概要
トヨタが開発を進める燃料電池車のうち、路線バスタイプの車両。製造は日野自動車系列のJ-BUS小松事業所。
試作車のFCHV-BUS、FCバスで得られたデータを元に改良を加え、燃料電池バスとしては日本で初めて正式な型式を取得した。
車両価格がおよそ1億円と路線バスとしては非常に高額なため、販売形式はリースのみとなっている。
FCHV-BUS
ブルーリボンシティノンステップをベースに、駆動系を燃料電池仕様としたもの。第1世代から第3世代までがある。
第1世代車は燃料電池スタックとして90kwのものを1基、モーターは80kwのものを2基搭載し、水素タンクは25MPa、容量150リットルのものを屋根上に5基設置している。
第2世代車は燃料電池スタックを1基から2基へ増やし、水素タンクの充填圧を35MPaへ増強することでカタログ上の航続距離250kmを確保。1両が都バスに貸し出され、実際に営業運転に使用された。
第3世代車は第2世代車をベースに細かな改良を加え、水素タンクの個数を7基に増やして航続距離350kmを確保。愛知万博長久手会場と瀬戸会場を結ぶシャトルバスとして使用された。
万博閉幕後は知多乗合、全日空系列の中部スカイサポート(現:ANAグランドサービス中部)、名鉄バス、関西空港などに貸し出されたほか、トヨタが出展する環境関連イベントで試乗車として使われたり、東京マラソンや世界陸上のスタッフカーとしても使われたりしている。
またフロントマスクをセレガとほぼ同じものに作り変え、座席をリクライニングシートへと交換したものが東京空港交通に貸し出されていた。
FCバス
MIRAI用に開発された技術を織り込んだ燃料電池バス。
ベースはFCHV-BUSと同じブルーリボンシティだが、車体リニューアルの結果ブルシチの面影は殆どない。
燃料電池スタックは114Kwのものを2基搭載し、モーターは110kwのものを2基、水素タンクは70MPaのものを8基屋根上に搭載する。
試作車は豊田市へ無償貸出され、名鉄バスに委託してとよたおいでんバスで営業運転に使用された。
この試作車の実証運行で得られたデータを元に量産車が販売され、都バスに導入された。