概要
『トロピカル〜ジュ!プリキュア』の第29話は、この時期恒例のパワーアップ回であった。
話の内容を要約すると、最高幹部であるバトラーが出てきたことでプリキュア達が窮地に陥り、其処に伝説のプリキュアが出現してプリキュア達にパワーアップの力を授けると言うもので、この内容それ自体は、言わばプリキュアにおけるお約束展開であり、時期的なことに加えて、次回予告のサブタイトルの段階で視聴者の中には予想できる者も多かった。
しかし、いざ放送されたところ、その内容のクオリティの高さに衝撃を受ける者が多発した。
特に目を引いたのが、その作画の美麗さであり、余りの作画クオリティにTwitterでは劇場版のクオリティと話題になった。
内容
夢の中で“伝説のプリキュア”に出会うまなつ。ローラによると、大昔に人魚と人間の世界を救ったのが伝説のプリキュアだという。そんな中、街のあちこちに水から生まれた“超ゼッタイヤラネーダ”が出現し…。
話題になった要素
- 作画クオリティ
通常回よりも明らかに一段階か二段階は上な作画クオリティが特に話題になった。
特にアクション描写は凄まじいの一言であり、戦闘は元より、移動シーンやキャラ一人一人の表情に至るまで、細部まで拘って描き抜かれた作画はまさに劇場版クオリティと言う相応しく、アニメ好きならば一見の余地と言える。
- カメラアングル
単純に作画が美麗と言うだけではなく、そのカメラアングルにすら拘っている。
戦闘においてのアクションもそうだが、特にくるるんを助けるためにまなつが奮闘するシーンでは、背景ごと画面を回転させると言う今時珍しい、部屋の中での背景移動と言うことで、作画枚数問わない今話のクオリティの高さが特に際立っている。
- ストーリー
29話は特に、そのストーリーにおいても話題を呼んだ。
伝説のプリキュアがパワーアップの為に力を貸すと言う展開自体は決して目新しいものではないものの、最大の特徴が、伝説のプリキュアが、現在のプリキュアに敵のボスを救うように頼むと言う点。
本作の謎に差し迫った回であり、あとまわしの魔女の真の目的を誰も知らない。バトラーの暗躍・伝説のプリキュアとあとまわしの魔女の関係など、様々な謎が明らかになった。
また、まなつとローラの二人の関係もより深まった回でもあり、単なるパワーアップ回と言う枠組みを超えた盛り沢山の内容となっている。
- 演出
ストーリーを盛り上げる演出にも、印象的なシーンが多用された。
コメディ的な要素を入れつつも、まなつが意味深な夢を見るシーンや、バトラーを映す鏡が割れるなどの不穏さや神秘さを感じさせながらも、連携技を駆使したスピード感のあるバトルや、窮地を脱したキュアサマーがぐんぐんカットを使いながら再変身するシーンなど、ミステリアスとカタルシスを交互に繰り返す演出は、今回のストーリーを非常に際立たせている。
特にキュアサマーの復活シーンは、ウルトラマンを彷彿とさせたことから、ウルトラマンサマーなどとネタにされた。(ぐんぐんキュアサマーの記事を参照。)