概要
ヒカニチとは、YouTuberのHIKAKIN及びSEIKINの透過素材を使った改変動画のこと。
「ヒカキンの日常」が正式名称だが、世間では略称であるヒカニチがもっぱら使われている。
特徴
HIKAKINの見た目をしたキャラクターが事件を起こすものや、悪逆無道な行為を働いたのち、報復をうける因果応報ものが多い。
他方「〇〇をしたものの末路」や「ヒカキンで学ぶ〇〇」のように、災害や事件の教訓をテーマにした動画も多く見られる。動画時間は1分未満~長くても4分程度であり、起承転結がはっきりしている。これらはYouTubeやTikTokに投稿される場合が多く、Tiktokでは10万いいね!を越える動画も現れている。
同じくHIKAKINの動画を加工したHikakin_mania(ヒカマニ)と似ているが、後述のような相違点が多い。
基本的に下ネタを含んでおらず、その分殺害ネタが多い。そのためヒカマニと比べ視聴のハードルが低い。さらに「何を四天王!?」や「ママご飯!」のような、ヒカマニではそれほど有名ではない素材が流行っているなど、ヒカマニとは似ても似つかぬところが多い。
一方で「BB先輩劇場」と共通する点がある。「全年齢版ヒカマニ」といえるだろう。
また際立った特徴として、台詞に継ぎ合わせによる改変ではなく字幕を多用する点がある。
ヒカマニはその名の通り「Hikakin Mania」氏に倣った動画が多いが、ヒカニチは「しん分身」氏(後述)に倣ったもの(タイトルが「〇〇ね、〇〇します」等)が非常に多い。語録についても「する、ゥ」「泣く、ゥ」「草、ゥ」「面白、ィ」のようにヒカマニには見られない改変のされ方がなされることもある。
ヒカニチの歴史
2022年11月9日、Tiktokで活動しているヒカマー(@hikashin_mania氏)が区別を付けようと思い、ヒカニチと名付けたことがヒカニチの始まりである。ヒカニチと称される動画がYouTubeにも進出するようになり、ヒカマニ界隈に広く認知されていった。
問題点
ヒカニチの内では、タグやタイトルに「ヒカマニ」というワードを併用したり、ヒカニチという言葉自体を用いずヒカマニのみを使うケースが多く見受けられる。
だが、後述の理由でヒカマニを好む人たちには、ヒカニチなのに「ヒカマニ」という言葉を入れている、というだけで嫌う人が少なくない。
ヒカニチとヒカマニの違い
一応、「ヒカマニとヒカニチってなにが違うの?」と言う人のために説明しておくと、ヒカマニは1人の切り抜き投稿者の動画が広まり、作風が模倣されたことによる『YouTube発祥の、ニコニコ動画で流行の端を発したコンテンツ』。
それに引き換えヒカニチは、HIKAKIN切り抜きを使う形式の動画が広まった『TikTok発祥のコンテンツ』である。(要は元となった場が異なる)
ヒカマニは、初期に音MAD投稿者の高い編集技術によるHIKAKIN動画改変と下ネタ改変が人気を博し、ヒカニチは誰でも参入できるジャンクフードのような手軽さと大衆向けな作風が人気を博したという方向性の違いもある。
とはいえ、HIKAKIN氏の素材を使用するという方向性自体は共通しており、淫夢本編改造とBB先輩劇場、ゆっくり実況とゆっくり茶番劇くらいの違いでしかないといえる。しかし、ヒカマニとヒカニチの両者を同一視されることを忌避する人たちもいるため、両者は別物であるという認識が必要となってくる。
界隈内外の温度差
しかしながら、最近は「両者ともHIKAKINをネタにした動画なのだから同じ扱いで良いのでは?」という風潮が浸透しつつあり、そもそもとして両者を知らない者からすれば、ヒカニチもヒカマニも同じHIKAKIN編集動画としか見なされないという現実がある。
ヒカニチへの批判
さらには、ヒカニチ批判の一つとして「登場人物の台詞を字幕編集に頼る」ことが槍玉に上がることがある。だが、ヒカマニやヒカニチの元ネタとなる、当のHIKAKIN氏本人をも編集においては「←ついにおかしくなったw」のように台詞として声に出さず、字幕に代弁させるという編集を昔から今現在に至るまで彼らは好んで多用しており、HIKAKINという元ネタにはむしろ忠実である。(ヒカニチ投稿者がHIKAKINの編集に倣った可能性もあり得る)
加えて、本家Hikakin Mania氏も外伝が流行る以前に『【悲報】ヒカキン、踊る』や『親父に新品のHIKAKINをハンマーで壊された。』のような、透過画像を用いる容易な動画を投稿していたことを考えれば、そのような編集がHIKAKIN本人にリスペクトを感じない、という指摘は裏付けに足らないといえる。
両者の食い違い
ヒカニチ否定派は
- ヒカマニは元々Hikakin_Mania氏の模倣モノをさす呼称だから、それとかけ離れたヒカニチをヒカマニに含めると、もはや「HIKAKINの動画を編集したもの=ヒカマニ」になってしまうので分ける必要がある。また、ヒカニチ動画にヒカマニのタグを使用すると、ヒカマニとヒカニチを同一視されかねない
ヒカニチ肯定派は
…と対立した主張が見られていて、両者の前提のすれ違いがヒカマニ界隈内で対立を生んでいる。
投稿の際の注意
前述の通り、ヒカマニとヒカニチは完全に別物であり、同一視されることを嫌うものが少なくない。また、ヒカニチにヒカマニのタグをつけてしまうと、ヒカマニと検索してもヒカニチ動画が多数ヒットしてしまう、という問題もある。これは非常に悪質な検索妨害に他ならない。
これらの理由から、新規でヒカニチの動画を投稿する場合は、「ヒカマニ」というタグは絶対に使用しないことである。
ヒカニチ流行の原因
まずヒカマニの多くは、HIKAKIN・SEIKIN本人の動画をベースに、他動画のワンシーンを切り抜いて台詞を継ぎはぎ制作されている、ということをことわっておく必要がある。
なぜなら、それを無視してヒカニチとヒカマニの相違点を語れないからだ。
一般に、スマホで動画編集をするとなると、どうしてもヒカマニらしい編集を行いにくい。さらにいうと、スマホでは長い時間の動画制作が(PCと比べて)しづらく、それとは裏腹にベースとなるHIKAKINの動画は年々再生時間が長くなっている傾向がみられ、それにともない彼の動画をベースに制作するヒカマニ外伝も、長い動画にならざるを得ない。
結果、スマホアプリでも編集しやすい、他者が公開している透過素材と背景画像だけを使って動画制作する人が増えた。したがって低クオリティ、手抜きとみなされる作品が大量に生み出されるという問題が発生している。こうしてヒカニチを嫌う人達も増えていった。
だがそうした問題を鑑みてもなお、ヒカニチは再生数が近年のヒカマニ外伝を上回ることも少なくなく、YouTubeやTikTokで日を追うたびに人気を獲得しているのだ。
話は変わるが、かつてYouTubeで活動していた「しん分身」という人物が、「金ないね、強盗します」というタイトルの動画を公開していたことがあった。この動画は2023年7月現在削除されているものの、投稿からわずか4ヶ月で170万再生を達成するなど、それなりの規模があるヒカマニ界隈においても強い反響をおよぼしていた。(アーカイブ)
この動画は、最初こそヒカマニのような「動画の接ぎ合わせによる編集」である。
が、途中から「静止画を背景に、大量の透過素材を動かす形式」……言いかえれば、
現在のヒカニチに似た感じの形式へと変移している。
もっともこの動画公開当時は「ヒカニチ」という用語は普及してすらいない。
だが、動画の公開日時は2022年11月17日でヒカニチ発生時期と重なっている。
つまりはこの動画が大きな反響をおよぼしたことが、「多くの人々が似たような『フリー素材と透過素材のみを使用した動画』を制作し投稿した」という結果…すなわち、ヒカニチが誕生・流行するに至った原因を作ったと推測され得る。
2023年7月30日頃に、同氏はブームの火付け役となったことに責任を感じたのか、ニコニコ動画の自身のプロフィールを更新して謝罪コメントを残している。
本人認知
ヒカニチの有名なネタとして、上記動画の2:17の「何を四天王!?(なにをしてんの?)」というものがある。
そして2023年7月16日、HikakinTVで公開された動画に「#何をしてんの」という明らかに「何を四天王!?」を意識しているタグが使用されていた。(※タグ自体は翌日の7月17日に削除)
動画内容はHIKAKINが無断使用にキレる動画なのだが…
加えて同日投稿されたこの動画の6:56では、「何をしてんの?」という、言い方が「何を四天王!?」にとても似せられた発言が見られる。
これらの言動から、本人に認知されているといえるだろう。