解説
ドクター・ストレンジの最初のヴィラン。
フルネームは「バロン・カール・アマデウス・モルド」
トランシルヴァニア、ヴァーフマンドラ出身。
モルド男爵とも呼ばれる。
貴族の家系の出であり、生まれながらに富を手にしていたが、祖父の影響でオカルトに傾倒する。
そして魔術の神髄を学ぶためにエンシェント・ワンに弟子入り。エンシェント・ワンはモルドの邪悪な本質を見抜いていたが、自分が更生させられると思い、あえて弟子に取った。
だがモルドは改心することなく、エンシェント・ワンからすべて学びきったと判断したとたんに離反し、師を殺そうとしていた。
それをドクター・ストレンジが見抜き、魔術バトルの末にストレンジが勝利。
モルドは追放され、ストレンジはエンシェント・ワンの弟子となった。
外界に追放されたモルドはその後も研鑽を積み、世界有数の黒魔術師となった。
弟子にカエシリウスがいる。
映画(MCU)版
演 - キウェテル・イジョフォー、日本語吹替 - 小野大輔
人種が黒人になっている。また敵ではなく味方として登場した。
魔術について右も左もわからないストレンジをサポートする仲間であるが、世界と自然の調和を守る魔術師の使命に誇りを持ちすぎるあまり、それに反することを極端に嫌う生真面目な性格。エンシェント・ワン曰く、「若い頃に苦労した経験から魂が固すぎる」と、その意固地な性格を心配されている。
小野Dこと小野大輔氏が吹き替えを担当したことが声優ファンの間では大きな話題となった。
イジョフォーは後に『ヴェノム:ザ・ラストダンス』にて、レックス・ストリックランド少将(コミックではシンビオートの宿主にもなった)を演じており、合わせて2つのマーベルキャラクターを演じた俳優となった。
ドクター・ストレンジ
ネパールのカマー・タージに訪れ、エンシェント・ワンに師事することとなったストレンジを、兄弟子としてサポートする。
だが、エンシェント・ワンが「永く秩序を守る」という目的のために、闇の魔術で延命していることを知り、絶望。彼女が死んでも「我々を裏切っていた。当然の報いだ」と、冷たく突き放す。
ドルマムゥ、そしてカエシリウスとの戦いではストレンジに協力したが、終結とともにカマー・タージと袂を分かった。
ポストクレジットシーンでは、事故による半身不随を魔術で補っている兄弟弟子のジョナサン・パンクボーン(ストレンジにカマー・タージの存在を教えた人物)のもとに訪れ、「魔術師が多過ぎる」として彼から魔術を奪って体の自由を奪うという、ヴィラン化を示唆する行動を取った。
なお推測になるが、『エンドゲーム』にてアベンジャーズの援軍に駆け付けたウォンと魔術師達を見て、ストレンジが「これだけか?」というシーンがある。これは「モルドによってストレンジが見たはずの未来よりも魔術師がやられてしまっていた」ことを示唆しているとも考えられる。
ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
ヴィランとして登場予定。予告編ではストレンジと戦うシーンが見られた。
本作では、MCUの主要宇宙「アース616」とは別の宇宙「アース838」のモルドが登場する。
ドレッドヘアに口髭という、アース616のモルドと比べ、若干威厳のある風体をしている。
同宇宙のストレンジがサノスとの戦いで死んだため、彼の後を継いで至高の魔術師(ソーサラー・スプリーム)に就任しており、またストレンジが結成した6人のスーパーヒーローによるチーム「イルミナティ」の幹部の一員でもある。
またフルネーム「カール・モルド」を明かしている。
アース616から838へ来たストレンジとアメリカ・チャベスを「ストレンジ博物館」にて出迎え、協力者として接するが、二人が飲んだお茶に薬を混ぜて眠らせ、イルミナティ本部施設で拘束する。
その後、他のイルミナティ幹部(プロフェッサーX、ブラックボルト、ミスター・ファンタスティック、キャプテン・マーベル、キャプテン・カーター)の前に連れて行き、かつて838のストレンジがサノスを打倒するために「インカージョン」という宇宙崩壊現象を起こしかけたこと、異世界の同一人物である616のストレンジもインカージョンを起こしかねない危険性があることを告げ、彼の処遇について協議・投票することを告げる。
だが投票の前に、アメリカを狙うワンダ・マキシモフ/スカーレットウィッチが施設を襲撃したため、モルドを除く5人が迎撃に向かい、モルドだけがストレンジと議場に残る。
ストレンジは、異世界であろうとモルドの性質は変わらないと考え、「お前は、838の私に嫉妬していたんだろう」「838の私が死んで、安心したに違いない」と煽り、結果モルドはストレンジの目論見通り激高。
戦闘の末に互いに魔術を封じられた状態となり、議場の奈落の底に落ちたモルドは、ストレンジに逃げられてしまい、「並行世界の私がなぜおまえを嫌っていたのかわかったぞ!!」と捨て台詞を吐くのだった。
結果的にイルミナティで最後の生き残りとなってしまった。
アース616のモルドは登場しなかったが、制作段階では「最序盤でワンダと戦うが負けて首をはねられ、ストレンジに本性を明かす際にその生首が差し出される」というかなりえげつないシーンが候補として挙がっていたらしい。
関連タグ
モルド…映画では「バロン」がつかないので、こちらでの登録が多い。