概要
頭角が1本、胸角が4本の計5本にもなる角が特徴の、中型のカブトムシの属。ゴホン“ツノ”カブトとも。
北東は中国湖北省、西はネパール、南はマレー半島にかけて分布する。
学名は「Eupatorus」。
上翅が黄色く体表に艶のあるゴホンヅノカブト亜属(Eupatorus)と全身黒色で艶消しのシャムゴホンヅノカブト亜属(Alcidosoma)の2亜属に分類される。
恐竜を想起させる5本の角がかっこよく、外国産カブトムシの中でも人気、知名度が高い。
見かけによらず性格は温和とされる。
飼育は成虫幼虫共に他種外国産カブトムシと変わらないが、羽化後約1年休眠する特徴があり、当然その状態のときはデリケート。また休眠期間が長い割には、活動してからの寿命が1ヶ月未満〜数ヶ月と短命である。
近年、コロナ禍の影響で輸入単価が高くなった影響か生体の市場価格が高騰している。
よく書籍やインターネット上の記事では竹の葉や筍の皮をマット(飼育用の土)に混ぜると産卵しやすいとの記述されていることが多いが、普通のカブトムシ用のマットでも十分産卵する。
パプアニューギニアに分布するサンボンヅノカブトは近い仲間と考えられている。
なお、一般的にゴホンヅノカブトというと本属の代表種(後述)を指すことが多い。
種としてのゴホンヅノカブト
学名は「Eupatorus gracilicornis」。
他種と区別するためにオオゴホンヅノカブトやグラキリコルニス(グラコロニクス)ゴホンヅノカブトと表記する書籍もある。
本属の分布域をほとんどカバーしており、東は中国、西はミャンマー〜タイに分布する。
竹林に生息し、竹の新芽の汁を吸う。樹液や果実にも集まることもある。竹につかまるため脚は長く、しがみつく力も意外に強い。
雌雄ともに上翅全体がクリーム色をしているが、死ぬと褐色になる。
また、亜種や地域変異により角の長さや曲がり具合、上翅の色などが異なる。
タイではヒメカブトと同様食用にされているようだ。
亜種
5亜種に分類される。
当項目では雑誌『ビー・クワ74号』の分類に従うものとする。
原名亜種(ssp.gracilicornis)
3タイプの個体群に分類され、ミャンマー北部〜東部、タイ北部、ラオス、中国(四川省、雲南省)、マレーシア北部に中央個体群、中国(湖北省、広西壮族自治区、海南島)に東部個体群、インド北東部(アッサム州)、雲南省西部に西部個体群が分布。
個体群によって大きさや角の発達具合が異なり、東部、西部個体群は最大でも70mm程度で角も短いのに対し、中央個体群のタイ北部産は大型で角も長く伸び104mmに達する個体も確認されている。
数百頭に1頭の割合で全身真っ黒な個体が現れるとされているが、前述の通り死亡すると黒ずんでしまうため詳細は不明。
成虫は生息地の竹の新芽が出る時期に合わせて活動を始めるため、四川省やベトナムでは4〜5月が発生時期なのに対し、タイやラオスでは9月ごろに発生する。
亜種エダイ(ssp.edai)
クロゴホンヅノカブトという和名が付けられている。
その名の通り全身真っ黒な亜種なのだが、かつてミャンマーとタイの国境付近で採集されたごく少数の標本をもとに記載されて以降、本亜種の標本及び生体がもたらされたことは無い。
そのため本亜種の存在を疑問視する人も多い。
亜種キミオイ(ssp.kimioi)
和名はオニゴホンヅノカブト。
こちらもミャンマーとタイ国境付近で採れた標本を元に記載された亜種。
原名亜種(中央個体群)と比較して頭角が短く、代わりに胸角が発達しさながら鬼を思わせる風貌をしている。
亜種プランディ(ssp.prandii)
ベトナム中西部に分布。
100mmに達する大型の亜種で、横側の胸角が発達する。
また雌雄共に上翅に微毛が生えている。
亜種ダヴィッドゴイ(ssp.davidgohi)
マレーシア南部に分布。
胸角が全体的に短い。7月ごろに発生するとされる。
他のゴホンヅノカブト亜属の種
上翅に色がついている種が分類されている。
雄は角が全体的に発達し、体表の光沢が強い。反対に雌は体表の光沢は鈍い。
ハードウィッケイゴホンヅノカブト(E hardwickii)
本属基準種。
ヒメゴホンヅノカブト、ヒマラヤゴホンヅノカブトとも言われる。ミャンマー、ネパールなどに分布する。
生息地の情勢などの問題から他種より輸入量は少なく希少種とされる。
ただし飼育品個体の流通量は一番多い。
最大74mm程度と小柄で角も短い。雌雄共に上翅の色に個体差があり、暗いクリーム色の個体、縁のみがクリーム色の個体、全て真っ黒の個体の3パターンに分けられる。
成虫の自然下での食性はあまり判明していないが、トウモロコシに集まるという記録がされている。
シャムゴホンヅノカブト亜属
全身黒色で、体表の光沢が鈍い種が分類されている。
雄の横側の胸角はあまり発達せず、小型個体の頭角先端が二叉に割れるのが特徴。
シャムゴホンヅノカブト(E siamensis)
別名、タイゴホンヅノカブト。詳細は当該項目を参照。
ビルマゴホンヅノカブト(E birmanicus)
学名からビルマニクスとも呼ばれる。詳細は当該項目を参照。
エンドウゴホンヅノカブト(E endoi)
ベトナムに分布する最大60mmにも満たない小型種。角はあまり発達せず、横の胸角が殆ど無い。雌はシャムゴホンヅノに似るが全体的に丸っこい。
甲虫王者ムシキングでのゴホンヅノカブト
4種が登場している。
ゴホンヅノカブト
必殺わざはグー。肩書きは「奇跡のツノ」。つよさ120のバランスタイプ。超必殺わざは「(スーパー)ダンガン」(ダゲキわざ)。
初期シリーズから2005ファーストプラスまで登場。
グラントシロカブトとともにネブ博士の愛用する甲虫の1匹。
新甲虫王者ムシキングには2016 3rdより参戦。階級はSR(つよさ160~180相当)。
必殺わざの手はグーからパーへと変更、変更後の必殺技は「DGトリガー」で、「ダンガン」をナゲわざとしてアレンジしたようなわざとなっている。
ヒメカブト共々すくみが変更されたことにより、グーが必殺わざのカブトムシはゾウカブト属全般、サイカブト属の一部、フンボルトヒナカブト(こちらはパーからグーへの変更となる)、マレーコーカサスオオカブト(激闘4弾より参戦するコーカサスオオカブトの亜種)のみとなった。
激闘3弾にてSSRに覚醒。覚醒後の肩書きは「神々しき五芒星」、必殺わざは「ブリューナク」。
体力が130にまで伸び、当時全ムシ中1位タイ。
超神化1弾ではシュウのムシとして新レアリティ「GR」が登場。肩書きは「燃えるアマテラス」、必殺技は「ホムラストライク」。赤色の紋章をまとう。
影響されるキャラクターおよび新たに得た力の傾向がヘルクレスオキシデンタリスとモロ被りしている。
しかも作中ではシュウよりもジョーが使用する機会の方が多い。
ザックの冒険編ではバレットの相棒、リボルバーとして登場した。
タイゴホンヅノカブト
当該項目を参照。
ヒメゴホンヅノカブト
(旧)つよさ140(小型種にもかかわらず、何故か他のゴホンヅノカブトよりも高い。ゲーム内グラフィックではそこまで小さくないが)、(新)R。必殺わざはパー。肩書きは「静かなる鬼神」。超必殺わざは「ダイブボンバー」。性格はバランスタイプに変更されて、バランスは整いつつも2015セカンドではアタックタイプ寄り、超神化3弾ではディフェンスタイプ寄りのステータスで登場していた。
なおダイブボンバーは小学館企画の「ムシキング新技コンテスト」より選ばれたもの。
トウモロコシに集まるという記録がされていることから旧作やムシキングびよりにおいては「とうもろこし畑の害虫」と明記されている。
なお、後の超神化3弾にて流石に公式も不味いと思ったのか「とうもろこし畑を荒らすやんちゃ者」とマイルドな表現に差し替えられた。
…が、Googleのサジェスト候補には「害虫」と出てきてしまうなど、害虫としての認識を改めるには至らなかった様子である。
クロゴホンヅノカブト
2006セカンドで初登場。「ヘルクレスリッキーブルー」以来の「カブトムシの亜種」。
肩書きは「ミステリアス・ペンタゴン」。つよさ120(体長83mmと他のゴホンヅノカブト系より大きいのに)、アタックタイプ。超必殺わざは「(スーパー)エメラルドフロージョン」(ナゲわざ)。ゴホンヅノカブト系では旧→新で唯一性格が変更されなかった。
新甲虫王者ムシキングには原種ゴホンヅノカブトを差し置いて2015 1stより登場。階級はR。
必殺わざが新技「Vスパイラルクレーン」に変更された。その後同年2ndで登場したケンタウルスオオカブト(元つよさ140)に「エメラルドフロージョン」が流用されたうえ、ケンタウルスオオカブトが2016 1stで覚醒したことにより旧究極必殺わざの「スーパーエメラルドフロージョン」も流用された。
- もともと強さ140相当の体格だったため強さが引き上げられた為かもしれないが、アダー完結編で同じく「超必殺わざが変更・小型甲虫から中型甲虫扱い」になったエラフスホソアカクワガタは変更当初から究極必殺わざ(テクニック50の中では唯一初登場と同時に究極必殺わざがあったと言える)が使えた。
ちなみに、アダー完結編でゴホンヅノカブトにクロゴホンヅノカブトをカスタマイズすると合体技「クロスボンバー」が発動するうえ、ゲーム中でゴホンヅノが「ファイブホーンズ合体わざ!!」と叫ぶが、そんなタッグチームはなかった。
もちろんクロゴホンヅノにゴホンヅノをカスタマイズしても合体超必殺わざ「エメラルド・ダンガン」が発動する事もなかった。そもそもアダー完結編では合体超必殺わざの新規追加がなかったが。