解説
『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第37話に明かされた野望である。
あとまわしの魔女たちが人々からやる気パワーを愚者の棺に集めるのに執着するのは、愚者の棺にやる気パワーを満たし解放すれば、彼等は不老不死を得られるからだ。
ただ魔女はなんとなく不老不死になりたいわけではない。永遠の命によって『永遠のあとまわし』を実現させることこそが本来の野望である。
動機
主のあとまわしの魔女と最側近のバトラーが不老不死を求める理由は不明瞭だったが、残る3幹部は同37話にて望みを以下のように漏らしている。
- チョンギーレ:不老不死になれば、みんなが餓死しない為、毎日の調理作業に追われなくなる
- ヌメリー:不老不死になれば、みんなが傷病に悩まされず、普段の業務が格段に楽になる
- エルダ:不老不死になれば大人にならず、何時までも子供のまま遊んでいられる
チョンギーレとヌメリーが口にする「みんな」の範囲はこの時点でははっきりとしておらず、定命のものが共通して抱える苦しみからの解放も意味しているのでは?と予想されていた。
単純に解釈すれば、「魔女の館の住人の全員が不老不死になれば、館の使用人である自分達の仕事が減る」の意味合いになるのだろうが、魔女の最終目的が人間の世界の変革であるのが示唆されていたように見えた為、一部の視聴者からは「不老不死にする対象は人類も含んでいるのでは?」とする見方もあった。
だが、愚者の棺の実態はとんでもないものであった…。
真意
第44話にて、魔女の真実が明かされると共に、このワードの真の意味も判明する。
愚者の棺により魔女が永遠の命を得ることで、「永遠にあとまわしを続ける」という何の比喩でもない、文字そのままの意味だったのだ。
その目的には一人の少女が関わっていたが、長い年月の経過により魔女は何をあとまわしにしたかったのかを忘れてしまうまでに衰えた。
それでも「あとまわしにしないといけない」ということだけは呪いのように魔女にこびりつき、ただ只管にありとあらゆることをあとまわしにすることを続けていたのだ。そして、そんな「あとまわし」を永遠に続けなくてはならないという何の意味も目的もない妄執に取り憑かれたのである。
バトラーは自身が不老不死を得たい訳ではなく、変わり果てた魔女にそれでも願いを叶えてもらうため、そして世界を破壊するために愚者の棺の解放を望んでいたのだった。