概要
経済産業省認定の国家試験「情報処理技術者試験」の区分の一つ。スキルレベル4で、高度情報処理技術者試験(高度試験)の一種。略称はデスペ。
オンライン情報処理技術者試験およびテクニカルエンジニア(データベース)試験を前身とする。
対象者像は「データベースに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者」と定義されている。
SE(システムエンジニア)の中でも主にデータベースの設計担当者や管理責任者、いわゆるデータ管理者(DA)、データベース管理者(DBA)を対象としている。
試験の難易度は極めて高く、データベースに関するものの中でも国内最難関と言えるほどである。合格すると技術者として一定のレベルに達したと見なされる。
ただし、国家試験である性格上、特定のデータベース製品に依存した機能や特定の製品のみでしか使えないSQLなどは出題されない。そのため、オラクルマスター(オラクル認定資格)やMCP(Microsoft認定資格)といった民間のベンダー資格と併せて取得することが望ましい。
情報処理安全確保支援士試験(旧・情報セキュリティスペシャリスト試験)やネットワークスペシャリスト試験とともに、応用情報技術者試験合格者が次に目指す試験区分として知られている。
試験形式
午前1、午前2、午後1、午後2の4科目すべてで基準点(得点率60%以上)に達することで合格となる。
午前1
試験時間50分。マークシート形式。他の高度試験との共通問題で、難易度は応用情報技術者試験の午前とほぼ同レベル。
データベースと関連の薄い経営や簿記に関する問題も出題される。
基準点(得点率60%)以上で午前1通過となる。なお、基準点に満たない場合、採点は中断され、午前2、午後1、午後2は採点されない。
午前2
試験時間40分。マークシート形式。データベース関連の問題が中心だが、コンピュータシステムやサイバーセキュリティに関する問題も一部出題される。
基準点(得点率60%)以上で午前2通過となる。なお、基準点に満たない場合、採点は中断され、午後1、午後2は採点されない。
午後1
試験時間90分。午前とは異なり、記述式となる。基準点(得点率60%)以上で午後1通過となる。
なお、基準点に満たない場合、採点は中断される(午後2は採点されない)。
午後2
試験時間120分。データベースの設計や運用に関する実践的な問題が出題される。
基準点(得点率60%以上)で最終的に合格となる。基準点に達しなかった場合は不合格。
午前1の科目免除制度
下記の試験に合格または基準点を得れば2年間、午前1の科目免除が受けられる。
- 応用情報技術者試験に合格すること。
- いずれかの高度試験に合格すること。
- いずれかの高度試験の午前1で基準点以上を得ること。
実施スケジュール
2020年度以降は年1回、秋期(10月第3日曜日)に実施される。
情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、情報処理安全確保支援士試験と異なり、春期(4月第3日曜日)は実施されないので注意。
2020年度から実施時期が春から秋に変更された。
その他
- 合格または午前1で基準点以上を得れば2年間、他の高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の午前1の科目免除が受けられる。
- 当試験に合格することで、弁理士国家試験の一部科目免除が利用できる。
- 予備自衛官の任用資格である。
- 警視庁特別捜査官の4級職(警部補)のコンピュータ犯罪捜査官の任用資格である。
関連タグ
- 情報処理
- データベース SQL
- システムエンジニア SE
- 津崎平匡:TBSのドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の登場人物。この資格を持っているという設定。
- 納沙幸子 : アニメ『ハイスクール・フリート』(はいふり)の登場人物。この資格を持っているという設定。
関連資格
- 情報処理技術者試験 応用情報技術者試験
- 高度試験/高度情報処理技術者試験 ネットワークスペシャリスト試験 情報処理安全確保支援士
- 技術士
- 中小企業診断士
- オラクルマスター(OracleMaster) : アメリカ合衆国のソフトウェア会社「オラクル」(Oracle)の認定資格。
- MCP : Microsoftの技術者認定資格。