概要
経済産業省認定の国家試験「情報処理技術者試験」の区分の一つ。スキルレベル4で、高度情報処理技術者試験(高度試験)の一種。略称はネスペ。略号はNW。
オンライン情報処理技術者試験およびテクニカルエンジニア(ネットワーク)試験を前身とする。
対象者像は「ネットワークに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者」と定義されている。
主にネットワークの設計担当者や管理責任者といった、システムエンジニアの中でも特にネットワークエンジニアと呼ばれる人を対象としている。
試験のレベルは非常に高く、日本国内で実施されるネットワークに関する試験の中では最難関にあたり、上級者であっても合格するのは難しい試験として広く知られている。
情報処理安全確保支援士試験(旧・情報セキュリティスペシャリスト試験)やデータベーススペシャリスト試験とともに、応用情報技術者試験合格者が次に目指す試験区分として知られている。
試験形式
午前1、午前2、午後1、午後2の4科目すべてで基準点(得点率60%以上)に達することで合格となる。
午前1
試験時間50分。マークシート形式。他の高度試験との共通問題で、難易度は応用情報技術者試験の午前とほぼ同レベル。
ネットワークと関連の薄い経営や簿記に関する問題も出題される。
午前2
試験時間40分。マークシート形式。ネットワークやサイバーセキュリティに関する問題が中心だが、コンピュータシステムに関する問題も一部出題される。
基準点(得点率60%)以上で午前2通過となる。なお、基準点に満たない場合、採点は中断され、午後1、午後2は採点されない。
午後1
試験時間90分。午前とは異なり、記述式となる。基準点(得点率60%)以上で午後1通過となる。
なお、基準点に満たない場合、採点は中断される(午後2は採点されない)。
午後2
試験時間120分。ネットワークシステムの設計・運用・保守、障害対応、セキュリティ技術に関する実践的な問題が出題される。
基準点(得点率60%以上)で最終的に合格となる。基準点に達しなかった場合は不合格。
午前1の科目免除制度
下記の試験に合格または基準点を得れば2年間、午前1の科目免除が受けられる。
- 応用情報技術者試験に合格すること。
- いずれかの高度試験に合格すること。
- いずれかの高度試験の午前1で基準点以上を得ること。
実施スケジュール
情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、情報処理安全確保支援士試験と異なり、秋期(10月第3日曜日)は実施されないので注意。
2020年度から実施時期が秋から春に変更された。
その他
- 合格または午前1で基準点以上を得れば2年間、他の高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の午前1の科目免除が受けられる。
- 当試験に合格することで、弁理士国家試験の一部科目免除が利用できる。
- 予備自衛官の任用資格である。
- 警視庁特別捜査官の4級職(警部補)のコンピュータ犯罪捜査官の任用資格である。
関連タグ
情報処理 ネットワーク コンピュータネットワーク サイバーセキュリティ SE/システムエンジニア