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ヒース・レジャー

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ひーすれじゃー

ヒース・レジャーとは、オーストラリア出身の俳優(1979年4月4日 - 2008年1月22日)。本名はHeath Andrew Ledger。

キャリア

オーストラリア時代〜ハリウッドデビュー

西オーストラリア州パースの名士の家に生まれ、10歳の頃より演劇の道に進む。1996年、オーストラリアのテレビドラマ『Sweat』に出演し、本格的にキャリアをスタートさせる。番組自体マイナーだった上に役柄がゲイだったため、あまり人気は出なかったが、その演技が業界の注目を浴びる。以後、オーストラリア映画『ブロックロック』や、全米放送のテレビシリーズ『Roar』出演を経て、『恋のからさわぎ』でハリウッドデビューする。

この映画は興行的に大きな成功を治め、ヒースのもとにはオファーが殺到。しかし、ヒース本人が同映画のアイドル路線を嫌い、これらのオファーを断ったため、一時期赤貧状態に陥る。それでも2000年の『パトリオット』、2001年の『チョコレート』などの映画に出演して評価を積み重ね、自身のハリウッド初主演となる『ROCK YOU!』(2001年)のヒットでトップスターの仲間入りを果たす。しかし、それ以後はあまり出演作品に恵まれない状況が続いた。

『ブロークバック・マウンテン』

その状況を打破したのが2005年公開の『ブロークバック・マウンテン』である。ヒースは作中で寡黙な主人公、イニス・デルマーの20歳から40歳近くまで20年にも及ぶ役柄を見事に演じた。男性の同性愛という敬遠されがちな内容を扱った映画であったが、批評家からは手放しの絶賛を受け、興行的にも大成功した。これ以降は、コメディ映画の『カサノバ』、オーストラリア映画『キャンディ』などに出演し、作品そのものはそれ程ではなかったが、その演技力は高評価を得る。2007年の『アイム・ノット・ゼア』では、他の5人の俳優と共にボブ・ディラン役を演じたが、これが彼の生前に公開された最後の作品となった。

2008年1月22日、マンハッタンの自宅アパートで遺体で発見される。死因は急性薬物中毒。この当時、ヒースは日に2時間しか眠れないほどの不眠症を患っており、プライベートで婚約者と別れたことなどもあって、精神的にも肉体的にも不安定だった。更にそこで運悪くインフルエンザを罹患し、薬を併用摂取したことが原因となってしまった。享年28歳。

ダークナイト

その死後、生前に撮り終えた最後の作品である『ダークナイト』が公開される。作中で彼は主人公バットマンに敵対する狂人ジョーカーを演じた。

この際、ヒースは役作りで一ヶ月間ロンドンのホテルに一人きりで閉じこもり、ジョーカー独特の声や笑い方を研究。更に顔のメイクは自分で行い、その手を洗わない(ジョーカーならばそんな几帳面なことはしないだろうという考えから)などの徹底した役作りで撮影に臨んだ。

その結果、彼は観る者の恐怖感を煽る笑い方や喋り方、感情移入を徹底的に拒むような濁った目つき、生理的嫌悪を煽る不気味な舌なめずりや貧乏ゆすりなど、鬼気迫る演技の数々で主役のバットマンさえ食ってしまう存在感を見せ、悪の救世主とも形容できる新たなジョーカー像を確立。

当初存在したキャスティングに対する批判の声を180度ひっくり返したその凄まじい怪演ぶりは、『怪鳥人間バットマン』のシーザー・ロメロ、『バットマン』のジャック・ニコルソンと並んで『三人のジョーカー』とも評されるほど。

この演技は高い評価を受け、アカデミー助演男優賞、ゴールデングローブ賞 助演男優賞、英国アカデミー賞 助演男優賞など主要映画賞を総なめにし、故人としては二人目のオスカー像獲得となった。

Dr.パルナサスの鏡

ヒースの死の前月より、彼を主演としたテリー・ギリアム監督の映画『Dr.パルナサスの鏡』の撮影が始まっていた。しかし、撮影が既に終わっていた『ダークナイト』と違い、こちらはまだまだ未完成であったため、同作はお蔵入りし、ヒースの遺作は『ダークナイト』になるものと思われていた。しかし、生前彼と親交のあったジョニー・デップジュード・ロウコリン・ファレルの3人が別世界にトリップした主人公を演じることで撮影が開始された。なお、トム・クルーズがこの話を聞いて自ら出演を志願したが、「ヒースをよく理解している本当の友人に演じてほしい」とギリアム監督に断られている。こうして映画は2009年に無事公開され、代役を務めた3人は、本作の出演料全額をヒースの遺児である娘マチルダに寄贈した。

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武内駿輔(ヒースのジョーカーの演技に感銘し、声優を志す。)

アンソニー・ホプキンス:ヒースとは狡猾で恐るべき狂気を湛えたサイコパスを見事に演じきった点で共通するが、上述のように役柄を徹底的に研究するメソッド演技法の極北とも言うべきアプローチで演技に臨んだヒースと、「演技とは絵空事であり、その要素はすべてシナリオの中にある」という持論を持ち、役のリサーチよりも脚本のチェックと暗記を重視するホプキンスでは、演技手法という点ではまさに対極そのものといえる。

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