概要
経済産業省およびIPA(情報処理推進機構)が実施・主催している国家試験「情報処理技術者試験」の区分の一つ。略号はAP。スキルレベル3。
かつてはソフトウェア開発技術者試験、第一種情報処理技術者試験という名称だった。
対象者像は「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」と規定しており、主に数年の経験を積んだシニアプログラマーやSE(システムエンジニア)を主対象としている。
一般的に基本情報技術者試験(スキルレベル2)に合格した者が次に目指す試験区分として認知されており、スキルレベル4(高度情報処理技術者試験、高度試験と総称される。情報処理安全確保支援士試験などが該当する。)への登竜門的な試験区分でもある。
基本情報技術者試験と同様に出題分野は多岐にわたるが、より深い知識と応用力を試され、(基本情報は全問マークシートだったが、)午後試験では記述式の設問が大幅に増える。単純に知識をもとにした回答だけではなく、論理的な回答をアウトプットする能力が問われる。
高度試験が各分野(セキュリティ、データベース、ネットワーク、組み込みシステムなど)のスペシャリスト試験的な側面を持つ一方、応用情報技術者試験はIT全般に関する幅広い知識が必要とされるゼネラリスト的な試験として認知されている。
ただし午後問題は選択式のため(ただしセキュリティ分野は必須)、基礎理論やアルゴリズムなど数学的要素の強い問題を回避することも可能である。(そのため、数学やプログラミングが苦手な人にとっては、むしろ基本情報よりも簡単に感じられることもある。)
学生(特に大学生と専門学校生)の受験者が主だった基本情報とは対照的に、応用情報では社会人の受験者が多いのが特徴である。
また、受験者層は情報工学を専攻している人、プログラマーやSE(システムエンジニア)などのITエンジニアが中心である。
実施スケジュール
春期(4月第3日曜日)と秋期(10月第3日曜日)の年2回実施される。
試験形式
午前、午後共に60%以上の得点で合格となる。なお、午前試験で不合格となった場合、午後の解答は採点されない。
午前試験
試験時間150分。基本情報と同じ四肢選択式(マークシート使用)で80問出題され全問解答。
テクノロジー(技術)の分野から約50問、マネジメントの分野から約10問、ストラテジ(経営戦略)の分野から約20問出題される。
試験形式は基本情報と同じだが、当然ながら、応用情報ではより深く、幅広い知識を要求される。
午後試験
- 試験時間150分。
- 記述式で11問出題。うち1問(情報セキュリティ)が必修、10問(ストラテジ分野全般・プログラミング・システムアーキテクチャ・データベース・ネットワーク・組込みシステム開発・情報システム開発・プロジェクトマネジメント・サービスマネジメント・システム監査)中から4問を選択して解答。
- 基本情報では必修だったプログラミングに関する問題は、応用情報では選択問題となっている。
- 全問マークシートだった基本情報とは異なり、応用情報では記述式の問題が多く出題されるため、難易度はかなり高くなっている。
- ただし先述の通り、基本情報では必修だったプログラミングを応用情報では回避することができるため、人によっては応用情報のほうが簡単と感じられることもある。
その他
- 当試験に合格することで、2年間、高度試験(情報処理安全確保支援士試験、ネットワークスペシャリスト試験、データベーススペシャリスト試験など)の午前1の科目免除が受けられる。
- 当試験に合格することで、弁理士国家試験の一部科目免除が利用できる。
- 当試験に合格することで、中小企業診断士国家試験の一部科目免除が利用できる。
- 予備自衛官の任用資格である。
- 警視庁特別捜査官の3級職(巡査部長)のコンピュータ犯罪捜査官の任用資格である。
関連タグ
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