概要
和名 | ツヤアオカメムシ |
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学名 | Glaucias subpunctatus |
分類 | 半翅目 カメムシ亜目(異翅亜目) カメムシ下目 カメムシ上科 カメムシ科 カメムシ亜科 Nezarini族 ツヤアオカメムシ属 |
体長 | 1.4~1.8cm |
分布域 | 日本(本州、四国、九州、南西諸島)、中国大陸、台湾、東南アジア |
成虫の出現期 | 4~11月 |
カメムシ科に属する昆虫の一種。
緑色の体色に亀の甲羅の様な形と、一般的なカメムシのイメージ通りの姿をしている。
洗濯物に付いていたり、夜にコンビニや街灯、家の照明などに集まる光景を見た事がある人も多いだろう。
街中にいる緑色のカメムシは大抵本種かミナミアオカメムシ、アオクサカメムシ、チャバネアオカメムシ、エゾアオカメムシのどれかである。
元々は南方系の種だが、温暖化の影響で関東まで進出している。
植物の汁を吸って商品価値を下げたり、時には枯らしてしまうので農業・園芸の害虫として駆除対象になっている。
形態
カメムシらしい緑色の体色が特徴だが、他のアオカメムシ類と比べて翅にツヤがあることや、小楯板上端に三つの白い斑が無いことで見分けられる。
触角は白黒の縞模様。寒くなると体色が茶色くなる個体もいる。
生態
山地~平地まで広く生息するが、基本的には低山地の森林に生息する。
成虫はスギやキリ、ミカン、カキ、モモ、ビワなど及び各種広葉樹の果実の汁を吸う。
繁殖期は夏で、この時期は山地に集まる。
幼虫は主にスギ・ヒノキの球果を餌とし、集合フェロモンを出して群れる性質がある。
9月中下旬以降の秋になると山で繁殖した成虫が越冬場所を探して各地に分散し、市街地にも現れる。
集光性があるので灯りに集まるが、集まった個体は様々な要因で大半が死んでしまう。
植物の葉裏や樹皮、岩などの隙間で越冬する事が多いが、暖かさを求めて家屋に侵入する事もある。
春に越冬から覚めると周辺の果実などで栄養補給し、その後は繁殖の為に山へと帰って行く。
危険を感じると悪臭を放つ為、見つけても刺激を与えないように気をつけよう。
余談
2023年には関西を中心に本州・四国・九州で大量発生した。
原因は不明だが、餌(杉の実)が特別多かったのではないかと考えられている。
この年には北海道で雪虫(ケヤキフシアブラムシ)、全国の宿泊施設等でトコジラミが大量発生したが、なんの偶然か3種とも半翅目(カメムシ目)である。
逆にセミは例年より減少していた。
翌年2024年の春には越冬から活動を再開した個体達が再び街中に群れで現れ、クサギカメムシと共に大量発生した。