概要
ゴシック体(角ゴ/丸ゴ)・明朝体がメイン。有名になったのは、2000年から発売されたMac OS Xの日本語標準フォントとして搭載されてからだろう。2007年から発売のiPhoneなどをはじめとするiOSにも搭載され、2010年末からは公団ゴシックに代わって高速道路の標識にも採用されたことで、今日このフォントを目にする機会は多い。TV番組のテロップにも頻繁に使われている。元写研のスタッフが関わっているだけあり、そのクオリティは高く、2005年グッドデザイン賞を受賞した経歴を持つ。
Windowsにも対応しているが、Firefox系などのブラウザを使わないと文字色が非常に薄く表示されて、かえって見づらくなってしまうので要注意(1990年代にて9x系OSに対応していたTTFファイルは別)。これはOTFファイル全般に言えることであり、Windowsのレンダリングの貧弱さに原因がある。DirectWriteなどを使用するか、MacTypeなどのレンダリングアプリを併用することで表示環境を改善させることが可能。
開発は字游工房だが、販売はパッケージ版がSCREENホールディングス(旧:大日本スクリーン製造)、年鑑契約式がモリサワによって行われている。
中国語版も角ゴのみ開発されており、簡体字版は中国の文字コードの規格「GB18030」に対応しているため、扱える文字数が非常に多い。日本語版とセットで使用することで、かなり多くの漢字を高品質なフォントで扱えることになる。
スタイルシートを扱えるユーザーは、「ヒラギノ角ゴシック W3」「Hiragino Sans」「ヒラギノ角ゴ 簡体中文 W3」「Hiragino Sans GB」「ヒラギノ角ゴ 繁体中文 W3」「Hiragino Sans CNS W3」「Hiragino Sans CNS」の7つをセットに指定すれば、Pixivでの漢字表示は全てヒラギノでまかなえる。
- 日本語版フォントだけで表示できない漢字については、メイリオに比べてこちらのほうが顕著である。メイリオにこの問題が起こりにくいのは、あちらは1990年に制定された「JIS X 0212」に対応しているためで、ヒラギノが対応しているのは市販品の「ヒラギノ角ゴ Pr6N」ぐらいだからである。
- 有名どころで表示できないのは、冴羽獠の「獠」や、哪吒の「哪」などが挙げられる(どちらも上記の方法でカバーすれば問題ない)。
- また、阪急梅田駅で使われる「梅龱」の「龱」のように、繁体字版(Hiragino Sans CNSなど)が必要になる文字もある。
このように、今日ではゴシック体の知名度が上がっているのだが、実は最初に作られたのは明朝体の方だったりする。
他にも、行書体のほか、同じゴシック体でも収録文字数が多いもの・ユニバーサルデザインになっているものなどが存在するものの、プロユースの市販品としてのみ入手可能なので、そちらの知名度は業界以外ではほとんどないだろう。
2019年以降の注意
macOS Catalinaでは、パッケージ版や従来バンドルされていた「ヒラギノ角ゴ Pro W3」や「ヒラギノ角ゴ ProN W3」が古いフォントとして用途を限定されている。これは、以前からウェイト数のもっと多い「ヒラギノ角ゴシック W0〜W9」が導入されたため。
Webでフォント指定を行う際も「ヒラギノ角ゴシック」「Hiragino Sans」なら問題ないのだが、割とけっこうな数のWebサイトが2022年1月現在対応していない。Pixivも同様であり、対応が待たれる。
関連タグ
外部リンク
macOS Catalinaでヒラギノ角ゴPro/ProNがなくなって困ってるfont-familyの設定を考える。
Mac Catalina WEBでのヒラギノフォント表示問題について考えたメモ