概要
1999年7月発売の「BOOSTER3」で登場した古参のカード。地属性・魔法使い族の下級通常モンスター。
ドリアードとは神話等に登場する樹木の精霊の名である。
今の遊戯王OCGでは構築済みデッキや、ブースターパックによる販売方法が主流である。しかしドリアードは、カードダス形式の自動販売機で流通されたという遊戯王の歴史で見てもかなり初期かつ珍しいカードである。
能力値やフレーバーテキストは以下の通り。カードプールの少なかった当時からしても能力的に見るべきところもなく、また専用のサポートも存在しない。『遊戯王ラッシュデュエル』でも変化なし。
カードの根強い人気
カード性能だけ見れば数ある有象無象のノーマルカード……なのだが、その暖かく愛らしいイラストとフレーバー・テキストの「草木の力を借りて相手の動きを封じる」という部分が温和で有情な攻撃方法と解釈されたらしく、登場から20年以上を有した今でもそれなりの愛好者が存在している。
それを証明するかの様に、「精霊術師ドリアード」や「精霊神后ドリアード」というリメイクカードが登場。イラストのポーズ等は大きく変えずにデザインが今風のタッチに変更されているものの、可愛いことには変わらない。
前者は光属性の儀式モンスターであり、攻守の低さは相変わらずだが1体で合計5つもの属性を併せ持つという珍しい効果を有しているので、本来ならば4種類のモンスターを並べて発動する罠カード《風林火山》をこのカード1枚だけで済ませるといった芸当が可能。
後者は特殊召喚モンスターであり、やはり属性に関する特殊能力を持っているが、「自分・相手の墓地のモンスターの属性が6種類以上の場合のみ」と明記されているので軽い気持ちで投入していいカードではない。
このリメイクカード2種類を使用する際にはモンスターの属性を強く意識したデッキ構築を必要としており、その構築難易度は高く、勝ちに行くデッキというよりは楽しむためのデッキという意味でもファンデッキになりうるだろう。
また、「ドリアード」自身もサポートカードの多い通常モンスターであることを活かして、通常モンスター主体のデッキにこっそり混ぜて使うことも可能かもしれない。
闇堕ち版のリメイクと思われる「ダーク・ドリアード」というペンデュラムモンスターカードも登場している。 こちらもペンデュラムゾーンにセットすることで複数属性のモンスターを配置することで味方全体の強化に繋がるなど、やはりモンスターの属性を強く意識した効果となっている。
なお、初期の頃には「ハイ・プリーステス」というドリアードの色違いモンスターも存在しているが、見た目と同じ魔法使い族モンスターであること以外の共通点は今のところ無い。
余談
- 海外版においてはドリアードのカードが存在しなかったために過去のゲーム版デュエルモンスターズでは「Dryad」表記であったが、後のデュエルリンクス等では「精霊術師ドリアード」以降の海外版表記に合わせて「Doriado」に名前が変更されたという珍しい歴史を持っている。
- ドリアードが初収録となった「BOOSTER3」が発売されたのは、かつて日本全土で話題となったノストラダムスの大予言で有名な1999年の7月のことだったりする。