また脚が長く、脚の爪も鋭い。
総じて大型のヒラタクワガタやフタマタクワガタに匹敵するほど気性が荒く攻撃的で、闘争心が非常に強い。喧嘩の際には、頭角と胸角で挟み込むなどして、バキバキと音が出るほど激しく組み合う。幼虫やメスですら攻撃性が非常に高い。
むしろ本属以外のカブトムシ類は基本的に温厚な性格であることが多い。気の荒いイメージのあるヘラクレスオオカブトやヒメカブトも本属のカブトムシに比べるとおとなしい方である。
本属は原産地が日本に比較的近いため、外国産のカブトムシとしては比較的安価で流通している。特にアトラスオオカブトは個体数が多いため、大型ヒラタクワガタと並びインドネシアから毎年夏に大量に輸入される。
専門店のみならず総合ペットショップやホームセンター、果てはゲームセンターの景品として並んでいるのを、一度は見かけたことがある人も多いだろう。
だがその安価な値段に反して日本のカブトムシと比べると飼育は難しい。
とにかく凶暴なため、下手をすれば出血沙汰になることもある。人間が。また、交尾の場合を除いてオスとメスを同じカゴで飼うのはご法度である(先述の通り、オスがメスを殺してしまうことがある)。
幼虫も同じく凶暴なため、下手に刺激してしまうと誤って自身の体を噛んでしまい致命傷を負ってしまうことがあるので注意。
また、元の生息地の関係で日本の夏は蒸し暑く、逆に冬は寒く乾燥する環境の中では本属は生き残れない。
しかし、いくら飼育が難しいからといって本属の昆虫を絶対に日本の野に放ってはいけない。生態系を脅かす危険性がある。
以下の4種からなる。
アトラスオオカブト(C atlas)
ネパール〜南ベトナム、マレー半島、インドネシア、フィリピンに分布。
本属基準種。本属の分布域の殆どをカバーし、海沿いの低地から標高の高い場所まで広く生息している。
詳細は当該記事を参照。
コーカサスオオカブト(C chiron/caucasus)
インドシナ〜マレー半島、インドネシアにかけて分布。
本属中最も大型で、その気性の荒さから世界最強のカブトムシと言われる。現学名からキロンオオカブトとも。
詳細は当該記事を参照。
モーレンカンプオオカブト(C moellencampi)
ボルネオオオカブトとも。
詳細は当該記事を参照。
エンガノオオカブト(C ennganensis)
スマトラ南西部沖エンガノ島に分布。
詳細は当該記事を参照。
小型個体や雌は特によく似ているが識別方法を覚えれば簡単に区別できる。
アトラスオオカブト
コーカサスオオカブト
甲虫王者ムシキングシリーズでのアトラスオオカブト属
4種(と作中オリジナルの特殊個体)が登場している。
コーカサスオオカブト
最初期より登場。詳細は当該記事参照。
アトラスオオカブト
最初期より登場。詳細は当該記事参照。
モーレンカンプオオカブト
2004ファーストより登場。詳細は当該記事参照。
改造コーカサスオオカブト
2005年セカンドのラスボスとして敵限定で登場。
この弾のストーリーをベースとした、映画『甲虫王者ムシキング スーパーバトルムービー ~闇の改造甲虫~』でもラスボスとして登場した。
アダー完結編にて上翅の色づき具合によってプロトタイプα、プロトタイプβ、プロトタイプγ、完全体とカード化された。
詳細はコーカサスオオカブトを参照。
マレーコーカサスオオカブト
新甲虫王者ムシキング 激闘4弾より登場。詳細は当該記事参照。